伊集院光と大江健三郎 その２

大江健三郎は、伊丹氏の映画をわざわざ見たりはしない。だが、ある時、伊丹氏の妹でもある妻が、試写会に行った。そして、それはテロに関する映画だった、と話してくれた。伊 丹氏がテロについてどんなふうに表現したのか。それは重要であると判断した大江氏は、映画館まで見に行った。そして、鑑賞後、伊丹氏に電話したのだ。 伊丹氏は、抽象的な感想は嫌う。あれはポストモダンだったね、みたいな言い方ではダメだ。具体的に、何がどうだったのかを話す必要がある。そこで、大江氏は、映画の中の、とあるエピソードについて話をした。 小太りな警察官がいる。出前の昼食について文句を言ったりしてちょっと意地悪な側面がある。サリンジャーなんかを読んでいるのを上司に見られ、そんなもんを読んでばかりいるより、カラオケスナックにでも行ったりすることも仕事の一部である、などと怒られる。 カラオケスナックに行ったその警察官は、歌っている青年が

[dydr]

伊集院も大江も好きだけど、この話は知らなかった。出来過ぎな気もするが。大江健三郎が安部公房との対談で言ってた茶目っ気のあるマルケスを思い出す。“君、だけど、あの警官役はね、伊集院光という人なんだよ”

[nomitori]

いいものを読んだ

[fooleryshiho]

凄くよい追悼だと思った。これを聞いた関係者で嬉しくならない人はいないと思う。

[yamaisan]

両氏の記憶に焼き付いた部分が共通していた。両氏の感性と伊丹監督の凄さ。このラジオエピソードの尊さ。知れて感謝です。

[yuzuk45]

ラジオで触れてほしいな

[chiisanaehon]

“伊集院は、この高名な作家に対して、臆することなく、けれど謙虚に、一生懸命に自分の思いを話した。大江氏はそれをまっすぐ受け止めて、嬉しそうに、懐かしそうに、熱心に話してくれた。” 涙が出た。いい話だ。

[horaix]

伊集院光は学生時代は大好きで、最近はnot for me寄りだったんだがこのエピソードは素晴らしいね。/「マルタイの女」は観たんだが伊集院光が出ていたことすら覚えててない

[firststar_hateno]

とても興味深いお話ですわね。詳しい内容は存じ上げませんが、伊丹氏の映画作品には深い思い入れがあるようですわ。

[Cru]

すごい…

[jnkfkt]

ミンボーの女を見返したくなった

[hariopip]

カッチブーだな、おい