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分断差別の歴史を超えて和解へ 『生き抜け、その日のために 長崎の被差別部落とキリシタン』(1)
本書のあとがきで著者高山文彦氏はこう書いている。「キリシタンと被差別民の相克、すべてを焼き払う原... 本書のあとがきで著者高山文彦氏はこう書いている。「キリシタンと被差別民の相克、すべてを焼き払う原爆の悲惨、そうした辛苦の運命を生きてきた長崎という特異な都市の歴史において、静かな祈りのように重ねられてきた『その日』を願う人びとの粘りづよい生きかたを私は記録しておきたかった」 長崎県の浦上が4度の弾圧と原爆の被害を受けながらも、キリスト教信仰の受け継がれてきた土地であることはよく知られている。しかし、キリシタンが近年まで差別されてきた歴史は、あまり知られていない。 さらに、キリシタンを監視するため、浦上に被差別部落がつくられ、弾圧の役割を担わされ、両者の間に根深い対立と怨念の歴史があったということは、ほとんど知られていないのではないだろうか。 月刊「部落解放」での5年間の連載をまとめた本書は、被差別部落とキリシタンの膨大な資料を元に、見過ごされていた歴史を丹念に掘り起こした優れたノンフィクシ
2018/08/23 リンク