第20回「女による女のためのR-18文学賞」受賞作「ありがとう西武大津店」を含む短編集『成瀬は天下を取りにいく』。その舞台は滋賀県大津市の膳所駅周辺だ。刊行を祝し、著者の宮島未奈さんが〈ぜぜさんぽ〉に繰り出すと、そこでは物語の主人公・成瀬あかりが待ち構えていて……? 発売後即重版の超話題作「成天」の世界を、お楽しみください。 *** 滋賀県大津市の難読地名、「膳所」。その昔、宮中に届ける食事を作っていた場所だったから膳所と名付けられたというが、読み方の由来には諸説ある。 しかし我々だって、たとえば「今日」と書いてなぜ「きょう」と読むのか、いちいち考えないだろう。それと同じで「膳所」と書いたら「ぜぜ」なのだ。 わたしのデビュー作『成瀬は天下を取りにいく』の主な舞台は膳所である。すでにお読みになった方々からは、膳所の読み方を一生忘れないだろうとの感想をいただいている。 JR膳所駅の改札を抜け、
周囲の目は気にせず、いつもマイペース。地元を愛し、とっぴでスケールの大きな目標をひょうひょうと口にする-。2024年本屋大賞に輝いた宮島未奈さん(40)の『成瀬は天下を取りにいく』(新潮社)は主人公、成瀬あかりのキャラクターの妙味で読者をひき込む。電子版を含む累計が42万部を突破した破格のデビュー小説集について、宮島さんに聞いた。 閉店する「西武」「熱い感想をくださる書店員さんが多くて、成瀬を愛してくれているのが伝わってきた」と宮島さん。 「成瀬にモデルはとくにいないんです。新人賞を取るためには目立つキャラクターが必要、と思って考えた女の子。生み出したときは赤ちゃんのようなイメージだったけれど、ずいぶん大きくなったなあと」 15年前から滋賀県大津市で暮らす。6編の連作からなる本書には、地元ネタが存分に盛り込まれている。 <わたしはこの夏を西武に捧(ささ)げようと思う>-。コロナ禍に見舞われ
世界では長寿化が急激に進んでいます。過去200年のデータを見ると、10年ごとに寿命が2年ずつ延びています。これは1年が14か月に延びること、あるいは1週間が9日に、1日が30時間になるのと同じです。 先進国では1967年生まれの半数は91歳まで生きると見込まれます。1987年生まれは97歳、2007年生まれに至っては2人に1人が103歳まで生きることになります。日本の場合はさらに長寿で、2007年生まれの半数が107歳まで生きると予測されています。人生100年時代は私たちが思っているより速く、驚くべきスピードで進行しているのです。 できるだけ長く、健やかで生産的に生きていくために 日本は長寿国であると同時に、出生率が低い国でもあり、2050年には老年従属人口指数が世界で最も高まります。つまり、少ない数の若者で多くの老人を支えていくことにかけて世界一となるのです。 寿命が延びると聞くと、健康
出版不況が叫ばれる中、快進撃を続ける出版社が兵庫県明石市のライツ社だ。社員は6人と小規模ながら、独創的な企画でヒット本を連発し、重版率は何と7割を記録するという。ヒットを生み出すアイデアはどこから生まれるのか、その秘密に迫った。 出版不況で書籍の重版率が低迷する中、ほぼ7割という驚異的な重版率を誇る新興出版社がある。社長兼編集長の大塚啓志郎氏が率いるライツ社だ。年間の出版点数は僅か5、6点程度ながら、30万部を突破した『リュウジ式至高のレシピ』、18万部に達した『認知症世界の歩き方』など、幅広いジャンルでヒット作を連発する、注目の存在だ。 大学卒業後、大塚氏は出版部門を持つ京都市内の企業に編集者として入社した。旅関連の本などをヒットさせ、売り上げ拡大に貢献するも、役職につくと徐々に会議とマネジメントが仕事の中心になり、本づくりに充てられる時間が激減。そうした状況で年間ノルマを達成するよう求
世界のエグゼクティブが注目するEIシリーズ最新刊『セルフ・アウェアネス』の発刊記念イベントが2019年8月30日に開催された。自分に意識を傾けるセルフ・アウェアネス(自己認識)はリーダーシップを語るうえで外せない概念だとされているが、なぜなのか。巻頭の「なぜいま、セルフ・アウェアネスが求められているのか」を執筆した立教大学経営学部教授 中原淳氏の講演録をお届けする(構成:井上佐保子、写真:斉藤美春)。 リーダーシップのダークサイドに堕ちないために 「みなさん最近、セルフ・アウェアできてますかー(笑)?」。中原氏の講演はこんな問いかけから始まった。セルフ・アウェアネスとは、自己に意識を傾け、自分自身について深く理解すること。セルフ・アウェアネスは、いま、経営学の中で注目されているリーダーシップ理論、『オーセンティック・リーダーシップ』と『シェアード・リーダーシップ』の両方に深い関わりがある、
仕事に愛され、会社に選ばれ、主体的に自分のキャリアを積み上げられる人材になる! キャリアの心理学の理論に基づいたワークから、企業選びやES作成、面接対策まで、多様性の時代に生きるライフデザインのヒント。キャリアコンサルタント試験に役立つ1冊。 ●著者紹介 【著者紹介】 杉山 崇(すぎやま たかし) 1970年下関市生まれ。神奈川大学人間科学部教授,心理相談センター所長。臨床心理士,1級キャリアコンサルティング技能士。学習院大学大学院修了。1994年から心理職を務め精神科,教育,福祉,産業などの領域を経て日本学術振興会特別研究員。うつ病の脳・心・社会の相互作用の知見から「無理のあるキャリアのうつ病リスク」を提案し2000年代からキャリア形成支援に関わる。LECキャリアコンサルタント養成講座テキスト総監修・分担執筆。「心理学で幸せに」をテーマにTV,雑誌での啓発活動も多い。 馬場洋介(ばば ひ
昨年、十二月二十一日のことである。 森見登美彦氏は、万城目学氏と、ヨーロッパ企画の上田誠氏との忘年会に参加した。年末の京都に清らかなおっさんたちが集う忘年会も、すでに六回目を数える。 「六回目といえば」 ということで、万城目氏が新作『八月の御所グラウンド』で六回目の直木賞候補になっているという話になった。 しかし万城目氏の顔つきは暗かった。 「どうせあかんねん」 「待ち会はしないんですか?」 「そんなもんせえへんわ。いつもどおりにしてる」 それはいかん、と登美彦氏は思った。度重なる落選にウンザリする気持ちはよく分かるが、直木賞はようするに「お祭り」なのであって、盛りあがらなければ損である。「待ち会」は落ちてからが本番なのだ。落選したってええじゃないか! 「何をいじけてるんです。待ち会やりましょう!」 「なんでやねん!」 「やるなら東京まで行きますって」 「あ、それなら僕も行きます」と上田氏
フリーライター。テレビ情報誌「テレビ・ステーション」において、テレビドラマ、韓国・台湾などのアジア系エンタメの連載などを担当。2017年~2020年、ダイバーシティ&インクルージョン「オリイジン」にて、多数のインタビュー記事を執筆。ほか、数多くの書籍制作にも携わる。「HRオンライン」にて、主に「研修」をテーマに取材・執筆を行う。 HRオンライン 「HRオンライン」は、ダイヤモンド社・HRソリューション事業室(人材開発編集部)が運営するメディアであり、この連載カテゴリーにインデックスされている記事は、そのメディアが保有するコンテンツの一部です。コンテンツは、企業経営層や人事担当者、バックヤード(総務・CSR)従事者を対象に、常に高価値なものであることを目指しています。 「HRオンライン」は、一媒体(メディア)として、人事担当者の思い・考え・悩みに寄り添いながら、然るべき情報発信を通じて、就労
◆イノベーション、商品普及、業務刷新――。変革を進めるのが難しいのはなぜか キャッシュレス化や、教育や医療や勤務のリモート対応などを普及させ、世の中をより効率的で便利にしよう、生産性を上げようという動きが活発になっています。とはいえ、取り入れるかどうかは個人や個別の企業・組織の自由ですから、変化はなかなか進みません。「変われないこと」が日本の問題として認識されて、はや数十年。何とかならないものでしょうか。 しかしこの「変われない」という問題はべつに日本特有ではなく、程度の差こそあれ、どこにでも見られる普遍的なものです。本書はこの問題への対処法を実践的に解説したもの。心理学者と起業家というバックグラウンドを持つ2人の米国の経営学教授が著した、学術的にも裏打ちされた本です。 「変化を嫌う人」に対し、多くの人は、利点をくわしく説明したり、金銭的なインセンティブを増加させたりして動かそうとします。
KADOKAWAから「水曜どうでしょう」の公式本「『水曜どうでしょう』スペシャルブック 2013-2023 特別編集版」が登場します。番組の10年間の歩みを網羅し、2023年8月に放送開始した最新作「懐かしの西表島」の独占取材なども収録。11月29日発売予定で、価格は1760円です。 2023年最新作 スペシャルブックでは、雑誌「ダ・ヴィンチ」2013年11月号に掲載された「水曜どうでしょう」特集と、2019年12月号に掲載された「水曜どうでしょう特集再び!」の雑誌誌面(一部除く)を再録し、当時の写真やインタビュー記事をそのまま掲載。「懐かしの西表島」の取材記事や写真に加え、ロビンソン氏のインタビュー、“どうでしょう軍団”の座談会、先行上映会ライブ・ビューイング登壇レポなども収録しました。 これがもう10年前なのか…… 懐かしの名シーンが見られるかも! また、onちゃんでおなじみの安田顕さ
東京は広い。長いこと住んでいても、まだまだ知らない場所がたくさんある。 著者は東京品川区の戸越銀座で生まれ、現在もそこで暮らしている。著者の家は祖父の代からこの地で町工場を営んでいた。 戸越銀座は五反田から東急池上線なら二駅、都営浅草線なら一駅だ。戸越銀座も五反田もそれなりに知っているつもりでいたが、所詮それはピンポイントの知識に過ぎなかった。本書を読むまで、このあたりを面としてとらえるイメージがまったくなかったのである。 戸越銀座と五反田は直線距離でわずか1・5キロほどしか離れていない。この界隈に住む人にとっては、戸越銀座商店街も五反田駅周辺も生活圏なのだ。五反田駅を中心とした半径約1・5キロの円を、著者は〈大五反田〉と呼ぶ。 本書は〈大五反田〉の歴史を著者の個人史と結びつけて掘り下げた一冊だ。知らない街や他人様の歴史に興味はないと敬遠するのはあまりにもったいない。実は五反田は、日本の近
上田さんはじめ、ゲンロンの皆さんを幾晩も夜なべさせ、ようやくここまで辿り着き、いまは感無量です。これまでそれなりに本は出してきましたが、これほど嬉しい校了は初めてです。今晩は、ひとり、家でこの喜びに酔いしれたいと思います。 この本の本格的な編集作業は、ロシアによるウクライナ侵攻が始まった、まさにその頃に始まりました。ロシアをよく知る上田さんが最も心を痛めていた時期です(今もですが)。二人で会うと、旧社会主義国家の話や、日本が中国はじめアジア諸国を侵略した時代の話になり、過去と現在がつながりました。 それと私は町工場の娘なので、心痛と多忙の極みにある上田さん(社長)が夜なべをして編集に全力を傾け、その負担を軽減しようと東さん(私の感覚では会長)がコピーをとったりCDを焼いたりする姿に、感じ入りました。社長と会長ががんばる。まさに私が育った町工場のような世界がそこにはありました。 奇妙なのです
","naka5":"<!-- BFF501 PC記事下(中⑤企画)パーツ=1541 -->","naka6":"<!-- BFF486 PC記事下(中⑥デジ編)パーツ=8826 --><!-- /news/esi/ichikiji/c6/default.htm -->","naka6Sp":"<!-- BFF3053 SP記事下(中⑥デジ編)パーツ=8826 -->","adcreative72":"<!-- BFF920 広告枠)ADCREATIVE-72 こんな特集も -->\n<!-- Ad BGN -->\n<!-- dfptag PC誘導枠5行 ★ここから -->\n<div class=\"p_infeed_list_wrapper\" id=\"p_infeed_list1\">\n <div class=\"p_infeed_list\">\n <div class=\"
石山ゼミ関連でご一緒する早瀬信さんからご恵投いただき、さっそく読ませていただきました。早瀬さん、ありがとうございました!本書は、そのタイトルにたがうことなく、組織開発の入門書として読みやすく、また味わい深い書籍でした。 二つの組織開発組織開発に詳しい方ですと、二つの組織開発と聞くと「対話型と診断型の違いでしょ」となるかもしれませんが、本書では違う観点から類別をしています。具体的には、構造化された組織開発と構造化されていない組織開発、というように構造化をキーワードにして以下のように分けています。 (1)構造化された組織開発 日常業務とは異なる特別に設けられた場で対話や研修を行う取り組み (2)構造化されていない組織開発 組織における日常業務を通じてチームや組織のメンバーが現状に気づいてよりよくするために行う自発的な取り組み 7-8頁の監修者の解説を基にまとめてみましたのですが、これは、さらっ
組織開発コンサルタント 組織開発コンサルティング会社セセリー代表。早稲田大学理工学部卒業後、キヤノン株式会社へ入社しマーケティングなどに従事。退職後も続けられるスキルを得るため、社内異動を希望し組織開発コンサルタントとなる。約11年のコンサル実践、延べ2000人以上の指導経験を持つ。定年退職後に独立。特定手法に依存せず、組織状況に寄り添う柔軟な組織開発支援を行う。 いちばんやさしい「組織開発」のはじめ方 「不満が蔓延している」、「なぜか人が辞めていく」、「社員にモチベーションがない」など 職場のモヤモヤを解決する「組織開発」のいちばんやさしい入門書。 数人のチームから1000人規模の組織まで、 すぐに始められる、驚くほど変わる! バックナンバー一覧 「会社に対する不満が蔓延している」、「なぜか人が辞めていく」、「社員にモチベーションがない」など、具体的な問題があるわけではないけれどなぜだか
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く