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円は本当に安すぎる? | 大和総研
コロナ禍で止まっていたインバウンドの再開による景気刺激効果が期待されている。訪日客の絶対数がコロ... コロナ禍で止まっていたインバウンドの再開による景気刺激効果が期待されている。訪日客の絶対数がコロナ前に戻るには相当の時間が必要だろうが、一人当たりの円換算支出額の増加は見込めそうだ。その一方で、アウトバウンドの環境は著しく悪い。飛行機代からホテルの宿泊料金に食事代、何から何まで高い。円の購買力が大幅に低下しているのだ。これをメディアなどは「数十年ぶり低水準への実質為替レートの下落」等と書き立てている。 一方、為替レートは長期的には一物一価が成り立つように決まるという考え方がある。購買力平価説というものだが、それによれば物価上昇率が高い国の通貨は下落する。逆は逆である。そして、この説が正しいのであれば、一方的な円の実質レートの下落がいつまでも続くことはない。今は金融政策の方向性の違いなどが円を押し下げているが、いずれ内外物価上昇率格差が円を反発に導く、ということになる。 本当だろうか。確かに