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【書方箋 この本、効キマス】第32回 『資本とイデオロギー』 トマ・ピケティ著/濱口 桂一郎|書評|労働新聞社
「バラモン左翼」の由来は もう5年以上も前になるが、『21世紀の資本』がベストセラーになって売れっ子... 「バラモン左翼」の由来は もう5年以上も前になるが、『21世紀の資本』がベストセラーになって売れっ子だったピケティの論文「Brahmin Left vs Merchant Right」(バラモン左翼対商人右翼)を拙ブログで紹介したことがある。この「バラモン左翼」という言葉はかなり流行したが、右翼のリベラル批判の文脈でしか理解しない人も多く、造語主ピケティの真意と乖離している感もあった。 原著でも1000ページ、邦訳では1100ページを超える本書は、このバラモン左翼がいかなる背景の下に生み出されてきたのかを人類史的視野で描き出した大著だ。第1章と第2章は中世ヨーロッパの三層社会―聖職者、貴族、平民―を論じ、第3~5章はそれが近代の所有権社会に転換していった姿を描く。第6~9章は欧州以外の奴隷社会、植民地社会を描くが、とくに第8章ではインドのカースト社会を論じる。ここまでで400ページ。いつに
2023/08/31 リンク