【深層リポート】クジラと高速船の衝突低減 新潟大名誉教授が残した功績

新潟県長岡市の寺泊沿岸に現れたコククジラ＝平成２６年４月９日（同市寺泊水族博物館提供） その他の写真を見る（1/3枚） 新潟県佐渡市と新潟市などを結ぶ離島航路を運営する佐渡汽船（本社・佐渡市）が、高速船ジェットフォイル（ＪＦ）を導入したのは昭和５２年のこと。導入直後から直面した課題が大型海洋生物との衝突事故だった。この課題を解決しようと、長年にわたり調査分析してきたのが平成２７年に亡くなった新潟大学名誉教授の本間義治氏だ。その功績もあり事故は減っていった。世界遺産登録を目指す佐渡島が観光地として注目されつつある中、その功績を振り返る。 目撃情報を収集 ＪＦは、ガスタービンエンジンで動くウオータージェット推進機により、吸い込んだ海水を船尾から勢いよく噴射し高速航行する。最高速度は時速約８０キロ。主要航路の新潟港（新潟市）－両津港（佐渡市）をカーフェリーの半分以下の約１時間で結ぶ。 一方、佐渡

[John_Kawanishi]

｢オウギハクジラは佐渡沖の特定海域で深く潜り豊富にいる深海性の鰞を食べる習性があり息継ぎ等の為に海面に急浮上してくる。この海域がJFの航路と重なり高速航行するJFを避けきれず衝突する事が度々あった｣