正倉院宝物、現代に「よみがえる」 「究極の工芸品」再現模造ずらり 奈良博で特別展

正倉院宝物の再現模造を一堂に公開する御大典記念特別展「よみがえる正倉院宝物－再現模造にみる天平の技－」が、奈良国立博物館（奈良市）で開かれている。再現模造は近現代の技術の粋が集められた「究極の伝統工芸品」とされ、長い歳月を経た宝物の当初の姿に迫ることができる。前期は８月２日まで、後期は同４日～９月６日の予定で展示替えがある。 正倉院宝物の模造製作は明治時代に奈良で開かれた博覧会を機に始まり、昭和４７年から忠実な再現に重点を置いた製作に。人間国宝らの技や最新の調査により高度な模造が作られてきた。今回はこれらを紹介するため前期、後期で楽器や仏具、染織など計８６件を展示する。 展示されている楽器の再現模造のうち、明治の「漆槽箜篌（うるしそうのくご）」（稲生真履製作、宮内庁正倉院事務所蔵）は黒漆塗りのたて琴、「螺鈿（らでん）槽箜篌」（同、同）は貝殻を使った螺鈿飾りのたて琴で目を引く。このほか、日本