旧八王子医療刑務所 解体前ルポ 塀の中、償いと治療の記憶 再開発でまちづくり拠点に：東京新聞 TOKYO Web

二〇一八年に閉鎖した旧八王子医療刑務所（八王子市子安町三）の本格的な解体が始まった。市の再開発により、跡地には三年後、まちづくりの拠点がオープンする。高い塀に囲まれた施設の最後の姿を目にとどめるべく、解体を前に、先月行われた見学会に参加した。 高さ四メートルのコンクリート塀が施設の周囲九百メートルをぐるりと囲む。正門をくぐると、背筋が伸びるような緊張感が漂う。社会と隔絶された施設で、治療を受けながら罪と向き合う受刑者たちの姿を想像した。ここでは年間二十〜五十人の受刑者が亡くなったという。