サクサク読めて、アプリ限定の機能も多数!
トップへ戻る
猫
www.ben54.jp
4月26日、求人求職サイトを利用した嫌がらせにより業務妨害を受けたとして、弁護士5名がサイトの運営会社に損害賠償を請求する民事訴訟を提起した。 大量の電話・メールによる業務妨害 訴訟の原告は岡村晴美弁護士、太田啓子弁護士、神原元弁護士、端野真弁護士、渡辺輝人弁護士。 被告は求人求職サイト「バイトル」を運営するディップ株式会社(以下「運営会社」)。 2024年1月、第三者が原告らの氏名や所属事務所の電話番号・メールアドレスなどを利用して、「バイトル」上に掲載された多数の会社の求人広告に応募した。応募を受けた各社は、面接日を設定するために原告らの所属事務所に電話やメールで連絡。原告らの事務所は大量の電話やメールの応対に追われて、深刻な業務妨害を受けた。 原告の一部は被害が発生した直後に運営会社に連絡して対応を求め、担当者と面談を行った。 以前にも他の人を対象にしてサイトを利用した嫌がらせが行わ
近江八幡警察署が、いなり寿司を万引したという窃盗容疑で74歳女性を誤認逮捕し、82時間にわたり身柄拘束したことが発覚した。女性は精神的苦痛を受けたとのことである。この件について、女性は金銭的な補償・賠償を請求することはできるか。請求が認められるとしてどのくらいの金額を請求できるのか。 「被疑者補償規程」で最大5万円の補償 まず、本件女性が無条件で金銭的補償を受けられる手段はあるのか。荒川香遥弁護士(弁護士法人ダーウィン法律事務所代表)に聞いた。 「無実の罪で身柄拘束された人に対する補償については、法務省の『被疑者補償規程』で定められています。 本件の女性も、この『被疑者補償規程』に基づいて1日あたり1000円~1万2500円のお金を受け取ることができます。4日ならば最高で5万円です。 ちなみに、刑事裁判にかけられてから無罪になった場合は『刑事補償制度』の対象です。金額は被疑者補償規程と同じ
銃刀法違反の改正案が閣議決定し、国会での早期の法案審議、可決・成立を目指している。 改正案では新たに拳銃等から他の鉄砲全てが「発射罪」の対象となるなど、”抜け穴”をふさぎ、厳罰化が鮮明だ。 自作銃についても、3Dプリンター用の設計図や自作方法の解説動画および、そのあおり動画も対象となる。銃所持に関連するリスク要因を包括的に取り締まる内容といえるが、そこに穴はないのか。 「過去に何度か行われた改正の中でも今回は画期的といえる内容でしょう」。銃専門家の津田哲也氏は今回の改正案をそう評価した。なにが画期的なのか。 「これまでは問題に対して後追いの対応ばかりだったんです。事件が起これば、その事件に使用された銃砲刀剣類だけを対象に規制を強化する、というパターンです。ところが今回の改正案では、まだ犯罪に使用された例のないものにまで対象が拡げられており、警察の本気度を感じます」(津田氏) 将来脅威となり
弁護士JP 弁護士JPニュース 「思想の自由市場」は“キャンセルカルチャー”に対処できるか? SNS時代における「表現の自由」の考え方 「表現の自由」に関して、近年では「キャンセルカルチャー」が問題となることも多い。 キャンセルカルチャーとは、「社会的に好ましくない発言や行動をした」とされる特定の個人や企業を対象にしてSNSのユーザーなどが集団的な批判や不買運動、ボイコットを行うことで、その対象をメディアから排除させたり職業上・経営上のダメージを与えたりすることを目指す運動。 最近では、缶チューハイ「氷結無糖」の広告に起用された経済学者の成田悠輔氏が過去に発した「高齢者の集団自決」に関する言説が問題視されたことから不買運動が行われ、3月13日にキリンビール株式会社が広告を一部削除したことが「キャンセルカルチャーではないか」と問題視された。 現代における「思想の自由市場」論 キャンセルカルチ
SNSやブログで言論活動を行う、いわゆる「ネット論客」による名誉毀損行為が問題視されている。 県職員に33万円、元非常勤講師に220万円の損害賠償支払いが命じられる 4月8日、徳島県は、県立海部病院の主任を務める37歳の男性職員が「地方公務員の信用を失墜させる」行為を行ったとして、減給2か月の懲戒処分にしたことを発表した。 男性職員はX(旧Twitter)を中心に「青識亜論」というアカウント名で活動していた人物 職場や就職活動で女性がヒールのある靴の着用を強制されることに異議を唱える「#KuToo」活動を行っていた俳優の石川優実さんに対して、名誉毀損や侮辱にあたる内容を投稿したとして損害賠償請求を提起され、2023年7月に東京地裁が33万円の損害賠償の支払いを命じる。2024年2月、男性職員が支払いを受諾することで、東京高裁で和解が成立した。 4月18日には、同じくXを中心に「永観堂雁琳」
死者5人、入院者数は延べ212人(7日時点、厚労省発表)になるなど、関連が疑われる被害者数が増え続ける小林製薬の紅麴サプリメント被害。因果関係はいまだ不明だが、効能効果をパッケージに記載できる「機能性表示食品」がサプリメント市場を底上げ。完全とはいえない制度のままで利用者が増大し、結果的に被害を大きくしたとの見方もある。メーカーで医薬品の薬理安全性や機能性食品研究に従事した経験もあり、機能性食品学を専門分野とする芝浦工大・越阪部奈緒美教授に、制度の問題点や制度を活用した健康食品のリスクなどについて聞いた。 機能性が表示された「食品」として流通していた これまでに多くの被害が報告されている小林製薬の紅麹サプリメント。被害との因果関係の解明が急がれるなか、「プベルル酸」原因説なども浮上しているが、越阪部教授は同社の”紅麹サプリメント”そのものに着目している。 「紅麹(ベニコウジ)は、厚労省の食
昨年から、埼玉県川口市で「在日クルド人」が犯罪を行ったり地域住民と軋轢(あつれき)を生じさせたりしているという問題がにわかに騒がれている。 東京との県境から荒川を挟んですぐの川口市の面積は約62平方キロメートル。人口は約60万人で、県庁所在地であるさいたま市に次いで県内2位。最近では「ガチ中華」で有名になっている西川口エリアには、中国人のほかにもクルド人を含む外国人が多く住んでいる。 その川口と隣接する蕨(わらび)市の面積は約5平方キロメートル。日本最小の「市」だ。人口は約7万5千人で、日本で最も人口密度が高い都市でもある。そして、川口市と同じく蕨市にもクルド人が多く住んでいる。 「在日クルド人と共に HEVAL」は蕨市・川口市を中心に活動するボランティア団体。HEVALとはクルド語で「友達」を意味する。代表である温井立央氏の本業は編集者であり、2016年に蕨市所在の出版社「合同会社さわら
歌手の松田聖子さんが「中央大学法学部通信教育課程」を卒業したことが先月24日に判明した。X上では、「中央大学法学部通信教育課程」がトレンド入りし、卒業を祝福するコメントのほか「背中を押される」「忙しいも年齢も言い訳にできないな」など聖子さんに触発されたコメントも多く見られた。 同通信教育課程を卒業した渡邊賢一弁護士も聖子さんの“偉業”について、「芸能界のお仕事がお忙しい中、しっかりと勉強もされて本当にすごいです」と絶賛した。 聖子さん「4年で卒業」は“早い” 「中大通教(ちゅうだいつうきょう)」とも略される「中央大学法学部通信教育課程」を擁する中央大学は、1885年の前身校(英吉利法律学校)開校時から労働者や地方在住者のために講義録で科目を修める「校外生制度」を導入。通信教育機関として日本でもっとも長い歴史を持つ大学のひとつで、現在も通信教育課程で学ぶ人のうち80%以上が社会人だ。 学歴に
年端も行かぬ幼い子どもを性の対象とする「小児性愛」の問題は、性をタブー視する日本社会のなかでも特に忌避され社会的議論につながってこなかった。 しかし近年、故ジャニー喜多川氏による男児への性加害が明らかになったほか、塾講師をはじめ教師やベビー(キッズ)シッターなど、子どもにとって身近な大人による加害行為も表面化してきた。 本連載では、小児性愛障害と診断され、子どもへの性加害を起こした者への治療に取り組む斉藤章佳氏(精神保健福祉士・社会福祉士)が、治療やカウンセリングを通じ実感した加害者特有の「認知の歪み」について解説する。 最終回は、世界で共有されつつある児童ポルノの危険性と、日本に存在している“規制の抜け道”の実態を紹介する。(全5回) ※ この記事は、斉藤章佳氏による書籍『「小児性愛」という病――それは、愛ではない』(ブックマン社)より一部抜粋・構成しています。 画像を見るだけではあきた
ツイッターを離れて別のSNSを使用しても、「怒り」や「対立」からは逃れられないのか?(metamorworks / PIXTA) 2022年10月にイーロン・マスク氏が買収してから、「Twitter(現X)」は“劣化”したと言われ続けている。 差別発言やデマなどの監視がおろそかになり、収益化にともない「インプレッション稼ぎ」を狙うユーザーも増えたことから、「ヘイトスピーチやハラスメント、デマや偽情報が横行している」と問題視されている。 また、流行っているツイートに自動で返信する、「リプライゾンビ」とも呼ばれるボット(自動プログラム)のアカウントも目に見えて増加した。 マスク氏による買収に前後して、他のSNSにユーザーが移行する「ツイッター離れ」も目立つようになった。当初は分散型ソーシャルネットワークの「Mastodon」が注目され、その後はFacebookも運営するMeta社の「Threa
1月1日に起こった能登半島地震の影響はいまも続いている。 2月には、被害が大きかった石川県珠洲市でボランティアの人手不足が起こっていると報道された。3月には、ボランティア不足を解消するため、石川県輪島市の団体が全国の大学教授と協力して学生を受け入れる取り組みを始めた。 震災発生の当初、石川県は「受け入れ態勢が整っていない」として、ボランティアが個別に来ることは控えるよう呼びかけた。馳浩県知事も、1月5日の時点で「能登への不要不急の移動はくれぐれも控えてください」と自身のX(旧Twitter)アカウントに投稿している。被災地での本格的な受け入れが始まったのは、1月27日からだ。 現在のボランティア不足の背景には、SNSを中心に巻き起こった「ボランティア・バッシング」も影響しているだろう。災害当初から、SNSではボランティアが被災地に行くことを批判する声が広がっていた。 今回の地震では被災地の
フランス国旗の赤色があらわす「友愛」の理念は、終末期医療にも関わる(georgemphoto / PIXTA) 3月10日、フランスのエマニュエル・マクロン大統領は現地の新聞2紙(ラ・クロワとリベラシオン)の独占記者会見において、新しい終末期医療に関する法律を「友愛の法」と特徴づけた。 ※盛永氏へのインタビュー記事はこちら:安楽死の合法化で「滑り坂」が起きる? 安楽死制度を選択するオランダ社会の背景にある「自己決定権」を倫理学者が解説 なぜ終末期医療に関する法律が「友愛の法」なのか 周知のようにフランス国旗は青、白、赤の3色からなり、それぞれフランス革命の理念を象徴しているとされる。 青は自由、白は平等、赤は友愛を表す。マクロン大統領は終末期の新法を「友愛の法」という。それはなぜだろうか。 以下では、フランスの生命倫理の動きについて簡潔に見てみよう。 フランスは、2005年成立のレオネッテ
映画会社「東映株式会社」に勤務していた元社員の女性(20代)が、精神疾患を発症したのは就業中に受けたハラスメントと長時間労働を強いられたことが原因として、損害賠償と割増賃金の支払いを求めている民事訴訟の第一回口頭弁論が、3月15日、東京地方裁判所で行われた。 女性は意見陳述で「素晴らしい作品を作りたくて東映に入社したが、セクハラやパワハラ、長時間労働が当たり前の世界だという考え方があった。我慢しなければならないと思い込んで我慢していたが、冷静に考えておかしい。なぜ団体交渉でも解決できず、裁判にまでしなければならなかったのか。見て見ぬふりをしないでほしい」と時折声をふるわせながら裁判官に訴えた。 提訴までの経緯 2019年4月に東映に入社した女性は「テレビ企画制作部」に配属。 同年、テレビドラマ『相棒』などの制作現場で、年上の男性フリーランススタッフから「しつこくLINEやショートメッセージ
3月13日に衆議院法務委員会で行われた質疑の中で、警察・検察からの取り調べ中の「メモ禁止」には根拠がないことが小泉龍司法務大臣の発言から明らかになった。 国際NGO「ヒューマン・ライツ・ウォッチ」の調査によれば、都道府県警察の通知では取り調べ時の被疑者のメモ取りについて、認めないとする運用を明記しているものが複数あるという。 たとえば、兵庫県警の「被疑者の取調べにおける弁護人立会い要求等に対する対応要領」では、「任意被疑者から、取調べに際してメモを取りたい旨の要望があっても、これを認めるのは適当ではありません」と記されている。 取り調べ中のメモ「集中してしまう」からNG… 質疑では、立憲民主党・寺田学議員が小泉法務大臣に対し、取り調べ時に被疑者がメモを取ってはいけないとされる理由を追及した。 小泉法務大臣は、前提として「刑訴法(刑事訴訟法)上は、任意の取り調べや逮捕後の取り調べにおいて、メ
こんにちは。弁護士の林 孝匡です。指示待ち社員に退場(解雇)宣告した事件を解説します。 ーー 仕事をえり好みするお荷物社員だったとか? 会社 「自分の苦手な仕事を積極的に取りにいかないんです。基本的に指示待ちですし、ほかの社員をサポートすることもほぼせず、『私の担当領域の仕事を会社が振らないんだから積極性を発揮できるわけがない』などと言い出しました。最終的に解雇しました」 ーー 裁判所さん、いかがですか? 裁判所 「解雇OK! Xさんの考え方は偏屈だ」 (アクセンチュア事件:東京地裁 H30.9.27) 能力不足で解雇OKになるケースは少ないんですが、積極性がカナリ欠如していれば解雇OKになることがあります。以下、詳しく解説します。 ※ 争いを簡略化した上で本質を損なわないよう一部フランクな会話に変換しています 登場人物 ▼ 会社 ・コンピューターソフトウェアの制作販売などを行う会社 ▼
3月7日、日本共産党の党首に立候補するに先だって書籍を出版したところ、「分派活動」にあたるとして除名処分を受けた松竹信幸氏が、同党に対する地位確認請求および名誉毀損への損害賠償請求を行う民事訴訟を提起した。 訴訟の経緯と請求内容 松竹氏は学生時代に日本共産党に加入、以降の約50年間、党員として活動してきた。 2023年1月、党首への立候補を決意した松竹氏は『シン・日本共産党宣言 ヒラ党員が党首公選を求め立候補する理由』(文藝春秋)を出版。 2月6日、日本共産党は、松竹氏の書籍に記載されている主張は同党の規約に書かれた「党内に派閥・分派は作らない」(3条4項)、「党の統一と団結に努力し、党に敵対する行為は行わない)(5条2項)、「党の決定に反する意見を、勝手に発表することはしない」(5条5項)などに違反しており「分派活動等」にあたるとして、松竹氏を除名処分とした。 今回の訴訟は、除名処分は違
2月10日、93歳であったオランダのドリス・ファン・アフト元首相は同い年のユージェニー夫人と共に生涯を閉じた。どちらも病気を患っていたファン・アウト夫妻が選択したのは、自宅で二人一緒に安楽死することだった。 オランダをはじめとして、カナダやスイス、アメリカの一部の州に最近ではエクアドルなど、諸外国では「安楽死」「支援自死」が合法化(一定の条件を満たしていた場合、犯罪とされない)されている。「日本でも他の国にならって安楽死を合法化しよう」という論調も、近年ではますます盛んだ。 その一方で、合法化された国では安楽死の対象がどんどん拡大してしまい、本心では死を望んでいない人や子どもにまで安楽死が行われる事態が発生している、と報道されることもある。 最初は特定の条件(適格条件)を満たした場合の安楽死のみを認めていたが、合法化されたことを契機に徐々に条件が緩和されていき、障がい者や要介護者などの社会
2年前の2022年1月、特産品の漬物「いぶりがっこ」の産地で知られる秋田県横手市は危機感が充満していた。いぶりがっこ生産農家の高齢化に加え、食品衛生法改正により、その存続には基準に沿った設備導入のための高額な費用がかかることから、「潮時かも」と撤退する生産農家が大半を占めていたのだ。 当時、県のアンケートでは県内漬物生産者約300人のうち4割が「継続できない」と回答。こうした状況などを受け、「おばあちゃんの漬物ピンチ」「ふるさとの味存亡の危機」など、「いぶりがっこ」の町に降りかかった伝統の味の消滅危機は、センセーショナルに報じられた。 消滅危機報道から2年で状況一変 あれから2年。改正法に対応する経過措置終了の5月31日まで4カ月と迫る中、このまま秋田の伝統食は途絶えてしまうのか…。横手市に存在する約40人の「漬け手」と呼ばれる生産者で組織する「横手市いぶりがっこ活性化協議会」を取材すると
2024年(令和6年)1月18日、自身の罪が問われた刑事事件手続きにおける取り調べの際に検察官から罵倒や侮辱を受けたとして、国に対して損害賠償を請求する民事訴訟の本人尋問が行われ、原告である江口大和元弁護士が証言を行った。法廷では、実際の取り調べの内容を録画・録音した映像が再生された。 異例の「取り調べ映像」一般公開 2018年(平成30年)10月、弁護士として担当していた事件の関係者に虚偽の事実を供述するよう頼んだとして、江口元弁護士は犯人隠避教唆罪で横浜地検特別刑事部に逮捕される。江口氏は一貫して無罪を主張して黙秘権を行使し続けていたが、2023年(令和5年)の9月に有罪が確定し、懲役2年、執行猶予5年の判決が言い渡された。 この事件の取り調べの際に取調官の川村政史検事(横浜地検)から侮辱をされ、黙秘権や人格権を侵害する不法行為があったとして、2022年(令和4年)3月、江口氏は国に計
「安楽死」とは『三省堂国語辞典(第七版)』によれば、〈はげしいいたみに苦しみ、しかも助かる見こみのない病人を、本人の希望を入れて楽に死なせること〉とある。しかし近年では、「障害者を安楽死させるべきだ」と声高に叫ぶ殺人犯が現れ、著名脚本家が「社会の役に立てなくなったら安楽死で死にたい」と主張するなど、本来の言葉の意味と異なる使い方がなされているケースも多い。 その背景には、海外で安楽死が次々と合法化された国際的な流れや、日本国内の社会情勢の変化なども少なからず影響しているのかもしれない。一般社団法人日本ケアラー連盟代表理事の児玉真美さんは、日本では安楽死の合法化について話す以前に、「まだまだ知るべきことが沢山あると気づいて」ほしいと話す。 この記事では、安楽死をめぐる国内外の動きや、揺れる言葉の定義について解説する。連載第4回目は、安楽死が合法の国として有名なスイスでの医師幇助自殺の実態や、
ビッグモーターの保険金不正請求および街路樹問題、旧ジャニーズ事務所の性加害問題、宝塚歌劇団の長時間労働およびパワハラ問題など、2023年は組織のあり方そのものを揺るがすような不祥事が次々と発生した。 企業法務に詳しい杉山大介弁護士は「法律的な話題も多い年だった」と振り返る。編集部では杉山弁護士に、印象に残った不祥事を1位〜10位までランキング化してもらった。 ランキングを見ると、こんなにも多くの不祥事がわずか1年の間に起きたのかと、改めて驚くかもしれない。 10位:老舗旅館「大丸別荘」大浴場の湯を“年2回”しか交換せず 福岡県筑紫野市の二日市温泉にある老舗旅館が、県の条例で本来は週に1回以上すべての湯を入れ替えなければならないところ、年に2回の休館日にしか交換していなかった。さらには消毒用の塩素も注入しておらず、基準値を最大3700倍上回るレジオネラ菌が検出されたとして22年12月に県から
弁護士JP 弁護士JPニュース “糸引きマフィン”騒動で多発したSNS「店主は発達障害」投稿 他人を障害認定する行為は“誹謗中傷”に当たらない? 「糸引きマフィン」と呼ばれる食中毒騒動がデザインフェスタ(通称:デザフェス)で発生してから約1か月。当時は大きな話題になったが、12月に入った今では人々の関心も薄れつつある。 12月18日には、マフィンを製造・販売した菓子店を所管する東京都の目黒区保健所が、店に対する行政処分を見送ったことがわかった。マフィンを食べて体調不良を訴えた7人の便やマフィン15個の成分を分析したが、食中毒の原因となる細菌が検出されなかったためだ。 筆者はこの事件について、騒動の初期から動向を追っていた。特に注目していたのは、マフィンを売った店主に対する「誹謗中傷」行為だ。店主の見た目や店のチラシをもとに「精神疾患や発達障害があるのではないか」と発言するSNSユーザーが続
『少女革命ウテナ』や『輪るピングドラム』などの作品で知られる、アニメーション監督幾原邦彦氏が原告となった「トレパク冤罪」被害訴訟の判決が12月13日、東京地方裁判所立川支部で言い渡され、被告の女性に対し、名誉毀損および業務妨害に関する慰謝料121万円の支払いが命じられた。 被告はTwitter社がDMCA※申請に応じたことが、盗作の事実を示しているなどと主張していたが棄却。原告側の主張がほぼ認められた形となった。 ※デジタルミレニアム著作権法(米)のこと。盗用コンテンツをWebサイトに投稿したプロバイダーに対して、著作権保有者が著作権侵害の申し立てを行う。 原告の同監督と平野敬弁護士は同日、霞が関の司法記者クラブの会見を行った。 繰り返される嫌がらせ…判決までの経緯 幾原監督は2022年、アニメ関係者の知人らと音楽バンドを結成。そのバンドの宣伝イラストをTwitter(現・X)に投稿したと
弁護士JP 弁護士JPニュース 「河川敷での経済活動に法律的問題は?」“野食ハンター”茸本朗ד太公望”弁護士、界隈とコンプライアンスを語る 「え、それ食べちゃうの?」―― 身近に住む生き物や野草、キノコなどを次々に調理し、味わい尽くす野食ハンターにして登録者数20万人越えの人気YouTuberである茸本朗(たけもと あきら)さん。時に危なかっしいものでも体を張って食べる彼だが、未開拓の分野だからこそ、野食時のルールやマナーには人一倍気をつけているという。 そんな彼の動画や著書を熱烈に愛するのが藤井啓太弁護士だ。自らも主にヘチ釣りを楽しんでいるという藤井弁護士からのラブコールで実現した今回の対談。 禁止エリアでの採取や密漁などSNSで炎上することも多い“野食”界隈の「コンプライアンス」について語り合ってもらうと、2人の会話は自然と茸本さんが活動のなかで抱いた法解釈のモヤモヤを藤井弁護士に相
弁護士JP 弁護士JPニュース 公衆浴場は「身体的な特徴」で利用 厚労省が通知、当事者団体は合意済も「トランス女性」へ“筋違いなヘイト”絶たず 最高裁が先月25日に「性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律」(以下、特例法)の「生殖不能要件」(3条1項4号規定)が憲法13条に違反していると判断した後、特に女性トイレや公衆浴場など「女性スペース」の利用をめぐってトランスジェンダー女性に対するヘイトが巻き起こっていることなどを受け、LGBT法連合会が27日、厚生労働省で記者会見を開いた。 自称すれば「女性スペース」利用できるわけではない 性別の変更には、医師の診断書のほか、特例法3条1項が定める以下5要件が必要だ。 1号:18歳以上であること 2号:現に婚姻をしていないこと 3号:現に未成年の子がいないこと 4号:生殖腺せんがないこと又は生殖腺の機能を永続的に欠く状態にあること(いわゆる
麻薬密輸によってマレーシアで死刑判決を受けた日本人女性が、近く最高裁に再審請求するとの報道が、今年9月に話題となった。 「海外は日本に比べて薬物に甘い」というイメージを持っている人も少なくないかもしれないが、実際には甘いどころか、国によっては最高で死刑や無期懲役といった重い刑罰が科せられる場合があり、2010年には中国で日本人4人が、麻薬密輸の罪により死刑執行されている。また最新の死刑統計(アムネスティ・インターナショナル)によれば、2022年に世界で執行された死刑のうち、37%が薬物関連犯罪によるものだったという。 アメリカで大麻を使用すると“永久に”入国できなくなる? 死刑や無期懲役までいかずとも、「海外は薬物に甘い」というイメージが大きな落とし穴となるケースもある。もっとも意外な国のひとつが「アメリカ合衆国」だろう。 「アメリカ国内で外国人が違法薬物を使用した場合、永久に入国できなく
厚生労働省によれば、国内における2021年度の人工妊娠中絶件数は年間12万6174件にのぼり、1日に300件以上の中絶が日本で行われたことになる(参考:厚生労働省「人工妊娠中絶件数及び実施率の年次推移」)。 今年4月、国内で初めて経口中絶薬(メフィーゴパック)が承認されたことは記憶に新しいが、そんな中絶問題に一石を投じた書籍『射精責任』(原著:ガブリエル・ブレア、翻訳:村井 理子)が、今話題になっている。 世界9カ国で翻訳され、アメリカではニューヨークタイムズ・ベストセラーに選ばれたこの書籍は、日本でも今年7月に刊行される前からSNSを中心に注目されていた。 本書が日本で発行に至った経緯や、SNSでの反響、翻訳出版を通して感じた日本とアメリカの違いなどを、編集者の藤澤千春さん(太田出版)に聞いた。 中絶問題の前に考えるべき、「望まない妊娠」 『射精責任』を知ったきっかけを教えてください。
Chat GPTの登場で一気に噴出した「AIに仕事を奪われる論」。主に大企業による中高年以降のリストラは止まらず、リスキリングも推奨され、「働かないおじさん」問題も叫ばれる。一方で、中小企業に目を向ければ「人手不足」の文字が躍る。とりわけ「おじさん会社員」の周辺は混沌と不安が渦巻いている…。 そんな中で、「それでも、『普通の会社員』はいちばん強い」(日経BP 日本経済新聞出版)のタイトルで新刊を出したのが、多数の著書がある人事コンサルタントの新井健一氏だ。その真意は一体どこにあるのか。 「おじさん会社員」が最強の根拠 「正社員神話」がとっくに崩壊したいま、にわかには信じがたいタイトルです。 新井氏 先行きが不透明な時代、自分の会社の行く末がどうなるかもわからない社員も少なくないでしょう。でも、タイトルの通り、会社員として、普通に学び、身につけてきたことは、本当にすごい武器なんです。人として
先日開かれたジャニーズ事務所による記者会見。大手メディアは「全体的に遠慮しながら質問を重ねていった印象」だったという(9月7日都内/中原慶二) 今年3月に放送された英国放送協会(以下、BBC)のジャニーズ事務所創業者である故・ジャニー喜多川氏による所属タレントへの性加害報道は世間に衝撃を与えた。 BBCの報道以降、長年ジャニー氏による性加害問題の追及を続けてきた『週刊文春』は再び同問題の追及キャンペーンを展開。同誌において顔出し、実名告発を行ったジャニー氏による性加害被害者であるカウアン・オカモト氏が4月に日本外国特派員協会において記者会見を行うと、長年この問題を黙殺し続けてきたメディアの一部はようやくジャニー氏の性加害について報じ始めることとなった――。 これまで、マスコミ業界のタブーとして存在していたジャニー氏による性加害の実態を23年間にわたり追い続けてきた元『週刊文春』記者でジャー
次のページ
このページを最初にブックマークしてみませんか?
『弁護士JP|あなたの悩みを解決する弁護士検索サイト』の新着エントリーを見る
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く