格差社会やグローバリズム、テロや環境破壊、犯罪の増加や社会の右傾化で、私たちの暮らしはどんどん悪いほうに向かっていると多くのひとが思っています。しかし、それはほんとうでしょうか? 明治時代の日本人の平均寿命は男性も女性も40歳代で、1950年代にようやく60歳を超えました。乳幼児の死亡率が高く、結核やコレラ、ペストなどの感染症への対策が不十分だったためです。跡継ぎを得るために、戦前の日本女性は5人以上の子どもを産むのが当たり前でした。 人類はその長い歴史において、ずっと食糧不足と栄養失調に悩まされていましたが、いまやアメリカでは肥満、すなわち食糧の過剰摂取が大きな社会問題になっています。富める国と貧しい国の格差だと批判されますが、しかしこれではなぜアフリカで人口爆発が起きているかが説明できません。当たり前の話ですが、人口が増えるのは食糧が豊富だからで、食糧がなければ餓死してしまいますから人