『人生の土台となる読書』用に書いたけど使わなかった原稿です。大きな影響を受けた鶴見済さんの話です。 高校生の頃に衝撃を受けた本といえば、鶴見済さんの本だ。 『完全自殺マニュアル』は自殺の方法をひたすら解説した本で、1993年に発売されると100万部を超えるベストセラーになるとともに、有害図書として規制されたりもして、社会現象になった本だ。 「世紀末を生きる我々が最後に頼れるのは生命保険でも年金制度でもない。その気になればいつでも死ねるという安心感だ。」というキャッチコピーに懐かしさを感じる。そうか、当時は世紀末だったんだよな……。 平坦な下り坂をだらだら下るような21世紀を20年も過ごしているともう当時の気分は忘れてしまいそうになるけれど、90年代の終わり頃は、今が末世のような、全てが完成して終わりつつあるような閉塞感があったのだった。 この本には確かに自殺の方法が詳しく解説されている。だ