「今、そこにみはしがあったら、あんみつ食べたい?」 お寿司をもりもり食べている時に、隣の友人がそう尋ねてきた。 友人は私がみはしのあんみつに夢中なことを知っている。 だからこのタイミングでみはし愛を試すような質問をしてきたのだ。 「食べたくないかなぁ……」 私の返答を聞くと、友人は手元の茶わん蒸しに視線を落とした。 しまった、がっかりしている。どうやら誤解を与えてしまったらしい。 私はいつ何時でもみはしのあんみつを愛してる。 だからこそ今は食べたくない理由がちゃんとあるのだ。 きちんと説明しなければ。 「この満腹の状態であんみつを食べに行くのは、みはしに失礼」 友人のまぶたがぴくっと動いた。 「みはしのあんみつの魅力にボリュームっていう要素があるんだけど、それはおなかに余裕がないと100%楽しみきれないから……」 友人は顔を上げ、こちらをじっと見つめた。 「前までは胃袋にちょっとでも余裕が