3月7日水曜日。不正会計問題に揺れる三洋電機は臨時経営会議を招集した。決算訂正を巡り金融庁や証券取引等監視委員会と続けてきた折衝が一段落し、この日は副社長の前田孝一が経緯を報告するだけの予定だった。 ところが、ここで野中は突然、“爆弾動議”を炸裂させた。 「市場の信頼を取り戻すために、第三者委員会を設置したいと思います」 あっけに取られた経営陣は反対もできず、議案は翌週の臨時取締役会に上程された。野中は第三者委員会に、日興コーディアルグループの不正会計事件で特別調査チームを率いた弁護士の国広正を担ぎ出す算段までしていた。 「免責」を狙って自爆? 3月12日の週に開いた臨時取締役会では、体制を立て直した金融3社が反対に回ったため、野中提案は決議に持ち込むことすらできず却下された。 それでも諦めのつかない野中は3月19日月曜日の朝に再び臨時取締役会を招集した。 だが土、日で議論を尽くした金融3