「文系、理系の壁」の大きな課題の一つは、女性の理系進学者がなかなか増えないことです。そうした中、奈良女子大が2022年度に、お茶の水女子大が24年度に相次いで工学部を開設します。女子大に工学部ができるのは、国公私を含めて初めてのこと。東西の国立女子大が相次いで工学部をつくる理由は何なのでしょうか。(写真は、奈良女子大の正門正面にある重要文化財の記念館=同大提供) 個性を重視、選択性の高いカリキュラム 奈良女子大は現在、文学部、理学部、生活環境学部の3学部で構成される。生活環境学部は1993年に家政学部を改組したもので、53年に文学部、理学部、家政学部になって以降、長くこの3学部体制が続いていた。工学部は生活環境学部以来の新学部となる。 工学部長に就任予定の藤田盟児・生活環境学部教授は、工学部開設の理由をこう話す。 「ICT革命でソフトウェア中心に変わり、女性にとってもエンジニアへの障壁は少