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ブックマーク / honz.jp (10)

  • 『政治学者、PTA会長になる』これぞ街場の民主主義!政治学者が世間の現実と向き合った1000日の記録 - HONZ

    「その悩み、○○学ではすでに解決しています」みたいなタイトルのを見かけることがある。あなたが日々の仕事で直面する悩みや課題は、すでに最新の学説や理論で解決済みですよ、というわけだ。 だが当にそうだろうか。最新の学説や理論を応用すれば、世の中の問題はたちどころに解決するものだろうか。 著者は政治学を専門とする大学教授である。「話すも涙、聞くも大笑いの人生の諸々の事情」があって、47歳にして人の親となった。小学校のママ友やパパ友のほとんどは干支一回り以上年下だ。そんなママ友からある日「相談があります」と呼び出され、いきなりこんなお願いをされた。 「来年、PTA会長になってくれませんか?」 まさに青天の霹靂だ。驚いた著者は必死に出来ない理由を並べ立てる。「フルタイム・ワーカー」だから無理!「理屈っぽくて、短気で、いたずらにデカいジジイ」だから無理!ところがママ友は決してあきらめず、最後は情に

    『政治学者、PTA会長になる』これぞ街場の民主主義!政治学者が世間の現実と向き合った1000日の記録 - HONZ
  • 『下級国民A』格差社会が生み落とすもの、美しい国の不都合な真実 - HONZ

    書は62歳で「住所不定無職」の新人作家として鮮烈なデビューを果たした作家、赤松利市が経験した、東日大震災の復興事業に関するルポルタージュだ。 著者、赤松は35歳で起業し、一時は年収2000万円を超えていた。しかし、ある事情により会社は倒産。以後、厳しい生活を強いられる。 そんな折、東日大震災が発生。土建業を営む知人の社長から相談を受ける。震災後の復興バブルに乗るべく専務である息子を東北に派遣するので、「営業部長」となって同行してほしい、儲けが出れば半分は赤松の取り分にするという内容だ。土木業は未経験だが、儲けを出せば利益の半分を手にできる。人生逆転のチャンスだ。そう思い仕事を引き受ける。 だが、そのもくろみはすぐに崩れさる。復興バブルに便乗するべく東北に集った零細企業たちが、大手ゼネコンのように現場全体を請け負うことは不可能だ。零細企業は、大手が請け負った現場に作業員を派遣する、人工

    『下級国民A』格差社会が生み落とすもの、美しい国の不都合な真実 - HONZ
    hatecafe
    hatecafe 2020/04/04
  • 『人体はこうしてつくられる―ひとつの細胞から始まったわたしたち』は、ヒトの発生を知るための決定版だ! - HONZ

    作者:ジェイミー・A. デイヴィス 翻訳:橘 明美 出版社:紀伊國屋書店 発売日:2018-11-01 我々の体は、250~300種類、37兆個にもおよぶ細胞からできている。しかし、その複雑な構造は、精子と卵子が融合してできた受精卵たった一個からつくられてくる。受精卵が分裂し、さまざまな機能を持つ細胞へと分化し、適材が適所へと移動する。そして、相互に作用しならがさまざまな生命機能を営んでいる。 不思議だとは思われないだろうか。外部から栄養分が与えられるとはいえ、つきつめて考えれば、受精卵が単独で、最終的に極めて複雑な人体を作り上げるのである。いいかえると、たった一個の細胞の中にすべてが詰め込まれているというこだ。いったいどうなっているのか。 複雑なものが作られるとき、最初から完成品がポンとできるわけではない。そのためには、材料と、そして、比喩的な意味としてではあるが、何らかの指示書が必要で

    『人体はこうしてつくられる―ひとつの細胞から始まったわたしたち』は、ヒトの発生を知るための決定版だ! - HONZ
  • 『私はすでに死んでいる──ゆがんだ〈自己〉を生みだす脳』 「自己」という感覚を脳はどのように構築しているのか - HONZ

    「私はもう死んでいる」(コタール症候群)、「この足は断じて自分の足ではない」(身体完全同一性障害)、「目の前にもうひとりの自分が立っていた」(ドッペルゲンガー)──わたしたちが「自己」と呼んでいるものに歪みを生じさせるような、驚くべき症例と経験の数々。書は、それらの症例と経験を手がかりとしながら、「自己とは何か」という大問題に迫る挑戦的な一書である。 挑戦的なだけではない。書は痺れるくらいにエキサイティングでもある。書をそれほどエキサイティングにしているのは、以下のふたつの要素だ。 まずひとつは、痛ましくも興味深い症例と経験のストーリー。書は、アルツハイマー病、統合失調症、自閉症といったよく耳にする疾患だけでなく、コタール症候群、離人症性障害、ドッペルゲンガーといったあまり知られていない疾患や経験もとりあげている。そして、それらの症例や経験をドラマチックに紹介する筋立てがじつによく

    『私はすでに死んでいる──ゆがんだ〈自己〉を生みだす脳』 「自己」という感覚を脳はどのように構築しているのか - HONZ
  • 『子どもたちの階級闘争 ブロークン・ブリテンの無料託児所から』日常風景に投影された、世界の分断 - HONZ

    先日、新潮ドキュメント賞が発表され、ブレイディみかこさんの『子どもたちの階級闘争 ブロークン・ブリテンの無料託児所から』(みすず書房)の受賞が決定した。この作品を高く評価するのが、文藝春秋で数々の名ノンフィクション作品を送りだしてきた下山 進さん。作の魅力がどういうところにあるのか、特別に寄稿いただいた。(HONZ編集部) 新潮ドキュメント賞を受賞したブレイディみかこ 『子どもたちの階級闘争』を読んだ。素晴らしかった。 300ページで定価2592円って、どれだけ部数を絞ってるんだ? と最初腹立たしく思ったが、読んでみて、このクオリティだったらまったく惜しくない。 1996年にクールな英国に憧れて渡英した筆者は保育士だ。 託児所の日常が描かれるのだが、ここで凄いのは、その日常を子どもたちやその母親、そして保育士たちの世界のドラマで読ませつつ、英国の政治そのもの、のみならず世界のあちこちで起

    『子どもたちの階級闘争 ブロークン・ブリテンの無料託児所から』日常風景に投影された、世界の分断 - HONZ
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    hatecafe 2017/08/28
  • 『進化の教科書 第1巻 進化の歴史』 進化入門の決定版 - HONZ

    ハーバード大学やプリンストン大学をはじめ、全米200以上の大学で採用さている教科書『Evolution: Making Sense of Life』の邦訳3分冊の第1巻である。「教科書」といっても、書は議論の余地のない事実が淡々と積み上げられた退屈なものではない。原著者は『ウイルス・プラネット』等で知られる大人気サイエンスライターのカール・ジンマーと『動物たちの武器』のモンタナ大学教授ダグラス・J・エムレンであることからも分かるように、科学読み物としての楽しさを保ちながら、確かな知識を与えてくれる内容となっているのだ。またAmazon.comでは『Evolution』の価格は12,000円以上と高価だが、この第1巻はフルカラーの図を多く含みながら、1,680円(税別)だというのだから買うしかない。さらに、邦訳者の1人には、『化石の生物学者』の著者であり『ネアンデルタール人は私たちと交配し

    『進化の教科書 第1巻 進化の歴史』 進化入門の決定版 - HONZ
    hatecafe
    hatecafe 2016/12/12
  • 『生命、エネルギー、進化』この生物学の本にはぶっとんだ! 客員レビュー by ビル・ゲイツ - HONZ

    昨年、私たちの財団でグローバル・ヘルス関連の仕事を手掛けているトレヴァー・マンデルが私に、このを読むよう勧めてくれた。私はそれまで書のことも、著者であるユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドンのニック・レーンという生物学者についてもまったく知らなかった。数か月後には、私はたんにこのを読み終えていただけでなく、ニックのほかの著書3冊を取り寄せ、うち2冊を読み終わり、ニューヨークで彼と会う手筈を整えていた。 ニックはジャレド・ダイアモンドのような書き手を思い起こさせる。世界について多くを説明する壮大な理論を考え出す人々だ。彼はそんな独創的な思索家のひとりで、あなたにこう言わせる。「この男の仕事についてもっと多くの人が知るべきだ」 ニックの著作は質的には、すべての生きとし生けるものにとってのエネルギーの役割を読者に深く認識させ、科学におけるボタンの掛け違いを正そうとする試みである。『生命、エ

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  • 『数学者たちの楽園 「ザ・シンプソンズ」を作った天才たち』著者サイモン・シン インタビュー 数十年来の陰謀を暴く - HONZ

    前作『代替医療解剖』の発表から実に8年。人気サイエンスライター、サイモン・シンの最新作の翻訳版がついに完成しました。テーマはズバリ『ザ・シンプソンズ』。1989年の初放映からすでに600話超! 今も続くアメリカの大人気アニメーションです。黄色い肌に、大きなギョロ目、極端にデフォルメされた姿はきっと多くの人がご覧になっているはず。社会風刺のたっぷりきいたドタバタアニメは時に社会問題にからんで日でも話題に上ります。 でも今回の切り口は、風刺でもなければアニメ論でもありません。『ザ・シンプソンズ』、実は超難解「数学コメディー」だった!! というサイモン・シンならではのものです。この背景にはハーバード大などで数学の博士号を取得した「天才」たちが、研究職をなげうってまで『ザ・シンプソンズ』の脚家になったという、驚くべき事実があるのですが、なぜ、そんなことが起こってしまったのか、そもそもどんな理由

    『数学者たちの楽園 「ザ・シンプソンズ」を作った天才たち』著者サイモン・シン インタビュー 数十年来の陰謀を暴く - HONZ
  • 【TV】『山中伸弥教授が語るiPS細胞研究の今』人類の未来に明るい展望を感じることができる番組 - HONZ

    放送局:NHK-BS1 OA日:2015-01-03 (再放送は1月11日11時〜 、1月15日21時〜) 今回紹介するのはNHKが制作した「山中伸弥教授が語るiPS細胞研究の今」だ。この番組はサイエンスに興味がある人だけを対象にしているのではない。パーキンソン病、心筋梗塞などによる心不全、軟骨無形成症などの難病、そして肝臓疾患などを抱える患者やその家族などにとっては希望の光になるであろう。それ以上に人類の未来に明るい展望を感じることができる素晴らしい番組だった。中東だけでなく世界中で政治や宗教の対立が起こっている最中、科学者だけが人類を前進させているエンジンなのだろうか。その科学の今を知るためにもおすすめできる番組だ。もちろん、生命科学を学びたいと思っている高校生などにとっては必見である。 ご存知のとおりiPS細胞は2007年に開発されたいわば万能細胞だ。最初に人体に応用されたのは網膜の

    【TV】『山中伸弥教授が語るiPS細胞研究の今』人類の未来に明るい展望を感じることができる番組 - HONZ
    hatecafe
    hatecafe 2016/01/11
    あとで読む。録画する。
  • 意識は過大評価されている──『意識と脳――思考はいかにコード化されるか』 - HONZ

    意識をめぐるは最近も『意識はいつ生まれるのか――脳の謎に挑む統合情報理論』や『意識をめぐる冒険』が職の神経科学者によるノンフィクションとして発表されるなど、翻訳(と出版)が比較的に途絶えない分野である。書の著者もまた職の認知神経科学者ではあるが、特異性は徹底した実証に基づく意識の定義、およびその応用可能性についての地道な記述であろう(他の著者が実証に基づいていないわけではなく、アプローチの違いであることは後述)。 書では哲学的な謎を、実験によって検証可能な現象へと変えた戦略を詳しく解説する。この変化は「意識のより明確な定義」「意識的知覚を実験によって操作できるという発見」「主観的な現象に対する尊重」という三つの要素によって可能になった。 書の構成は意識の定義、無意識及び意識の働きの実証的考察、意識に関する理論的仮説の提起、臨床現場への応用事例と段階を踏んで、かつ自身らの物を含む

    意識は過大評価されている──『意識と脳――思考はいかにコード化されるか』 - HONZ
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