いわゆるグルメ番組や料理番組で「肉汁」のことを、「ニクジュー」と「ニクジル」の2通りの言い方をしているのを最近耳にします。放送での使い方はどうなっているのでしょうか。 放送では、なるべく伝統的な言い方である「ニクジュー」を使うようにしています。 国語辞書で「肉汁」を引くと、「①牛肉などからしぼりとった液汁。肉漿。②鳥獣の肉を煮出した汁。スープ。③肉を焼くときにじみ出る汁。」(『広辞苑』岩波書店)、「①肉を煮出した汁。スープ。②肉から搾り取った汁。肉漿にくしょう」(『大辞林』三省堂)など、記述に微妙な違いがみられます。しかし、読み方については、どの辞書も主見出し語を「にくじゅう」として語釈をつけており、「ニクジル」「ニクシル」を主見出し語にしている辞書はありません。また、昭和18年に発行された『日本語アクセント辭典』(日本放送協會編)でも「ニクジュー 肉汁」と記載されており、「肉汁」について