この記事は「日経トレンディ」2014年7月号(2014年6月4日発売)から転載したものです。内容は基本的に発売日時点のものとなります。 1000円で買える子供向け万年筆「カクノ」(パイロットコーポレーション)と、他社にはない0.2mmという超極細芯が話題を呼んだシャープペンシル「オレンズ」(ぺんてる)。今までになかった商品として多くの人が飛び付いたが、実はどちらも技術的な革新があったわけではない。 万年筆のターゲットではなかった子どもに着目 カクノは、今までの万年筆のユーザーとしてはターゲットとされていなかった子どもに着目した点がポイント。従来モデルの3分の1という思い切った価格目標を設定し、部品点数を極力減らしてコストを抑えた。「万年筆は高級筆記具」という常識を破ったことで、狙っていた子供のみならず、大人の日常使いという新たな鉱脈を掘り当てた。