情報を活用し、ビジネスを活性化するヒントについて、iモードの生みの親として知られる慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科特別招聘教授の夏野剛氏に聞く。第2回目は、IT時代の企業経営者に求められるリーダーシップと組織の在り方について、お話を伺った。 −−IT化によって、社内の情報伝達も以前とは大きく変わりました。経営者や管理職者など、リーダー的な立場の方々にとって、どのような影響があるとお考えですか。 昔のリーダーというのは、管理監督が主な仕事でした。これは情報の伝達手段が限られていて、現場の情報を吸い上げるのにも、階層を作らなければならなかったからです。 たとえば、5人の一般社員を束ねている課長さんがいて、その上に課長さんを3人束ねている部長さんがいて、さらに3人の部長さんを束ねている役員さんがいて、という風に社内の階層が上がって行く。つまり、一般社員よりも課長さんの方が常に5人分の知識