5年間となっている新型コロナウイルスなどの予防接種記録の保存期間について、国は延長する方針を固めた。新たな保存期間は未定だが、「生涯」も検討する。保存期間のルールが変われば、2007年に予防接種法に明記されてから初めてとなる。長らく変わっていないルールは、なぜ改正へ向かうことになったのか。背景には、一人の地方議員が起こした問題提起があった。【遠藤浩二】 妻は医師、自身も元製薬会社勤務 大阪市と京都市の中間に位置するベッドタウンで、人口28万人ほどの大阪府茨木市。ここで市議を5期務める塚理(さとる)議員(47)は2年前、接種記録の保存期間が限られていることを市議会で取り上げた。この訴えはその後、全国の自治体に広がることになる。 塚議員がこの問題に関心を持ったきっかけは21年2月、新型コロナワクチンについて医療従事者への先行接種が国内で始まったことだ。塚議員は妻が呼吸器内科の医師。自身も市議に