小説 山手線 - These daysPlease don't confront me with my failures, I had not forgotten them やっぱり自告表をネットで調べてから出かけるべきだった。 さっきから電車を続けて5本も見送った俺は、ため息をついた。まったくいつから山手線で20分ほどのところに行くのに、こんなに苦労する世の中になってしまったのだろう。 最初は女性専用車両だった。確か今から15年ほど前。当時は朝の通勤時間に1両だけという設定だったと記憶している。しばらくすると、同じ料金を払っているのに男性専用車両がないのはおかしいという意見が出始めた。おそらく最初は冗談半分というか、騒ぎを起してニュースになりたいだけの大学生のグループが、改札の前でプラカードをかかげて集団で抗議を始めた。 JRも最初のうちは無視していたのだが、彼らの運動が切符を買わずに電車に乗るという実力行使へとエスカレート
