子供の頃、学校から帰ってテレビをつけると、『じゃりン子チエ』の再放送をよくやっていた。大阪の下町を舞台にしたそのアニメは、埼玉育ちの私が初めて触れた関西だった。 チエちゃんは串焼きのホルモン屋さんをやっており、牛なのか豚なのか部位はどこなのか、正体不明の串焼きは私にとって憧れの食べ物となった。そろそろホルモンが似合う年になったことだし、大阪であの雰囲気の店を探して食べてみようと思う。
幕末に日本を訪れた外国人が驚いたことの一つに、日本人がひどく酒癖が悪いというものがある。例えばヘボン式ローマ字で知られるヘボン(日本在住1859~92)は昼間っから酒を飲んで酔いつぶれ、あるいは大暴れしている人びとの多さに驚き、また酔って仕事もままならなくなる日本人家事使用人たちに悩まされている。せめて仕事中ぐらいは酒を飲まない労働者を雇えないかと日本人商人に尋ねるが、そんな日本人を見つけるのは難しいと言われて途方に暮れていた。他の外国人もすっかり出来上がった武士の姿に恐怖を感じている。昼間っから刀持った酔っぱらいが歩いているんだからそりゃ怖い。ヘボンに遡ること三百年、ルイス・フロイスも戦国時代の日本人の酒癖の悪さを書き留めていて、もちろん欧米でも酔っぱらいは多かったものの、西洋人からは日本人の酔い方は度を越して酷いと見られていた。 武士も町人も昼間っから酒を飲んで仕事もそこそこに、そこら
先日、築地で一緒に食事した取引先の人に「銀座も築地もどこに行ってもお店の人が声をかけてくれて、メニューにない美味しいものが出てくる。どうやったらそういうお店との付き合い方ができるのか?」と聞かれた。 そういう風に意識はしたことなかったが、確かに僕は1人でも複数でも夜の食事はほぼ8割方知り合いが居る決まった店に行く。 イタリアンでも寿司でもバーでもそうだし、クラブでもそうだ。(まぁ銀座の知らないクラブに入る勇気は僕にはないがw) 理由は「楽だから」というなんともショボイ理由なのだけれど、彼はそういう店を1軒は持ちたいとのことだった。 最初に主に京橋税務署方面を向いて言っておくが、さぞ会社の金で毎日たらふくうまいものを食っているんだろうというツッコミは下衆の勘繰りというものだ。 僕は仕事関係の会食と自分が1人で気晴らしで飲み喰いをするのは分けているし、すべてポケットマネーを使ってる上に、予算は
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