新年度が始まり、新しい環境や人間関係に身を置く機会が増えるこの時期。マネージャーとしての立場から「いかに人を育てるか」、あるいは異動や出会いをきっかけにいかに「自分が成長していくか」。あたらめてこの両方に深くかかわる「学び=学習」について考え直すタイミングでもある。 脳科学の立場から「本物の学び」とは何かについて、茂木健一郎氏に聞いた。他人を育てることと、自分を育てるための方法論は基本的に同じである。自発性、主体性をいかに担保するかが「学び」の根底にあると茂木氏は指摘する。(聞き手は日経ビジネスオンライン副編集長・渡辺和博) --学校教育や会社の研修制度など、「育てる」現場ではあるメソッドに沿ってカリキュラムを作成し、それに従って「学び」を促すという方法が取られがちですが、それは間違っているのでしょうか? 茂木:脳科学の観点からは「計画性」は「学び」から最も遠くに位置しているものです。ご質