不動産売却のきっかけの一つとして相続が挙げられます。2024年4月からは相続登記が義務化されることに伴い、相続不動産の扱いが注目を集めています。また、相続不動産の売却は、相続税の支払いや分割などに専門的な知識が必要になることから、トラブルにつながる可能性も高いと言われています。 今回は、不動産を相続する際に起こりがちなトラブルや、トラブルを防ぐための注意点について、税理士で相続診断士の高橋大祐氏と司法書士の鶴見英司氏に話を聞きました。 近年、増加しつつある相続トラブル 税理士・相続診断士の高橋大祐氏 ―最初に、相続をめぐるトラブルの現状について教えてください 高橋大祐氏(以下、高橋):裁判所のデータによると、遺産分割に関する事件の件数は、この20年で1.3倍に増え、約1万1,000件にのぼるとされています。 個人的には、件数の増加と同時に、内容も変化してきていると感じています。以前は、「い