光村図書出版の小学5年生の国語教科書に今春、津波から地域住民を守った浜口儀兵衛(1820~85年)の伝記が、64年ぶりに復活した。しかし東日本大震災が起き、津波の描写が子どもに影響を及ぼすことを同社は懸念。指導に格段の配慮をするよう学校側に呼びかけ、急きょ代替教材を作り、被災地の学校に送る異例の対応をとっている。 伝記は、安政南海地震(1854年)の津波から紀州藩広村(現和歌山県広川町)の住民を救ったしょうゆ醸造家・儀兵衛を描いた「百年後のふるさとを守る」。儀兵衛をモデルにした物語「稲むらの火」は1937年から10年間、小学校の国定教科書に掲載され、「百年後」の導入にも使われている。 伝記では、積みワラに火をつけ、暗闇で逃げ道を失った村人に方向を指し示した逸話と、私財をなげうち堤防づくりに取り組んだ様子がつづられている。津波については「一番波によって、はまに近い家々はたおされた。二番波によ
東日本大震災で被災し、校舎が使えなくなった陸前高田市の市立小友中学校が22日、隣接する市立小友小学校の校庭を借り運動会を開いた。周辺にがれきが散乱し津波の傷痕が残る中、生徒たちの歓声と笑い声が響いた。 雨が降るあいにくの天気。開会式で生徒代表が「町の復興のため、地域の人たちに元気になってもらうために頑張ります」と宣誓した。36人の生徒が徒競走や騎馬戦ではつらつとした姿を見せ、保護者らが声援を送った。小友中は海岸線から約3キロ離れているが、津波は校舎2階にまで達した。 小友小も被害を受けたが、ボランティアや自衛隊が校庭のがれきを取り除き使用できるようになった。応援団長の3年、田代祐也君(14)は「地域の人たちに元気を伝えることができたと思う。思い出に残る最後の運動会になった」と満足げだった。(門井聡撮影)
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