経済 ブラック企業が社会全体の労働生産性を低下させる理由 ブラック企業を巡っては、「ユニクロ過酷労働記事で敗訴」や「大庄過労死事件の裁判で役員個人に賠償責任を認めた判決が確定」といったニュースが示すように、ブラック企業への社会的批判が高まる一方、城繁幸氏の「実はブラック企業の大半は合法であり、ユニクロは優良企業であるという現実」といった意見を始め、ブラック企業を擁護する意見も多い。 ブラック企業を批判する意見には、倫理的あるいは法的な面からブラック企業を非難するものが多いが、ここでは視点を変え、経済に与える影響について考えることとし、ブラック企業の存在が、社会全体の労働生産性を低下させ、経済の非効率を生むことを指摘したい。 需要不足とブラック企業の出現 まず、ブラック企業が生まれる背景について復習しよう。 現在の、日本経済の停滞は、日本のモノ、サービスに対する内外の需要が足りな