戸田プロダクション 本名 戸田隆。元会社員。「清く正しい本棚の作り方」著者。Delphiファン。Webサイトは「元利道楽研究所」。
執筆: 榎並紀行(やじろべえ) 2019年12月に出版された『ごろごろ、神戸。』(ぴあ)は、写真家・文筆家である平民金子さん初のエッセイ本。2015年に東京から神戸に移住した平民さんが、子どもを乗せたベビーカーをごろごろと押しながら神戸の街を歩き、考えたことを綴っている。 その発端となったのは、2016年にSUUMOタウンに寄稿した「ごろごろ、神戸」。以後、神戸市広報課のウェブサイトに「ごろごろ、神戸 2」として引き継がれ、「ごろごろ、神戸 3」まで約3年にわたって連載された。 そこから大幅な加筆や、書き下ろしを加えたのが書籍『ごろごろ、神戸。』だ。今回は、その出版を記念し、昨年12月に行われたトークイベント(旧グッゲンハイム邸)から一部内容を抜粋してお届けする。 『ごろごろ、神戸。』(ぴあ) / 著:平民金子 / 1600円(税別) 登壇者は平民金子さんに加え、ロック漫筆家の安田謙一さん
同人誌を生産する生活 同人誌制作が生活の中心だった。妻が同人活動を始め、それに振り回された一年といえる。妻はもともと絵を描く人だったが、ある日突然漫画も描くようになった。配偶者とはいえ、ひとの趣味なので始めは放置していた。だが、どうも雲行きが怪しい。スケジュールが破綻していたのだ。新刊が落ちるかもしれない、そんな状況で2019年を迎えた。年末年始の休暇をすべて費やし、私はスケジュール管理とアシスタントをすることになった。妻は1日に4ページの作画をこなし、私がベタとトーンを塗る。正月も休むことなく作業をし、締切前日には当然のように徹夜をした。 同人誌を作るのは文化祭の準備と似ている。あらゆる手段を使って完成させ、イベントで頒布しないといけない。本を用意できたら対面販売の喜びが得られる。インターネットで得られるただの数字とは違って、目の前の人が本を買ってくれるのだ。狭いスペースに何時間もいるの
# 告知のためしばらくこの記事を先頭に置いておきます 別に狙って固めたわけじゃないんだけど最近たまたまいろんな取材が重なったのでまとめてお知らせします。 5月11日(月)から15日(金)まで、5日連続で読売新聞夕刊の小さなコラムで僕を紹介する記事が載る予定です。僕の人生を辿って紹介するみたいな感じです。 5月19日(火)発売の雑誌「SPA!」でシェアハウスについての特集をやるらしく、その中で「最近のシェアハウスってどうよ」みたいなことを話したのが載る予定です。 5月20日(水)放送の、フジテレビ系の「僕らが考える夜」というAKBのメンバーたちがちょっと真面目な問題について議論するみたいな番組に出演する予定です。24:25からの30分番組です。テーマは「お金」で、「最近働かない若者が増えている?」「最近の若者はお金を使わない?」「結婚相手に求める年収は?」「ニートを減らすにはどうしたらいい?
木造二階建てアパートの二階にある4畳半の部屋に仕事場を移したところ、畳がすべて荷物で埋まってしまった。部屋の壁際三辺は立て掛けた本棚や分解した机で覆われ、部屋の大部分を占めるそれ以外のスペースは高さ約30センチの本の束で埋め尽くされた。 部屋の真ん中にいる僕の足元は見えない。本の束と束の間にかろうじて足を突っ込んでいるからだ。足に泥は付着しないが、ぬかるみに膝下をずぶずぶ突っ込んでいるようなものだ。部屋の中を移動するには本の束から足を引き抜いて、本の束を踏み台にするか、つま先がやっと入るかどうかのすき間に無理矢理足を突っ込むしかない。 不安のはじまり 床が本で埋まっているというのに不思議と焦ってはおらず、床が抜けるというケースはまったく想像していなかった。むしろ運び終えたことに安堵していて、時間をかければ何とか片付くだろ、と呑気に考えていた。 運搬を手伝ってくれた便利屋スタッフが帰りの車中
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