図1 ユースケースの詳細化<BR>アクターである書籍購入サイトの利用者が,書籍購入の注文を出した場合の例。利用者が書籍の購入をする動作を上のシーケンス図で,注文処理のシステム構造表現としてのドメインクラスを下のクラス図で示している。このように,ユースケースを詳細化すると,UMLではクラス図とシーケンス図の二つの図に分離した表現になる。 一般にシステム開発では各工程で設計図に当たる「モデル」を作成する。現在の技術では,工程ごとに作成されるモデル同士の関係が複雑にならざるを得ない。複雑さを軽減するには,モデルで定義する要素を,工程間で1対1に対応付けることが重要だ。それにはアスペクト指向の導入などが有効である。(本誌) 前回は,ソフトウェア開発における工学的アプローチがなぜ失敗しているかを大局的な視点から検証した。さらに,開発プロセスにおける基礎的な問題点を明らかにした。今回は,モデル作成を題