善意で届く品物が、耐え難いストレスとなる 父の死という代償を払って、私は「代替療法も健康食品も無意味」という認識を得た。その私のところに、「これを使って下さい」と善意の代替医療グッズが届くとどうなるか。 ――つらい、ひたすらつらいのである。ストレスが耐えられる限界を突破しそうになっている状態では、ほんの小さなストレスがずきずきと精神に響くのだ。 ご当人からは100%、母を心配して送ってくれたもの。私の考えがどうであろうが、まさか右から左へゴミに出すわけにもいかない。仕方なく母に与えてみる。毎朝一包、頂いた健康食品を母に飲ませる。大したことのない手間に思える。しかし介護のストレスでいっぱいいっぱいになっている身には、この一手間が非常につらい。 母は「これ、何?」と質問するから、「認知症に効くという健康食品です」とも言えず「体にいいということでもらったものです」と嘘の説明をする。やっと飲ませる