疫病が流行しているのでよぶんな外出を控えるようにという通達が出された。わたしは家に人を呼んで手料理を振る舞うのが好きなのだけれど、それもほぼ控えている。 ほぼ、というのは例外があるからそう言うので、エリカちゃんだけは可としている。 エリカちゃんはわたしの娘の同級生である。 エリカちゃんをわたしに紹介するとき、娘は神妙な顔して、「ママ、偏差値50ちょっとの女子大学ってところにはね、いろいろな人間がいるの」と言ったものである。わたしは首をかしげた。お行儀のいいしっかりしたお嬢さんばかりという印象を持っていたからだ。 わたしがそうこたえると、娘は、真面目がとりえの子がほとんどではある、と言う。ただし、たまに変わった子がいる。偏差値50ちょっとの大学には推薦入試枠があって、それで入る子はだいたい一般入試よりさらに堅実なんだけど、なんかの間違いで入って来ちゃったみたいな子がたまにいるの。うん、そう、