閣僚の辞任につながった疑惑は刑事事件に発展した。東京地検特捜部が8日、あっせん利得処罰法違反容疑で強制捜査に乗り出した甘利明前経済再生担当相の現金授受問題。甘利氏はこれまで口利きを強く否定してきたが、都市再生機構(UR)から巨額の補償金を受けた建設会社「薩摩興業」の総務担当、一色武氏(62)は甘利氏側が口利きを明確に認識していたと証言していた。補償金額は適正だったのか。口利きはなかったのか。 千葉県印西市にあるUR千葉業務部。特捜部の係官が捜索に入ったのは午後5時過ぎだった。2階建ての社屋はほとんどの窓のブラインドが下ろされ、係官とみられる人の影がせわしなく移動するのが見えた。捜索は9日未明まで続いた。