機械学習を理解する上でカギとなる数学。数学をマスターすることは、機械学習エンジニアになるための最短コースといえる。本特集では、なぜ機械学習で数学が必要なのかを、高校1年生レベルの数学を使って説明する。 指数関数、対数関数…、ディープラーニングに必要な数学はこれだ 現在、機械学習を代表する存在であるディープラーニング。前回まで説明してきたように、機械学習の「回帰」モデルと「分類」モデルのうち、ディープラーニングでは分類モデルがメインに使われます。 2019.06.28
同期処理が失敗した原因は、4台をつなぐスイッチの不具合。具体的には、スイッチが故障状態であるにもかからず、故障を知らせる「故障シグナル」を発信しなかった。国内線システムは故障シグナルを検知するとスイッチを予備機に切り替えるが、今回はその機能そのものを作動できなかった。 スイッチは完全に停止したわけではなく、「不安定ながらも動作していたようだ」(同)。そのため、DBサーバー間の同期は順次失敗し、停止していったと見られる。 ANA広報によると、スイッチは米シスコシステムズ製「Catalyst 4948E」という。「2010年6月の発売開始以降、世界で4万3000台、うち日本で8700台を販売しているが、今回の不具合は初めての事象と聞いている」(ANA広報)。なぜ「故障シグナル」が発信できなかったかは分かっていない。 1台での縮退運転を決断 4台の完全停止から37分後、ANAは1台のDBサーバー
帳票作成と聞くと,とかく「高価なツールが必要なのでは?」「コーディングが難しそう」と思いがちです。なるほど,一昔前ならそうだったかもしれません。しかし,今では高度な機能を備えたオープンソースの帳票ソフトウエアが数多くあります。連載最終回の今回は,無償で利用できるこうしたソフトウエアを使って,帳票を出力するアプリケーションを作成してみましょう。 テンプレート作成にOfficeを利用できる二つのソフト オープンソースで提供されている代表的な帳票ライブラリには,(表1[拡大表示])のようなものがあります。今回は,その中から二つのソフトウエアを紹介します。 一つは,PDF(Portable Document Format),RTF(Rich Text Format),HTMLなど様々な形式のドキュメント出力に対応した「JooReports」です。テンプレートから動的に帳票ドキュメントを生成する「J
インタビュアー「IT部門は今、社長の期待に応えていますか」。社長「私から見ると、社内のIT部門はまだ出遅れています。現場の痛みをあまり知らないとも言えます。『このままでは君たちは要らない』とはっきり言いました」。 このインタビュアーとは著者自身のことである。様々な企業の経営者に取材してきたが、このインタビューが一番衝撃的だった。なんせ公式取材で「このままでは」という条件付きながら、社長が「IT部門は要らない」と宣告したのだから。インタビューは4年前、私が日経コンピュータ編集長のときで、相手はリコーの近藤史朗氏(現会長)である(関連記事:編集長インタビュー「事業環境の変化を先取り」)。 そのリコーのIT部門は今どうなったか。ITproに1月13日付で掲載された同社の瀬川大介常務へのインタビューが興味深い。瀬川常務は“CIO(最高情報責任者)”として取材を受けているが、「私は厳密にはCIOでは
前回、XFSの技術上の特徴として、(1)複数ブロックにまたがるメタデータのB+ treeデータ構造、(2)エクステントを単位としたブロック管理、(3)遅延アロケーションによるブロック割り当て、(4)ジャーナリングによる障害からの高速な復旧、──の四つを挙げた。以下では、それぞれの特徴を詳しく解説していこう。 (1)複数ブロックにまたがるメタデータのB+ treeデータ構造 B+ treeデータ構造は、ツリー状のインデックス情報を持つブロックと、リーフ(ツリーの末端)に対応するデータを格納するブロックからなる*3。このデータ構造は、ランダムアクセスとシーケンシャルアクセスの双方で良い性能を発揮する。ツリーの深さを増やすことでデータサイズの変更にも柔軟に対応する。このデータ構造はディスク上のデータ管理に優れており、多くのファイルシステムやRDBなどで採用されている。 ext系のファイルシステム
今月からProject Lambaで追加されたAPIについて解説していきます。 Project Lambdaで追加されたAPIというと、Stream APIですが、その前に本連載でもすでに何度も使用しているIterableインタフェースの変更について、あらためて紹介します。 その後、Stream APIについて紹介していきます。 Iterableインタフェースの変更 Java SE 7まで、Iterableインタフェースにはiterateメソッドしか定義されていませんでしたが、デフォルトメソッドを使用して2つのメソッドが追加されました。 1つはこれまでも何度も使用しているforEachメソッド、もう1つがspliteratorメソッドです。 forEachメソッドは拡張for文の内部イテレータ版になります。forEachメソッドの引数の型はjava.util.function.Consum
世間が2014 FIFAワールドカップで熱狂するなか、STAP細胞を巡る一連の騒動は、いまだにメディアをにぎわせている。このSTAP騒動で一躍注目を集めたのが「ノート」の存在だ。 記載に不備がある、第三者がチェックしていない---。世界的な発見につながるような実験において、ノートが重要なチェック機構の役割を果たしていることが、この騒動での指摘によって改めてクローズアップされた。 ここでいうノートとは、「実験ノート」を指す。主に企業のR&D(研究開発)部門や大学・公的機関の研究室が使うもので、一般的なノートに比べて書き方や管理・チェックの手順を厳しく規定している。特許出願や論文執筆、法規制、安全性の確保などに対応する狙いがあるからだ。 実験ノートのバリエーションに、「電子実験ノート(ELN:Electronic Lab Notebook)」がある。文字通り、実験ノートの電子版だが、紙の実験ノ
「Amazon EC2」は、誤解されている。筆者は最近、そう強く思っている。あなたがもし「Amazon EC2は単なる仮想マシンサービス」と思っているなら、考え直してほしい。Amazon EC2の本当の価値とは、実はストレージサービスの「Amazon S3」にある。 最近日本でも、Amazon EC2対抗をうたう仮想マシンサービスが増えている。Webサイトからの申し込みだけで利用でき、課金は1時間単位。Webベースの管理ツールから簡単に仮想マシンを起動できて、ロードバランサーなども手軽に設定できる。日本のサービスも、仮想マシンに関する機能面ではAmazon EC2に追いつき始めている。 しかし、全く敵わないのが、ストレージサービスであるAmazon S3だ。 Amazon EC2の最大の特徴は、利用者が様々な種類の仮想マシンを、管理ツール上でのクリック操作一つで、素早く展開できることだ。「
今回の大雪ビッグデータから、いったい何が見えたのか。ひも解いていこう。 まず、図1を見てほしい。これはウェザーニューズに寄せられた、2月15日午後1時における関東地方の路面の状態を図示したものである。ウェザーニューズの気象予報に参加する「サポーター」から、携帯電話やスマートフォンを通じて続々と寄せられる首都圏の路面状況の報告を、地図上に色別にプロットしてある。 特に注目してほしいのは色の配置。個々のプロットの固まりが、西から順に「赤色」「緑色」「黄色」と、きれいに3つに分かれている。 3つの色を隔てる“見えない”縦方向の線が、あたかも存在しているかのように思える。 雨と雪の境目が見えた 各色は、赤色が路面の「積雪」、緑色が「シャーベット」、黄色が「影響なし」を示している。つまり、路面の報告から、雨と雪の“境界線”がはっきりと見えてきたことになる。雨から雪に変わり、道路状況が悪くなっていく様
携帯電話機で手軽にメールをやり取りしたり,ニュースや天気を見たり,ゲームや音楽をダウンロードして楽しんだり――。今や,日本国内だけで7500万人以上,中国では1億人を超える人々が,携帯電話機でインターネットを利用している。携帯電話のインターネット・サービスを世界に先駆けて事業化したのが,NTTドコモの「iモード」である。1999年2月のサービス開始と同時に,待ち受け画像や着信メロディなどのコンテンツ・サービスが立ち上がった。サービス開始直後は低調が続いたものの,対応機種の増加と共に契約数はウナギ登りに増えていく。普及は予想をはるかに超えるペースで進み,1990年代の停滞した日本経済の中で,ひときわまばゆい光彩を放つ20世紀最後の大ヒットとなった。 このiモードを事業化にこぎ着けるまでの開発物語を,日経エレクトロニクスが2002~2003年に掲載している。本連載では当時の記事を再掲載する。
角川書店やアスキーメディアワークスなどのグループ企業を統括するKADOKAWAホールディングス(以下、KADOKAWA)のWebサイトが改ざんされた。改ざんは、Webサイトを閲覧した一般ユーザーを攻撃する狙いで、閲覧に使ったパソコン内のソフトウエアが古い場合、ハッカーが仕組んだ不正プログラムに攻撃され、オンラインバンキングのパスワードなどが盗み取られてしまう危険がある。 Webサイトが改ざんされていたのは、2014年1月7日の0時49分~1月8日の13時7分までの約1日半。この期間中に約1万のアクセスがあり、閲覧者がトロイの木馬に感染した可能性があるという。この事件ついて、KADOKAWA側が改ざんの事実を発表したのは、改ざんから9日以上が過ぎた1月16日の23時だった。なぜ発表が遅れたのだろうか。まずは、KADOKAWA広報へのインタビューを通して得た事実を基に、改ざんから発表までの時系
最新のOSやソフトウエアをインストールして触るのが大好きな筆者のような人間にとって、仕事と趣味の両面において日常的に欠かせない存在となっているのが「仮想化ソフト」である。仮想化ソフトなしでは本連載はもちろん、筆者が手がける技術検証系記事の多くが成り立たないか、執筆するのに相当苦労することだろう。それほどまでに重要なソフトとなっている。 ITpro読者の中にはご存知の人も多いと思われるが、仮想化ソフトとは、パソコン内に「箱庭」を作り、仮想的なパソコン(仮想マシン)を独立した存在として動作させることができるソフトである(写真1)。 仮想化ソフトとひと口に言っても様々な種類があるが、主に使われているソフトをざっくり分けると2種類に分類できる。一つは、仮想マシンの制御に特化した軽量なソフトウエアとして、物理パソコン上で直接動作させる「ハイパーバイザ型」と呼ばれるタイプ。もう一つは、Windowsを
特許庁は2013年3月15日、特許庁システム刷新の指針となる「特許庁業務・システム最適化計画」の改訂版を公開した。企業からの要望が強い中国語・韓国語対応の文献検索・翻訳システムは2014年度までにリリースする考え。その後もシステムを段階的に刷新し、2022年度の完成を目指す。 特許庁はこれまで、2004年に策定した業務・システム最適化計画を基に、2006年から2012年までシステム刷新プロジェクトを進めていた。だが計画は相次ぎ遅延、2012年1月には開発の中止を表明していた。 今回の新プロジェクトでは、開発工程を二つに分ける。前半の5年間、つまり2017年度までは、多言語の機械翻訳・検索システムの構築、新商標・新意匠など制度改正への対応、特許・実用新案の経過情報のリアルタイム提供といった、産業界からの要望が強い機能を集中的に開発する。そして後半の5年間で、複数のシステムに散在しているデータ
政府システム調達における失敗の典型例が、特許庁の基幹系システム刷新プロジェクトだ。5年がかりで臨んだが、結局は55億円を無駄にしただけ。新システムは完成しなかった。失敗の最大の要因は、発注者である特許庁にあった(図1)。関係者の証言から、失敗に至る経過を改めてひもとく。 特許庁は2004年、政府が打ち出した「業務・システム最適化計画」に沿って、特許審査や原本保管といった業務を支援する基幹系システムの全面刷新を計画した。システムアーキテクチャーに詳しい情報システム部門のある職員(以下A職員)と、刷新の「可能性調査」を担ったIBMビジネスコンサルティングサービス(現・日本IBM)を中心に、調達仕様書を作成した。 業務プロセスを大幅に見直し、2年かかっていた特許審査を半分の1年で完了することを目指した。度重なる改修によって複雑に入り組んだ記録原本データベース(DB)の一元化に加え、検索や格納など
次期年金システムの開発プロジェクトが、発注の失敗をきっかけに1年以上停滞していることが本誌の取材で明らかになった。設計作業を受注したIT企業の1社が役目を果たせず途中でギブアップし、再発注がなされないままの状態になっている。税と社会保障の一体改革をめぐる政治の混乱もあり、再開のメドは立っていない。 ストップしているのは、オープン化を目指す次期年金システムのプロジェクトだ。厚生労働省は「年金記録問題」が表面化した後、既に着手していた基本設計の一部をやり直す「補完工程」を3社に分割発注した(図)。3社のうちシステム基盤設計を3億8640万円で受注したユーフィット(現TIS)が、契約を履行できなかった。 アプリケーション設計を担当したNTTデータと工程管理支援を受注したTDCソフトウェアエンジニアリングは、それぞれ「契約どおりに作業を進めた」(厚労省年金局)。一方、システム基盤設計の進行は遅れた
タイの洪水被害の影響でハードディスク(HDD)の価格が高止まりしている。パーツショップでの実売価格は急騰前の3倍程度にまで跳ね上がり、今でも2倍弱の価格をつけている。5000円台で2TバイトのHDDが買えた記憶が新しいユーザーにとっては買い控えたくなる水準だ。フラッシュメモリーによる半導体ストレージであるSSDの容量単価は下落する一方だが、HDDが買えないならSSDを使えばいいのに…と言えるほどSSDは安くない。 もちろん、データの増加は待ってくれない。記者の自宅には、主にファイルサーバーとして利用するLinuxサーバーがある。タイ大洪水以前に約7000円で購入した1Tバイトの2.5型ハードディスクをストレージに充てた。写真1枚が10Mバイト近くある今の利用環境では、みるみる空き容量が減っていく。どのコンテンツもときめくものばかりで、整理には限界がある。「では増設」と思い立っても、HDDは
Windows 7のネットワーク設定を標準で使ってはいけない。標準では「SNP(Scalable Networking Pack)」と呼ばれるネットワークを最適化する機能が有効化されている。この「SNPが有効化」されている設定のままPCを動作させると、ネットワーク処理が不安定になったり、ネットワーク処理とは関係ないアプリケーションの処理に影響を与えたりする可能性があるからだ。 SNPとは、通常はPC上のプロセッサが行っているネットワーク処理を、PC内部のNIC(ネットワークインタフェースカード)に担当させるなどしてプロセッサの負荷を下げる機能だ。 ハードにネットワーク処理を分担させるSNP SNPは三つの機能からなる。「SNPが有効」とは三つのうち、少なくとも一つが有効化していることを指す。 (1)TCP Chimney Offload TCPのネットワーク制御をプロセッサからNICにオフ
SQLのプログラミングは奥が深い。特にパフォーマンスの観点から、そう言えるだろう。 みなさんご承知の通り、同じ結果を出すプログラムでも、SQLの書き方次第で処理時間に何倍もの差が生じ得る。効率の悪いSQLを書いてしまう原因は、多くの場合、リレーショナルデータベースの内部動作やアプリケーションに関する理解不足である。両者をよく知った上で最適なSQLを書けるようになることは、システムエンジニアとしての重要なスキルの一つである。 特集『基礎から理解するデータベースのしくみ』では、リレーショナルデータベースの内部動作について、基本的な部分を分かりやすく解説している。SQLプログラミングに役立つことはもちろん、SQLチューニングやデータベース設計のための基礎知識としても不可欠だ。 イントロダクション ブラックボックスのままでいいの? Part 1:SQL文はどのように実行されるのか SQL実行までの
皆さんこんにちは。ミラクル・リナックスの天野光隆です。日経Linux誌では時々登場させていただいてますが、ITproでの寄稿は初めてになります。ミラクル・リナックスは、LinuxサーバーOSや、デジタルサイネージソリューションの開発、販売を行っている会社で、私は組み込み関連の開発を行っています。 Androidは携帯電話のOSというイメージがありますが、普通のパソコンでも動作します。以前にも「話題の携帯向けOS「Android」をx86パソコンで動かしてみよう」という記事がITproに掲載されましたが、今回はより新しいバージョンのAndroidを動かしてみましょう。 「Android 2.3(開発コードネーム:Gingerbread)」は2010年12月に米Googleが正式リリースした、携帯電話向けAndroidの最新版です。前バージョンである「Android 2.2(開発コードネーム:
言語を知らなくても簡単にAndroidアプリが作れる――。誰でもプログラマになれる“驚愕”の開発ツールが登場した。米Google社が提供する「App Inventor」だ。早速、開発のしやすさを体験してみた。 米Google社は2010年12月16日、Androidアプリを開発するためのツール「App Inventor」のベータ版を一般公開した。同年7月から登録者のみに提供していたものだ。ツールおよびWebサービス、Javaアプリの3つの組み合わせで実現している。 App Inventorの特徴は、プログラムをコーディングしなくても、Androidスマートフォンで動作するアプリが即席に作れること。パズルを組み合わせる感覚でプログラムを作成できる(図1)。Javaを知らない人でも、Androidスマートフォンを持っていれば、そのまま個人用のアプリが即製可能だ。
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