ある日の13時過ぎ、見知らぬ番号から着信があった。折り返してみると、訪ねる予定の本屋ロカンタンの店主、萩野亮さんからだった。 「あの、今日いらっしゃる予定ですよね」 「はい、14時に」 「えっ、13時でしたよね?」 なんと私が約束時間を、勘違いしていたのだ。到着を待っていた萩野さんを知る由もなく、この日最終回だった韓流ドラマを見終わってゆっくり支度をしていた私は、急いで西荻窪に向かった。 JR西荻窪駅の南口からgoogleマップをたよりに6分ぐらい歩くが、マップが指し示す場所に本屋は見つからなかった。着信アリの番号に再度かけなおしてみると、バス通りに面していないドアから萩野さんが姿を見せたので、5.5坪のスペースに招き入れてもらう。ここは自宅兼本屋だと、萩野さんは語った。 マンション1階にある本屋ロカンタンは、大きな「本。」の文字が目印。 「じゃあ2階に部屋があるんですか?」 「いえ、ここ