櫛野展正連載26:アウトサイドの隣人たち 「健常」と「障害」の狭間でヤンキー文化や死刑囚による絵画など、美術の「正史」から外れた表現活動を取り上げる展覧会を扱ってきたアウトサイダー・キュレーター、櫛野展正。2016年4月にギャラリー兼イベントスペース「クシノテラス」を立ち上げ、「表現の根源に迫る」人間たちを紹介する活動を続けている。彼がアウトサイドな表現者たちに取材し、その内面に迫る連載。第26回は、独学で3DCGソフトを習得し、オリジナルのキャラクターを描く新井啓介を紹介する。 「息子がね、こんな絵を描いとんです」。 僕が運営しているギャラリー「クシノテラス」にやってきた白髪の女性が見せてくれたのは、コンピューターグラフィックスを駆使して描かれた女性やロボットのイラストが出力された紙の束だった。初見では、どこかで見たことがあるようなキャラクターに思えたが、よく見るとそれはすべてオリジナル