日本で化石や恐竜ブームの先駆けとなったフタバスズキリュウ(和名)が福島県いわき市で発見されて今年で50年を迎える。この間、アニメにも登場し、研究によって新属新種と分かって「フタバサウルス・スズキイ」の学名も付いた。日本一有名な化石の歩みは高校2年生の探究心から始まった。 貴重な化石を発見したのは、子どもの頃から科学好きだったいわき市の鈴木直(ただし)さん(67)。中学生の時に地層や化石の本を読み、同市大久町に中生代白亜紀の地層があることを知った。他の論文には化石の報告もあり、「化石はもっとあるはずだ」。自転車で通い、地層を特定しながら化石探しをした。 平工業高2年生だった1968年の秋。大久川の河岸に茶色いものを見つけた。「植物の化石かな」。掘ってみると「背骨だった。まだ奥に伸びていた」。以前から手紙のやりとりをし「一緒に研究しよう」と言ってくれていた国立科学博物館の小畠郁生博士に手紙で知