ブックマーク / yoshitakaoka.hatenablog.com (28)

  • 三つのお知らせ - 想像は終わらない

    皆様、こんにちは。 今回は、三つのお知らせがあります。 まず、一つ目なのですが、Amazon Kindle ストアで電子書籍「今川焼きとナポレオン」を出版しました。 以下が、あらすじの書かれている商品ページになります。 今川焼きとナポレオン 作者: 高岡ヨシ 発売日: 2018/07/26 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る 日、7月28日(土)から8月2日(木)の午後4時まで、このの無料キャンペーンを行います。 こちらは、自分の最初の作品である「五厘クラブ」のアナザーストーリーです。お互いの作品世界は繋がっているのですが、どちらの話も個別に読めるようになっております。 ただ、どちらか片方よりも、両方の物語を読んで頂けると更に楽しめると思いますので、「五厘クラブ」の方も上記と同じ期間で無料キャンペーンを行うことにしました。 是非、この機会にダウンロードしてみて下さい

    三つのお知らせ - 想像は終わらない
    minaminakun
    minaminakun 2018/07/29
    ヨシさんの集大成、お待ちしています!
  • 透明な子 - 想像は終わらない

    夜を照らす境内の提灯に、ラムネの瓶の中で踊るビー玉。 台風が過ぎた後に梅雨が明け、街頭に浴衣姿の人影を見かける頃になると、毎年、忘れられない記憶が蘇る。 近所の神社で催される盆踊りに初めて参加したあの夏、私は小学三年生だった。 その年、出来れば顔を合わせたくない同級生グループが旅行のため地元からいなくなることを知っていた私は、隠していたお年玉を筆箱から取り出して、紅白の灯りが揺れる高台へと急いだ。 普段は人気のない神社に鳴り響く太鼓の拍子。 今まで網戸越しに聞こえていた世界と、目の前の光景との違いに圧倒された私は、踊りの輪を避けるように手水舎の傍に行き、地面に直接腰を下ろした。 気持ちが落ち着かず、裸電球が光る屋台を回る気にもなれずにぼんやりと揺れる浴衣を眺めていると、突然、後ろから肩を叩かれた。 「炭坑節、踊らないの?」 振り返ると、薄青のポロシャツにフレームの大きな眼鏡をかけた中年の男

    透明な子 - 想像は終わらない
    minaminakun
    minaminakun 2018/05/05
    子どもならではの孤独感を思い出します。
  • ねぇ、知ってる? 〈高岡ヨシ + ミチコオノ〉 - 想像は終わらない

    ねぇ、知ってる? あの子のお母さん、PTAの会長さんとできてるらしいのよ ねぇ、知ってる? あの子の家の弟さん、やっぱり変なんですって ねぇ、知ってる? あの子のお母さんの出処、どうも橋の向こうの地区らしいのよ ねぇ、知ってる? あの子のお父さんの会社、噂通り倒産したんですって ねぇ、知ってる? あなた達の話、全部聞こえているよ ねぇ、知ってる? あなた達が笑ってしている話、全部おかしくも何ともないんだよ おい、知ってる? あいつ、昨日もヤられたんだってよ おい、知ってる? 一緒に殴れば、金がもらえるんだってよ おい、知ってる? あいつ、授業中に血を吐いたらしいぜ ねぇ、知ってる? あなた達の話、全部聞こえているよ ねぇ、知ってる? あなた達が笑ってしている話、全部面白くも何ともないんだよ あなた達が知りたいと思っている話を、私は聞きたくない あなた達が笑ってしている話を、私は全然面白いと

    ねぇ、知ってる? 〈高岡ヨシ + ミチコオノ〉 - 想像は終わらない
    minaminakun
    minaminakun 2017/11/27
    「私が私をやめたなら」でも読んだ詩ですが、イラストがあるとまた違った印象になりますね。「面白くない」と言える勇気を持ちたいです。
  • ラジオネーム・放課後のジェットリー  - 想像は終わらない

    「さっきの電話、意味わかんねぇよ。一応買ってきたけど、何でケーキが必要なの?」 「話した通りだよ。大切なイベントだから、非日常アイテムが必要なんだよ」 「それで、何でケーキなの? お前、甘いものえないじゃん」 「いいんだよ、なんだって。雰囲気なんだから」 「だったら、プリングルスとペプシでいいじゃん」 「それじゃあいつもと一緒だろ。今日は特別なんだよ」 「何それ。まぁ、はい。ケーキと、一応いつものも買ってきたよ」 「ありがとう。気が利くねぇ。気が利き過ぎて、怖いよ」 「どーせ後で腹減ったとか言うじゃん。あれ、聞いててうるさいんだよ。あとケーキ選ぶの面倒くさかったから、今日は割り増しで千円な」 「でた、四捨五入」 「うるせぇよ。じゃあ今度から自分で買ってこいよ」 「はい、千円です」 「お前どんだけ動くの嫌なんだよ」 「千円を渡すぐらい嫌だよ。とにかくさ、ケーキもあるし、始めていいか?」 「

    ラジオネーム・放課後のジェットリー  - 想像は終わらない
    minaminakun
    minaminakun 2017/11/10
    ノスタルジーを会話で紡ぐ、ヨシさんの真骨頂ですね。これは永遠に収録(引退)できないパターンですわ(^_^;)
  • 全部ひっくるめて、楽しい - 想像は終わらない

    触れようと、もがく 創り出そうと、もがく そうやって グシャグシャになってするもがきは、楽しい ソファーで寝落ちして、朝を迎える 鳥がさえずる前に、ネコが顔を踏む コーヒーをいれていると、ネコが足を踏む 頭と背中が重いけど、楽しくって仕方がない 日常が肩を叩き、尋ねてくる時がある 自分の先を、考える事がある でも、自問の末に飛んでいく 内側が騒ぐ 過去が声を上げる 耳を貸そうと近づくと 森の中に引き込まれる 胸焼けが襲う夜もある それでも 楽しさが込み上げる 首を這ってくる欲よりも もっと強く突くのは 喜び 登場人物が独りで歩き 思いもしなかった景色をくれる 好き放題する彼らをまとめて 迷わないように道を作る そうして出来上がった喜びは 何物にも代えがたい 誰に頼まれたわけでもない 名前も全く売れていない けれども 楽しいから、書く 胸が躍って嬉しくて また、新しいドアを開ける 薄暗い中で

    全部ひっくるめて、楽しい - 想像は終わらない
    minaminakun
    minaminakun 2017/11/04
    せっかくのヨシさんの魂の叫びなのに、ネコちゃんの写真に気を取られてしまいます(*>_<*)
  • 夏をやってない - 想像は終わらない

    ハッとして目を覚まし 通りに近い窓を開ける 緑を覆う色あせた枯れ葉 喉に飛び込む息は冷たい 薄く横に伸びる雲 縦に登れず空を這う 確かにここにあった夏 それなのに 僕は夏をやってない バケツに飛び込む手持ち花火 生み出す音が夜を鎮める 咲き終わりに残る白いライン 暗闇に写す向日葵の花びら もう 何年見ていない? 市営プールの帰り道 夕焼けに交わる塩素の匂い 天に浮かんだ七色の曼荼羅 オレンジの雲は何にでも化ける 灰色へと続く通学路 遠くに見える工場の煙 もう 何年帰っていない? 特別が日常になり 御馳走への距離が縮まる 不便や貧困を崇めない でも スイカに種があったっていい 僕は夏をやっていた 一人でいても 家に帰らなくても 僕は夏をやっていた 夜明け前に飛び出す国道 車の列をやり過ごし 瞬間を逃さずシャッターを押す 大した写真は撮れてない それでも そこには夏があった 制服を着替えて家を

    夏をやってない - 想像は終わらない
    minaminakun
    minaminakun 2017/10/20
    自分の中にあるあの頃の夏、あの頃の自分と一緒に、これからも生きていきたいです。
  • 「生きづらさ」というクソッタレ - 想像は終わらない

    難しい表現はいらない 簡単な言葉で伝えてくれ 物言わぬ羊の飼育法 それが道徳の正体か? 出来る限りはやってきた 疑問を持たずにやってきた モラルが楽園を作るんだろ? じゃあ 何でこんなに生きづらいんだ いじめに対して声を上げ 標的にされたら世話がない 記憶に彫られた墨が消えずに 誰かの言葉に反応する 手のひら返しがチラついて 真正面から人を見れない 善人 悪人 善人 悪人 人様の背中にシールを貼り 目線の動きを確認する バカみたいに勘ぐって バカみたいに夜を明かす ひねくれた考え 歪んだビジョン どうしようもないと言われても 望んで選んだ訳じゃない 前だけ向いてる人の波 過去に構ってはいられない 若気の至りという魔法 人の親になり時効成立 よくある話なのは分かってる でも そんな世の中クソらえだ 思いやりに助け合い 植えつけられた暗黙のルール 黙ってなぞって生きてたら 他人のケツばかりを

    「生きづらさ」というクソッタレ - 想像は終わらない
    minaminakun
    minaminakun 2017/10/14
    ようやく読めました。いつになくロックなヨシさんの詩ですね。ええいクソッタレ!自分の幸せのために生きるんだ!
  • 友への伝言 - 想像は終わらない

    思えば不思議な関係だった 普段は口もきかなかった チャイムの合図で狩られる時間 終わりは意味を成さなかった 暗い階段の途中に射す光 窓から覗く中庭に射す光 同じ校内で息をしても そこに楽園はなかった お前はいつも下を向いて 指のささくれを取ってた 俺はいつでも下を向いて ただれた皮膚を摩ってた 適当に生み出し与えられた 滑稽で汚れたニックネーム 俺たちは三年契約のピエロ 特徴なんていらなかった 「どうだった?」 「今日はマシだった」 「どうだった?」 「今日はヒドかった」 僅かに重なる出入りの瞬間 窓のない壁を見ていた 魂と引き換えに学期を買って 春夏秋冬を過ごした 流れる風景と留まる想い 俺はお前を救えなかった 裂ける傷口と閉じる瞳 俺は俺をも救えなかった 消えずに浮かぶ 放課後のパレット お前もその色を見ているか? 今でもその色を見ているか? 俺たちはみんな犯罪者 自分殺しの常習者 腫

    友への伝言 - 想像は終わらない
    minaminakun
    minaminakun 2017/09/24
    「友」と呼ばれているものは、友達であることはもちろん、自分自身でもあると思いながら読んでいました。自分殺しをしていたと気づいた彼(彼ら)は、これからどういう人生を歩むのでしょうね。
  • ちょっと待ってくれないか (『私が私をやめたなら』収録作品) - 想像は終わらない

    自分はAmazonKindleストアで「私が私をやめたなら」という電子書籍を販売しております。 私が私をやめたなら 作者: 高岡ヨシ 出版社/メーカー: YOMA CREATIONS 発売日: 2017/04/26 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る 頭の中にある想いを書き出す方法として、詩と小説、どちらも好きなのですが、その時に込めたい感情によって心がしっくりくる方を選んでいます。 「私が私をやめたなら」は、自分が詩という形で表したかった想いの集合体です。 今回は、その内の1篇を紹介したいと思います。 *** 「ちょっと待ってくれないか」 あの ちょっと待って そのままの姿勢でいいから 少しの間 話を聞いてくれないか? 理由なんか尋ねないよ 此の期に及んだらどうもこうもないよね ねぇ フォールイン・ラヴって曲を知ってる? ハミルトン ジョーフランク&レイノルズってい

    ちょっと待ってくれないか (『私が私をやめたなら』収録作品) - 想像は終わらない
    minaminakun
    minaminakun 2017/09/16
    購入して読んだときのことが蘇りました。ナンパのシーンとも読めるし、他人に語りかけているようで自分自身に語りかけているようにも読めて、読み手に想像を任せてくれる思いました。まさに「想像は終わらない」。
  • 橋の上の神様 - 想像は終わらない

    僕は「場所」を探していた。 昼が昼でなくなり、夜が夜でなくなった日を随分長く過ごしたせいで、右も左も分からなくなっていた。 締め切った窓。 肌に纏わり付くTシャツ。 通販番組の司会者が大きな声を上げた時、「もう終わりにしよう」と心が言った。 ビニール袋に貯めていた幾らかの金と携帯電話を掴み、部屋着のまま飛び出した現実は、室内と変わらずベトベトしていた。 真夜中なのに忙しい街。 ここに住む人たちは、僕が存在していることなど気付いてはいない。 ヨタヨタと歩く体に実感が湧かず、つま先で電信柱を蹴る。 (とにかく、遠くへ) 心を占める思いだけに動かされ、記憶をなぞり駅へ急いだ。 悪いことなどしていない。 誰も僕を気にしてはいない。 2番ホームの隅っこで始発を待つ自分の姿が、構内のミラーに映る。 人の目を気にして、決まった定位置に収まる心と体。 こういう度量の小さいところが、大嫌いなんだ。 ***

    橋の上の神様 - 想像は終わらない
    minaminakun
    minaminakun 2017/09/09
    確かに今ここで呼吸はしているものの、生きている、生きてきたという実感のない、自分の存在が不確かな誰かの物語だと読みました。
  • 心の歌 - 想像は終わらない

    目隠しされても笑って歩く 俺の視界を奪っても 質だけは奪えない 触れられない いや 触れさせない いくらでも笑え いくらでも指をさせ 頭の数だけ増やしても お前の戯言は響かない 上だろうが下だろうが構わない 俺はとにかく進んでいく 昼が嫌なら夜を待て 光が嫌なら目を瞑れ 同じ場所を目指さなくていい 道から無理に外れなくてもいい どうしようもない環境の中で 不良にも犯罪者にもならずに生きてきた 「普通」に馴染めない毎日を どうにかこうにか乗り越えてきた こんなもんじゃない 俺が辿り着きたい場所は 今の景色で終わりじゃない あんただってそうだろ? 思い描いている舞台は まだまだこんなもんじゃないだろ? 誰かと誰かの悪意を並べて 群れて固まるのが望みじゃないだろ? もっと奥へいこう 同調が届かないずっと底まで イメージを超えて潜っていこう 生まれてきた訳を知りたい 煩悩に苛まれる理由を見つけた

    心の歌 - 想像は終わらない
    minaminakun
    minaminakun 2017/08/29
    カナダか、日本か、もしくは世界のどこかで、電波の箱を抜け出して、ヨシさんに会える日を楽しみにしています。
  • アーティフィシャル・フラワーズ 《後編》 - 想像は終わらない

    「だからよ、何でセリフを言うときに眉毛が上がるんだよ。それじゃあ演技が嘘くさくなっちまうじゃねぇか」 口に含んだ煙を上へ吐き出したチャーさんは、タバコの先をワタル君へと向けた。 「え? 上げてないですって! チャーさんの見間違えですよ。ていうか、細かすぎますよ。例え眉毛が上がっていても、誰も気にしませんて」 「バカやろう、お前は何にも分かってねぇな。話すたびに眉毛が上がる奴がいたら、どう考えたって怪しいだろ。俺が刑事だったら一発でお縄もんだぞ」 「花屋に刑事はいませんから。それに僕が演じるのは客であって、容疑者ではないです。ちょっとチャーさん、いったん僕の眉毛から離れませんか。話が全然先に進まないじゃないですか」 ワタル君は大きなあくびをひとつして、近くのベンチに座り込んだ。 誰もいない夜の公園。 園内の時計の針は、日付を跨ぐ準備をしている。 10時前にはセッちゃんの店を出たので、もうかれ

    アーティフィシャル・フラワーズ 《後編》 - 想像は終わらない
    minaminakun
    minaminakun 2017/08/21
    サトムラの存在が受容された日。本当の意味で「誕生日」を迎えられましたね。救われる物語でした。
  • アーティフィシャル・フラワーズ 《前編》 - 想像は終わらない

    8時は越えたか? いや、まだ壁に光があるから、7時半過ぎか? だとしたら、2時半前に寝たとして、約5時間。 枕の横で背中を見せている電話をひっくり返し、手探りでホームボタンを押す。 ( 7:04) 7時4分。 勘弁してほしい。 最後の1杯。 あの冷や酒が余計だった。 (もったいねーから、終わらしちまいな) チャーさんが締めに勧める酒は、毎回無駄に後を引く。 自分の適量は分かってるのに、貧乏根性を出すから眠りが浅くなるんだ。 全くもって、自業自得。 せっかくの休みなのに、こんなに早く起きてどうする。 9時にセットしている目覚ましで起きたかった。5時間未満の睡眠では体に響く。 どういうメカニズムかは分からないが、35を超えた去年から、2度寝が出来ない体質になってしまった。 目を閉じ続けていれば、もう一度……とは考えない。 無駄な抵抗はしない。 起きる。 潔く、起きる。 コーヒーを飲むなら、ハム

    アーティフィシャル・フラワーズ 《前編》 - 想像は終わらない
    minaminakun
    minaminakun 2017/08/14
    やっと読めました。そういう意味の「アーティフィシャルフラワーズ」でしたか。日常を切り取り描写するヨシさんの持ち味を保ちつつ、非日常的な急展開は作品舞台の色をガラッと変えますね。後半楽しみです。
  • 深海にあるもの - 想像は終わらない

    上へ登った 違う景色が見たかったから いつもとは違う選択をした 服が変わり 立場が変わり 呼び名が変わった 笑顔の挨拶 穏やかな声 湯気が出ているコーヒー 窓から差し込む光は眩しい でも この部屋は息をしていない 能力と肩書きは比例しない ここに来てそれを痛感した 時計が9時を指し 合図と共に曲がかかる 女王蜂に裸の王様 踊る僕らは蜜を運び 彼らはそれを平らげる 実力なんて関係ない 目立たぬように静かに踊り 流れにまかせて取り入るだけ 目尻に刻むシワの数は 浮かぶか沈むかの生命線 笑って 笑って 笑って この船に残りたいのなら 目を細めて口角を上げればいい 差し出すか? 差し出さないか? 手招きをする数を増やし 目を閉じた従者が選択を迫る 暑くも寒くもない部屋 委ねた先に待つものは 憂いを忘れた理想郷か 例えそうだとしても 僕は捨てない 何かを得るために 何かを捨てはしない 全部まとめて取

    深海にあるもの - 想像は終わらない
    minaminakun
    minaminakun 2017/07/30
    ご昇進後のお気持ちでしょうか。周囲の環境がどうであれ、流されずに自分の生きたいように生きるというのがシンプルな解なのでしょうね。
  • ノスタルジア - 想像は終わらない

    引っ越す背中を強く押す 透き通った緋色の夕焼け 僕が歩いていたその道は 二度と戻らない道となる 借り物の街で見上げた星は 電車の窓に映った花火 めいっぱい腕を伸ばしても 決してこの手に掴めない 大洋ホエールズの帽子を被った 緑のクリームソーダのあの子 君は僕を覚えているかな 同じばかり履いていた 掃除をしない放課後のエース 僕は君を覚えているよ 新しい番号を書いた葉書 君に届かなかったのかな 電話が鳴り響くそのたびに 心を躍らせ走ったけど けっきょく声は聞けなかった 「また会えたら遊ぼう」と 君がくれたドンジャラの牌 とうとうゲームは成立しなかったね おーい おーい 僕は君を呼んでいる おーい おーい 過ぎ去った時間を呼んでいる ブルーハワイの扇風機 テレビの上で威張る東京タワー 君を想うとあの日が浮かぶ タブレットの魔法がなかった時代 「便利」は「距離」を超えなかった 手軽に素早く繋が

    ノスタルジア - 想像は終わらない
    minaminakun
    minaminakun 2017/07/22
    去るもの日々に疎し、ですね。関係が切れてしまっても、その人が自分に与えてくれた影響を抱えながら、生き続けているなあと思う瞬間もあります。
  • 答えてよ - 想像は終わらない

    僕はあなたを笑わない ずっと笑われてきたから 決してあなたを笑わない ねぇ もっと自由に踊ってよ 心置きなく 好きな円を描いて たとえ姿が見えなくても 背中に手を当てるから やりたいように息をして 僕はあなたをバカにしない ずっとバカにされてきたから 決してあなたをバカにしない ねぇ 感情をフィルターにかけないで 思ったことを口にして 雑踏が耳を貸さなくても あなたの声は 僕が聞くから 何処へでも飛んで行っていい 僕はあなたを縛らない 思うがままに振舞って あなたの帰る場所は いつだってここにある キッチンの灯りは消さないから 鍵穴は探さなくていいよ 立派になんてならなくていい 友達だっていなくてもいい 「普通」なんか捨てていい あなたが笑顔ならそれでいい ほら 夕の時間だ 好きだと言ってた唐揚げに アボガドとサーモンのサラダを付けたよ コーヒーはミルクだね? チョコレートも冷蔵庫に移し

    答えてよ - 想像は終わらない
    minaminakun
    minaminakun 2017/07/14
    受け止めてもらえるということ。受け止めてもらえる機会があるのに、自分を明け渡せないということ。
  • 西口ターミナルと後ろ姿 - 想像は終わらない

    緑奥駅の西口改札を出て左に進み、エスカレーターを避けて長いスロープを歩いておりる。 地面から天井まで伸びる透明な窓が続く、緩やかな斜面。 日が完全に沈みきった後、このスロープから大きなバスターミナルを眺めるのが好きだった。 程よい暗さが溢れた色を隠し、等間隔に並んだ白いライトがコンクリートを浮かばせる。光に縁取られた半円の中を回る緑のバスはどこか未来的で、煩わしい現実を程よくぼかす。 僕はいつも、この場所から彼女の後ろ姿を見ていた。 スロープを半分ほど過ぎると見えてくる小さな噴水は、僕らがいつも待ち合わせをしていた場所。 肩に届かない髪、手に持った真っ赤なケリーバッグ。ベンチに腰を下ろさず、立って空を見ている彼女の背中が鮮明に浮かぶ。 カネコさんは、とても優しい人だった。 (名前で呼んでよ) 2歳年上の彼女からは事あるごとにそう言われていたが、くだらない感情に押し負けていた僕は、結局、最後

    西口ターミナルと後ろ姿 - 想像は終わらない
    minaminakun
    minaminakun 2017/07/09
    縁はめぐり合わせ。人は適切なタイミングで適切な人と出会い、適切な影響を受けるのだと思います。そうして形成された、今の自分が全てなのだと思います。(自戒を込めながら)
  • いじめサバイバー - 想像は終わらない

    僕はサバイバー 生きるために背中を見せた いじめサバイバー 僕はサバイバー 立ち向かう勇気を持てなかった いじめサバイバー 僕は逃げた 生きていたいから 逃げ続けた 後ろを振り返らず 目を瞑りただ走った 出来るだけ遠くへ 手が届かないほど深くへ 追いつかれたくなかったから 要らないものは極力捨てた 先が見えなかったから 着の身着のままで 国を超えた ベットリと記憶に塗りつけられた 鮮明な痛みと悔しさ 対処する術が分からずに それらを怒りに変えて生きてきた 僕は僕の無くしたものを探している 殴られて抜けた歯は何処だ? 無理やり取られた金は何処にある? 家の鍵は? 剥ぎ取られた服は? 燃やされた髪の毛は? 割られた爪は? 青白くなる明け方に 何度もしつこく声を掛けるが 無くした時間は返事をしない シナリオを描く 赤い炎と銀の刃先 自尊心と虚栄心が 「復讐しろ」と心をつつく ダンベルを上げる 収

    いじめサバイバー - 想像は終わらない
    minaminakun
    minaminakun 2017/06/30
    何が(誰が)いいとか悪いとかの判断は別として、過去の出来事がヨシさんを形成したという事実。そして私がヨシさんの言葉から力をもらっているというのも事実。
  • 衝動は、ここにいる - 想像は終わらない

    クリップで留めた感情は 夜を越えない 湧き上がる衝動と会話がしたいから 柔らかいクッションは取っ払った 遠慮なく飛び込む刺激は たまに痛いほどだけど とにかく朝を迎えたかった 喜怒哀楽に 邪と欲 そのままの形で出てきた思いに 自分の全てをぶつけたい 頭を強く揺さぶる曲に 深く引き込まれる文章 ハッと心をえぐる絵に 過去を連れてくる写真 胸の内側が溢れたなら 下手なステップで床を滑ろう 記憶がうまく収まらないなら 意味もなくハイウェイを飛ばそう 何かが背中をつつくなら 家の周りをグルグル回ろう 仕事帰りに見つけた景色を 追いかけたっていいんだ 大丈夫 ご飯の支度が遅れるだけだ 絵が描けないから文字を書く 音が作れないからストーリーを創る 大声で気持ちを叫ぶ代わりに 毎日たくさん写真を撮るよ あなたのことが大好きだから 親しみを込めて「友」と呼ぼう なぁ 友よ 衝動は息をしているか なぁ 友よ

    衝動は、ここにいる - 想像は終わらない
    minaminakun
    minaminakun 2017/06/23
    衝動を表現することは、自分の生の証を残すことです。
  • 空ではなかった - 想像は終わらない

    「あれは空だ」 ずっと長い間 その言葉を信じてきた 当たり前のように植え付けられた常識を 疑った事なんてなかった 2017年 6月15日 遠く見上げた先にあるものは とてつもなく大きな手のひら 青く着飾っているけれど あれは空ではない 頭のおかしな人の裏にいるのは 誰だ コトを起こして恐れを引き出し 操ろうとしているのは 誰だ 目の前で繰り広げられる寸劇は 私が生まれて見てきたものと変わらない 思い通りにしたいから 殴る 他校の奴らから守ってやっていると ゆする 「お前らの為になる」と理不尽なルールを 作る 近いうちに抗争があると 煽る 「恐怖」という名の目隠しは 視界と思考を奪い取る 弱いものを叩くのが人の性ならば 喜んで人間を辞めよう 家族の形を定めるのなら 望んでその輪を抜けよう 戦争を放棄できないのなら 泣く泣く故郷を捨てよう もう 争いはたくさんだ 受けた暴力が残したものは 痛み

    空ではなかった - 想像は終わらない
    minaminakun
    minaminakun 2017/06/17
    6/15にケリがついた政治的な事柄のことなのか……と推察しながら読みました。私はノンポリですけど、どこに行くんだろうなあと心配になります。