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ブックマーク / hiko1985.hatenablog.com (3)

  • 宮﨑駿『君たちはどう生きるか』 - 青春ゾンビ

    宮﨑駿による『不思議の国のアリス』(もしくは宮沢賢治の童話)とでもいうような、イマジネーションの破茶滅茶なまでの躍動。『千と千尋の神隠し』以降の作品に見られた傾向がさらに押し進み、ストーリー・テリングとしては、明らかに混乱している。しかし、それは宮﨑駿の“世界”に対する誠実な態度であるように思う。シンプルで明瞭なストーリーで語り切れるほど、この複雑で暗澹たる現代は生易しくないし、そもそも人間というのはそんなに簡単なものではない。たとえば、この映画における主人公の父親。彼にいい印象を持つ観客は多くないだろう。転校初日に車で学校に乗りつけたり、子どもの喧嘩に介入したりするさまなどは、まさにエーリッヒ・ケストナーが『飛ぶ教室』で書いた大人への批判がそのまま当てはまる。 どうしておとなはじぶんの子どものころをすっかり忘れてしまい、子どもたちにはときに悲しいことたみじなことだってあるということを、あ

    宮﨑駿『君たちはどう生きるか』 - 青春ゾンビ
  • さくらももこ『コジコジ』 - 青春ゾンビ

    誰がなんと言おうと、『コジコジ』はラブコメなのである。いや、もちろん『コジコジ』のジャンルは一つに断定できるものではない。たとえば、「コジコジは哲学である」という論調はいまだに根強い支持を得ている。 コジコジだよ コジコジは生まれた時からずーっと 将来もコジコジはコジコジだよ 第1話に登場したこのフレーズが、流れを決定づけた。確かに『コジコジ』というのは、"実存"をめぐる物語なのだ。登場人物の誰もがそのアイデンティティが揺らいでいる。飛べない鳥泳げない魚の半魚鳥である次郎君、記憶喪失のブルガリア人のジョニー、天使なのに不細工な自分に悩む吾作、天使なのに神様の事を知らないルル、正月という行事への自信が揺らぐ正月君、「オレってなんで頭に花なんて咲いてるんだろう」と疑問を持つ頭花君、メルヘンの国になぜか存在する悪者のブヒブヒ、三日月の夜だけ容姿と性格が変貌してしまうスージー、自分達が漫画のキャラ

    さくらももこ『コジコジ』 - 青春ゾンビ
    mirai28724
    mirai28724 2019/05/04
    コジコジにハマる。
  • ラジオ「ハライチ岩井 フリートーク集」の凄味 - 青春ゾンビ

    突然ですが、2017年にリリースされた音源のベスト1が決定いたしました。「ハライチ岩井 フリートーク集」である。「ハライチのラジオがおもしろい」というのは何度も目にする文言でしたが、すでに放送が開始されているラジオ番組を新規で聞き始めるというのは、かなりのリテラシーが求められる。ラジオ番組の特有のグルーヴというか、ルールのようなものを飲みこまねばならないからだ。その点において、この「ハライチ岩井 フリートーク集」は、まさに導入にうってつけなのである。番組内の岩井フリートークのみが編集され、トークをトラックで区切りタイトルで管理、更にはトップ画にタイムスケジュールまで記載してくれている。まるで1枚のアルバムを聞くようにして楽しめる。 1曲目の「電車」を試聴さえすれば、それ以降のトラックに耳をふさぐのは難しいだろう。岩井の淀みのない流暢な喋りとその声質の良さ、巧みな情景描写とオチに向けての緻密

    ラジオ「ハライチ岩井 フリートーク集」の凄味 - 青春ゾンビ
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