俳優を目指して上京した福正大輔さんは、誰にも言えない「秘密」を隠しながら生きてきました。しかし、自分にも周囲にもウソをつき続ける人生に終止符を打つことを決意します。その理由はーー。 取材に応じた福正大輔さん(撮影・吉田緑) 「俳優になりたい」。そんな夢を抱き、18歳で広島県呉市から上京した福正大輔さん(41)は、桐朋学園芸術短期大学で演劇を学んだ後、芝居の世界に飛び込んだ。 立ちはだかる厳しい現実。先の見えない不安に押しつぶされそうになる日々。性行為、薬物、アルコールに走り、気づけば「刹那的に生きている」自分がいた。 ゲイであること、HIV陽性であること、覚醒剤を使っていること。世間に言えない「秘密」を隠しながら、ウソをつき続ける毎日は孤独だった。 福正さんはそんな過去をカミングアウトし、舞台演出家、俳優、福祉・心理職、大学院生などとしてマルチに活動している。舞台から降りて衣装を脱ぎ捨て「