■鉄の技術は東高西低 子供の頃、科学技術では日本は欧米にはかなわないと教えられた。歴史年表をみれば明らかで、言うまでもない。16世紀、ヨーロッパ人たちは遠くアメリカ大陸やアジアまでやって来て、町や村を荒らし回り、植民地にした。原因は白人だけがもつ「命知らずの冒険遺伝子」にあるが、大砲とガレオン船もこれに劣らず重要である。ここで、「命知らずの冒険遺伝子」はものの喩えではなく、実在する遺伝子である。 当時、アジアの貧弱な船では、太平洋や大西洋を航海するのはムリだった。その頃、インド商人やイスラム商人はヨーロッパとアジアを結ぶ交易を行ったが、陸地を見ながら陸沿いに航海したのである。太平洋のど真ん中を突っ切ったわけではない。そんな大技ができるのはヨーロッパのガレオン船ぐらいだった。 また、ヨーロッパ人が大砲をぶっ放せば、アジア人は蜘蛛の子を散らすように逃げ去った。少なくとも、近代から現代の歴史では