荒井由実「雨の街を」の私的イメージ 「雨の街を」 この曲の出だしは、 夜明けの雨はミルク色 静かな街に ささやきながら 降りて来る 妖精たちよ (荒井由実「雨の街を」より。以下同じ) という少女チックな歌詞だ。 しかし、メロディの付いた曲を聴くと、しっとりとした憧憬のある世界になる。多分、歌詞を目で追っただけでは伝わらないのだ。 そして、 垣根の木戸の鍵をあけ 表に出たら~ どこまでも遠いところへ 歩いてゆけそう の部分は、別の世界へ誘う「緑の扉」のようだ。 この頃よく聴いていた長谷川きよしの「心のままに」にも似た感じがあったが、この曲の方が憧れを誘った。 ところで、自分は昔都心まで2時間余りの遠距離通勤をしたことがある。夜明け前に家を出ると駅に着く頃に空が白み、駅前商店街の街灯が一つ一つ消えていく。そんな時この曲の3番目の歌詞を思い出した。 夜明けの空はぶどう色 街のあかりを ひとつひと