イスラエルの軍事占領下に置かれ続けているパレスチナ。自治権が認められているはずにもかかわらず、イスラエル軍による不法な抑圧状況が続き、人々の生活は厳しさを増している。こうした状況を背景に、生協パルシステムではパレスチナの人々を支援するため、オリーブオイルを扱ってきた。しかし、そのオリーブオイルの出荷団体の職員が、2017年5月にイスラエル軍によって突然逮捕・拘禁されるという事態も起きている。現地は一体どんな状況なのか。国連職員としてパレスチナに赴任した経験を持ち、自らを“人権野郎”と呼ぶ人権問題の専門家・髙橋宗瑠さんに伺った。 今も「占領下」にあるパレスチナ ――髙橋さんは、2009年から2014年まで、国連人権高等弁務官事務所のパレスチナ事務所に赴任されていました。まず、そこではどんな活動をされていたのか教えてください。 髙橋 私がパレスチナ事務所に赴任したのは2009年3月で、2008