ブックマーク / courrier.jp (214)

  • 仏紙の疑問「日本では“機会の平等”が失われたのに、どうして階級や格差があまり認識されないのか」 | 日本人はもう「みんな中流」ではない

    生まれる家庭の経済状況や環境によって人生が決まるという、「親ガチャ」という言葉が若者に使われるようになった。日ではそれほど階級が固定し、格差が広がりつつあるのに、その対策が進まないのはなぜなのか、フランス国立社会科学高等研究院の教授セバスチャン・ルシュヴァリエが、仏紙「ル・モンド」に寄稿した。 世界で広がった所得格差 この30年間で、OECD諸国では所得格差が著しく拡大した。社会的な階級間を人々が移行する、社会的流動性も下がった。それゆえに、各国では不満が高まり、国家機関への信頼も揺らいでいる。 所得の不平等に関するさまざまな調査もおこなわれている。しかし、そこで算出される統計的なデータと、国民の実感には必ず乖離がある。これも制度への信頼をより低下させる要因になっている。 政府は格差を削減するための政策を打ち出してきた。しかし、それらは人々から支持されにくい。支持されない理由は主に、政府

    仏紙の疑問「日本では“機会の平等”が失われたのに、どうして階級や格差があまり認識されないのか」 | 日本人はもう「みんな中流」ではない
    nenesan0102
    nenesan0102 2023/03/20
    日本人って公正世界仮説好きだよね。だからしんどいのは自己責任になる。
  • 20年前から裸足で生活する男性「足裏で大地を感じていると、すべてを楽にこなせるようになりました」 | 他人と違う生活をして何が悪い

    数年前、ジョーゼフ・デルーヴォ・ジュニア(59)は高級スーパーに立ち寄り、卵だけを買ってすぐに出ようとした。しかし乳製品コーナーで店長に制止され、こう声をかけられた。 「を履いていませんが」 店長の指摘通り、デルーヴォはを履いていなかった。というより、彼は普段からほとんどを履かない。 店長は保健衛生基準を持ち出した。デルーヴォが、法には触れていないと突っぱねると、保険契約に引っかかるなどと言葉を濁した。これに対してデルーヴォは、「裸足よりハイヒールのほうが、けがをする人がはるかに多いじゃないか」と言い返した。 しびれを切らした店長はついに、「あるお客さまから苦情が寄せられています」と言ってきた。 「お引き取りください」 デルーヴォがを履かなくなったのは、外反母趾がひどく痛むからというのがそもそもの理由だったが、いまや裸足で過ごすのは身体的な理由を超えている。彼は、人々が見知らぬ他人

    20年前から裸足で生活する男性「足裏で大地を感じていると、すべてを楽にこなせるようになりました」 | 他人と違う生活をして何が悪い
    nenesan0102
    nenesan0102 2023/03/19
    スティーブ・ジョブズも同じことやってて、知人がそれの真似してた
  • ロシア反体制派の英雄ナワリヌイが獄中から語る「ロシアの未来にまつわる15の原則」 | 「われわれはいま、どん底にいる」

    ロシアによるウクライナ侵攻開始から1年を機に、ロシア反体制派のリーダーで服役中のアレクセイ・ナワリヌイが、現在の戦争について、また戦後ロシアをどうすべきかについて、自身の政治綱領を発表。その「15の原則」を、ロシアの独立系メディア「メドゥーザ」が紹介している。 アレクセイ・ナワリヌイは、ロシアの体制を公然と批判してきた活動家だ。2018年には、ウラジーミル・プーチンと争うべくロシア大統領選に出馬を表明したこともある。 2020年には、何者かによる毒殺未遂で昏睡状態に陥り、ドイツで療養。2021年1月に帰国直後、拘束され、過去の詐欺事件に関して禁錮2年8ヵ月の実刑判決を受けた。 2022年3月には、その刑期を9年へと大幅に延長する判決が下され、5月に控訴するも棄却されている。 「メドゥーザ」は2014年に設立され、ラトビアを拠点に活動しており、ロシアで最も読まれているニュースサイトのひとつだ

    ロシア反体制派の英雄ナワリヌイが獄中から語る「ロシアの未来にまつわる15の原則」 | 「われわれはいま、どん底にいる」
  • 先進国の出生率低下の要因として見落とされているのは「男性」だった? | 「『適切な』男性が不足している」

    「『適切な』男性が不足している」 少子化について語られるとき、その要因に挙げられるのは、たいてい「女性」である。女性の権利や教育レベルの上昇、社会進出、より多くの選択肢など。女性の社会的立場や行動の変化と結びつけられて語られることが多い。 特に、女性の教育レベルの上昇と出生率の低下に相関性があることは、たびたび指摘されてきた。 一方で、「男性の教育レベルの上昇が出生率にどのように影響するかについては、ほとんど語られていない」。 米紙「ニューヨーク・タイムズ」のコラムニストで、出生率について連載しているジェシカ・グローズは、「先進国で出生率が低下していることに関する『男性の要因』については、充分な研究も議論もされていない」と指摘している。

    先進国の出生率低下の要因として見落とされているのは「男性」だった? | 「『適切な』男性が不足している」
  • 出生率を改善させる政策はない…各国の過去数十年のデータから見えてきたこと | 北欧でさえ少子化を脱却できず

    手厚い少子化対策で知られるスウェーデンでさえ… 約20年前、オーストラリア政府は、ピーク時に子供1人あたり約6000ドル(約79万円)に相当する現金を支払う「ベビーボーナス」プログラムを試みた。 キャンペーンが開始された2004年当時、国の出生率は女性ひとりあたり約1.8人だった。 このプログラムにより、2008年までに出生率は約2.0まで上昇したが、プログラムが終了してから6年後にあたる2020年までに、数値は1.6まで低下。つまり、プログラムが最初に導入されたときよりも下がった。

    出生率を改善させる政策はない…各国の過去数十年のデータから見えてきたこと | 北欧でさえ少子化を脱却できず
  • 「現代の子育ては以前より大変になっている」ことが最新調査で明らかに | より多くの時間とお金を子供に費やす親たち

    仕事を持つ傍ら、以前の世代の親よりも子供との時間を持とうとする現代の母親は強いプレッシャーを感じている。そして実際に、子育ては昔よりも大変な仕事になっているというのだ。 米国の親たちは、育児が予想よりもはるかに大変だと感じている。これは、「ピュー研究所」による最近の大規模な調査で明らかになった。そして、彼らがただそう感じているだけでなく、実際に子育ては昔よりもきつい仕事になっていることが、さまざまな調査の結果でわかっている。 この米国人の親3757名を対象とした最近の調査によれば、18歳以下の子を持つ親の10人に8人が、育児に関わる時間の大半、あるいは全部を楽しくてやりがいがあるものと感じている。しかし、全体の3分の2は思っていたよりも大変だとも回答している。「思っていたよりずっと大変である」という回答もここに含まれているが、そう答えたのは母親の3分の1にのぼっている。 この結果は、ほかの

    「現代の子育ては以前より大変になっている」ことが最新調査で明らかに | より多くの時間とお金を子供に費やす親たち
  • 英誌が警鐘 安倍を殺した「ダークヒーロー」山上に続く者が現れるだろう | あまりにも効果的だった政治的暴力

    2023年1月13日、安倍元首相を殺害した山上徹也容疑者は、殺人と銃刀法違反の罪で起訴された。しかし、そんな彼を擁護する声が日各地から上がっている。そんな状況に英誌は驚き、今後の日について危惧している。 暗殺者・山上を支持する日人 日映画『Revolution+1』は、2022年7月に安倍晋三元首相が殺害された際の実際の映像で始まる。その不鮮明な映像は、奈良で街頭演説をする安倍の背後から、手製の拳銃を構えた山上徹也が近づいていったときのものだ。 安倍元首相銃殺の実行犯山上容疑者をモデルにした映画『REVOLUTION+1』の予告篇 この映画は、「川上」という主人公を同情的に描く。その男の経歴は、実際に安倍を殺した犯人と酷似している。父親は同じように自殺し、母親はカルト集団である旧統一教会に入れ込んでいた。

    英誌が警鐘 安倍を殺した「ダークヒーロー」山上に続く者が現れるだろう | あまりにも効果的だった政治的暴力
    nenesan0102
    nenesan0102 2023/02/06
    あべちゃん事件の時も書いたけど、日本会議がやりたいのは戦前への回帰で。そうなったらそりゃ2.26みたいな事になりますよねとしか思えなかったよね。
  • 退職は夢のまた夢… 働かざるを得ない日本の高齢者たちの「厳しい老後」 | 生きるためには働くしかない

    世界のどこよりも急速に高齢化が進む東アジアの国々では、若い世代が減少する一方、70歳を超えても働かざるを得ない人が大勢いる。彼らの厳しい暮らしぶりと高齢者を取り巻く労働市場を、米紙「ニューヨーク・タイムズ」が取材した。 オオナミ・ヨシヒトの望みはただ一つ、仕事を辞めて疲れ切った体を休めることだった。 だがそうする代わりに、73歳のオオナミは毎日深夜1時半に起床し、車で1時間かけて東京湾に面した青果市場へ向かう。キノコ、ショウガ、サツマイモ、ダイコンなどの野菜を車に積み込む過程で、7キロくらいある箱を持ち上げることもしょっちゅうだ。腰には相当な負担がかかる。 それが終わると、都内を車で走り回り、レストランへの配達をこなす。回るのは1日に多くて10軒ほどだ。 ある朝、彼はクリップボードでその日の注文を確認しつつ、市場をせかせかと歩きながらこう言った。「体がいうことを聞く限り、働き続けなくてはな

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    nenesan0102
    nenesan0102 2023/02/04
    以前タクシーに乗ったアナウンサーがまったく違う場所のフジテレビに連れて行かれた事件あったよね。高齢者が働くってそういうのが多発するんだろうなと思うんですよね。認知力や処理能力が落ちた人が働く恐ろしさ
  • 遺伝も性別もタブー… 進化生物学者が危惧する「左派からの科学への攻撃」 | ダーウィンもメンデルも“キャンセル”されてしまうのか

    ──ダーウィン主義の生物学者のあなたは、宗教右派と論争してきました。しかし、左派に対して警鐘を鳴らすようになったのはなぜでしょうか? もともとの私の論敵は、創造論者、反ワクチン主義者、気候変動懐疑論者です。細かく言うと、アメリカ人の半数以上が創造論者であり、そのうちの40%が聖書の字義通りの創造を信じ続けています。33%は、人間は何百万年もかけて進化したと考えていますが、その進化も神の導きだと思っています。「インテリジェント・デザイン」論(註:何らかの知性ある存在が宇宙や生物の発生に介在したとする理論)に通ずる考え方です。 進化論を信じるアメリカ人、つまり、進化は神と何も関係がないと考える人々は22%しかいません。ただ、創造論はすでに大学からは駆逐され、公教育で創造論を教えてはならないとする判決が最高裁で出ています。最高裁の保守化でどう変化するかはわかりませんが……。 いまのところ、この戦

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  • カニバリズム解説─人が人肉を食べるのは「愛の行為」でも「医療」でもあった | それは好みの問題だけではなかった

    カニバリズム(共い)は、自然界ではそれほど珍しくない。だが、人間の共いとなると、なぜか別の意味を帯びることになるようだ。イスラエル紙「ハアレツ」の考古学記者が、「人」の人類史を概観する。 動物界ではカニバリズムは珍しくない 全体主義的な生き物であるアリのなかには、共いで集団の規模をコントロールする種もあれば、「使えない」と判断された個体をべる種さえある。状況が厳しくなり、糧が乏しくなると、アリのコロニーは幼虫に手を出す。 極限状態での家族内の共いは、他のさまざまな動物でも観察されている。たとえば、ストレスを感じているときに子孫をべる行為は、クマから鳥や魚に至るまで、あらゆる動物種のあいだで見られる。 ハムスターやクマなどの動物は、不安になったり、飢えたりしたときに、子孫をべることがある。あるいは、死産した子供や虚弱な子供をべることもある。この行為には、母体を次の繁殖マラ

    カニバリズム解説─人が人肉を食べるのは「愛の行為」でも「医療」でもあった | それは好みの問題だけではなかった
    nenesan0102
    nenesan0102 2023/02/01
    人体には人が必要とする栄養素のほぼすべてが含まれると言うのは有名な話で、日本でも江戸時代には漢方薬として人体から生成された丸薬とか、陰茎とかを使っていた。単純なカニバリズムかというと難しいが
  • 人はいつ、なぜ「マインドワンダリング」するのか─さまよう心の科学 | 「心の迷走」を研究して四半世紀の心理学者に聞く

    何か単純作業をしているとき、気づけば「心ここにあらず」だったという経験に心当たりはないだろうか。「マインドワンダリング(心の迷走)」と呼ばれる人の心理状態を長らく研究してきた心理学者に、科学的知見を一般向けに伝えるメディア「ノアブル・マガジン」が聞く。 「アニュアル・レビュー」のデジタルメディア「ノアブル・マガジン」に掲載された記事を許可を得て翻訳・掲載しています。 心理学者のジョナサン・スモールウッドが四半世紀ほど前に、マインドワンダリング(心の迷走)について研究しようと決めたとき、それを妙案と思う仲間はほぼいなかった。 人が身の回りのことや目の前の作業に注意を払うのをやめたときに自ずと生じる気まぐれな思考など、どう研究できるというのか。そうした思考は、測定可能で、目に見える行動となんら関連しえないというのに。それでも、スモールウッドは研究を進めた。 その研究では、被験者におそろしく退屈

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  • 外国人にはもう不動産を買わせたくない スペインで検討が進む「投資への対抗策」 | 住宅価格の高騰は外国人のせい?

    地元住民が追い出されて「ゴースト・ビレッジ」に リゾート地として人気のスペインのバレアレス諸島。マヨルカ、メノルカ、イビサ、フォルメンテーラ、カプレラの5つの島で構成されており、どの島もその美しさから「楽園」として人気を博しているが、近年、住宅価格の高騰が深刻化している。 それにより地元住民が追い出され、空き家だらけの「ゴースト・ビレッジ」が形成されるなどの問題が起きており、バレアレス諸島当局は、非居住者による不動産の購入を禁止する意向を示している。 英紙「ガーディアン」によれば、当局はカナダの「外国人による投資目的の不動産購入を禁じる新法」に続こうとしているという。カナダは2023年1月より、移民や永住者を除き、外国人が投資目的で住宅不動産を購入することを向こう2年間原則禁止とする新法を施行している。

    外国人にはもう不動産を買わせたくない スペインで検討が進む「投資への対抗策」 | 住宅価格の高騰は外国人のせい?
  • 英国秘密情報局「MI6」女スパイたちの知られざる生活を覗いてみたら | 映画『007』の世界とは別物

    街が目覚めはじめた薄暗い朝、私のスパイ養成機関への旅は始まった。ロンドン中心部のとあるランドマークで連絡相手と落ち合うよう指示されただけで、どこへ向かうのかは知らなかった。車、船、電車と乗り換えながら到着したのは、英国秘密情報局(SISの呼称で知られる海外諜報機関。通称MI6)の情報部員が諜報技術を学ぶ場所だった。どんな施設かは書けない。巨大で殺風景で、身を切る寒風に目が潤んだ、とだけ言っておこう。 ウェーブした金髪のショートヘアの小柄な女性がエントランスに立ち、朗らかに出迎えてくれた。不気味で陰気な建物に不釣り合いなほど明るい笑顔の女性はキャシーと名乗った。世界中で諜報活動にあたるMI6の情報部員や工作員の総責任者だ。キャシーの案内で、道路しか見えない風景を見下ろす大きな窓の横に並んだアームチェアのひとつに座った。 キャシーはMI6に就職が決まったとき、母親から「こんな奇妙でおかしな仕事

    英国秘密情報局「MI6」女スパイたちの知られざる生活を覗いてみたら | 映画『007』の世界とは別物
  • 英紙がドラマ『舞妓さんちのまかないさん』を絶賛!「空腹なら見てはいけない」 | 食べ物と友情「現代のおとぎ話、優しいタッチ」

    ネットフリックスで配信中のドラマシリーズ「舞妓(まいこ)さんちのまかないさん」が英紙「ガーディアン」のレビューコーナーで「かなり素敵な作品」と絶賛されている。さらにこの記事には多数の読者コメントも投稿された。 日人でも敷居の高い京都の花街を舞台とするドラマだが、英紙とその読者の心を捉えた理由はどこにあるのだろうか。 「見逃すには惜しい作品」 同作は、同題の漫画が原作で、海外でも知名度が高い是枝裕和が総合演出・監督・脚を務めている。英題は「The Makanai: Cooking for the Maiko House」。

    英紙がドラマ『舞妓さんちのまかないさん』を絶賛!「空腹なら見てはいけない」 | 食べ物と友情「現代のおとぎ話、優しいタッチ」
    nenesan0102
    nenesan0102 2023/01/22
    マジか…知人(現役芸妓)が出ているわ、見てない
  • 米紙の疑問「悪名高い掲示板『4chan』の管理人“ひろゆき”はなぜ日本で人気者なのか」 | 厳格な規則に抑圧を感じる若い人々の心を掴んだ

    米国に、陰謀論や人種差別、さらには銃乱射事件などを引き起こす“問題のWebサイト”がある。旧「2ちゃんねる」開設者のひろゆきが管理人を務める、英語圏最大の匿名掲示板4chan」だ。 米紙「ニューヨーク・タイムズ」が「ひろゆきは、日の若者の不満の声を代弁し、スターになっている」と報道。海外から、彼はどう見えているのだろうか。全訳を掲載する。 ひろゆきが語ろうとしないこと 日社会の欠点に意見を述べる彼のソーシャルメディアは、何百万人というフォロワーを集める。日最大級のファッションショーのランウェイに現れたかと思えば、政府作成の動画に出演して人々に個々の財政への注意を促す。ある全国調査では、高校生が選ぶ総理大臣候補の第一位もこの人物である。 日の厳格な規則に抑圧を感じる若い人々の心を掴んだ西村博之は、日国内では驚くほどの有名人だ。有名実業家、作家、コメンテーターとしていたるところに顔

    米紙の疑問「悪名高い掲示板『4chan』の管理人“ひろゆき”はなぜ日本で人気者なのか」 | 厳格な規則に抑圧を感じる若い人々の心を掴んだ
  • 経済学者・宇沢弘文が唱えた「社会的共通資本」が再注目される理由 | 長女・占部まりから見た父の人間像

    1960年代、高度経済成長期のさなかで“行き過ぎた資主義”に警鐘を鳴らしたのが経済学者の宇沢弘文だ。ノーベル経済学賞を受賞したジョセフ・スティグリッツを指導したことや、1991年には当時のローマ法王ヨハネ・パウロ二世より依頼を受け、回勅のアドバイザーとしてバチカン市国に赴いたことでも知られる。環境税、とくに格差是正を目指した比例型炭素税の導入をいちはやく説いたのも宇沢だった。 宇沢が提唱したのが「社会的共通資」という考え。人々の暮らしにおける必需品やケアの分配を市場競争に委ねるのではなく、それらが共同体に平等に行き渡るような“人間・環境中心型”のシステムを構築すべきだと彼は訴え続けた。 経済成長こそが正義だと見なされた当時、宇沢が感じていた違和感とは何だったのか。宇沢の長女、占部まりが解き明かす──。 占部まり 内科医・宇沢国際学館代表取締役。日メメントモリ協会代表理事。日医師会国

    経済学者・宇沢弘文が唱えた「社会的共通資本」が再注目される理由 | 長女・占部まりから見た父の人間像
  • 「ユダヤ教」はいつ生まれたのか? 新説を提示したイスラエルの考古学者に聞く | 「聖書に書かれていることだって、必ずしもそうとは限らない」?

    ユダヤ教はいつ生まれたのか? 伝承によれば、3000年以上も前にシナイ山で生まれた。聖書の最初の五書である律法(トーラー)に収められている十戒とその他もろもろの法を、神がモーセに授けたときだ。 大方の研究者はずいぶん前から、「出エジプト」とシナイ山での啓示を創設神話として片づけてきた。そのため、この最初の主要な一神教がいつ、どのように生じたのかという問いが残されている。さていま、その問いにまつわる新説が学界に衝撃を与えている。 紀元前2世紀になるまで、古代ユダヤ人が律法を守っていた、あるいはそもそも知っていたという歴史的・考古学的な証拠はないことが大規模な再調査からわかったと言うのは、イスラエルのアリエル大学で考古学を研究するヨナタン・アドラー教授だ。米イェール大学出版局から出版されたばかりの『ユダヤ教の起源』(未邦訳)の著者でもある。 そこから示唆されるのは、われわれがいま知るユダヤ教が

    「ユダヤ教」はいつ生まれたのか? 新説を提示したイスラエルの考古学者に聞く | 「聖書に書かれていることだって、必ずしもそうとは限らない」?
  • なぜいま海外で日本のマンガが爆発的に売れているのか? 欧米の出版関係者が語る“その熱狂” | アメリカでは成長率トップのカテゴリーに

    いまや世界中で親しまれている日のマンガだが、とくにここ数年、欧米でその販売数が飛躍的に伸びている。日のマンガはいかにして世界のメインストリームとなったのか、英紙「ガーディアン」が現地の関係者たちを取材した。 どれも「1巻」がない! 12歳になる娘の誕生日プレゼントを探すため、私はランチタイムに大型書店のウォーターストーンズに向かった。娘のための選びはうまくいったためしがないので、20代の書店員におすすめを尋ねると、マンガのコーナーへ案内してくれた。 「面白いわよ。右のページから左へ読んでいくの。娘さんも気に入ると思うわ」と言われた。「社会不安症の高校生を描いた『古見さんは、コミュ症です。』なんかいいかも。でなければ、ダークファンタジーの『東京喰種 トーキョーグール』は? 対象年齢が少し上だけど、10代の子はそのほうが喜ぶから」 だが、2人で棚を探してみると──なんと、4つの棚がまるま

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  • 13歳でナチスから逃れ、95歳で伝説のホテルを経営する女性の数奇な人生 | ヘミングウェイもボブ・ディランも滞在したボヘミアンな宿

    ナチスの手を逃れ、ニューヨークにたどり着いたユダヤ人の少女は、紆余曲折を経てマンハッタンにある古いホテルのオーナーになった。95歳になったいまも経営に携わるその女性を、米紙「ニューヨーク・タイムズ」が取材した。 「ホテル・アール」に引っ越しても構わないか──1980年のある夜、リタ・ポールは夫のダニエルにそう尋ねた。 そのホテルは、ニューヨークはマンハッタンのダウンタウンにある、グリニッチビレッジのウェーバリー通りとマクドゥーガル通りの交差する角に立つ。 それはさほど奇妙な頼みごとでもなかった。ポール一家は1973年から、当時すでに築70年だったアールを所有していた。アールは、ポール家が手に入れる頃にはすでに、飾り気のない居住用ホテルから幅広い客層を引き寄せる型破りな隠れ場へと発展していた。 リタ・ポールは自分の隠れ場として、4階にあるつながった4室に目をつけていた。「当時は空室がたくさん

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  • 重度のうつ病にマジックマッシュルームの「サイロシビン」が効く? | 最大規模の臨床試験で「抜群」の結果

    マジックマッシュルームに含まれる幻覚作用のある化合物サイロシビンが、心理療法と併用されれば、重度のうつ病を緩和するのに役立つかもしれないことがある臨床試験で示された。既存の抗うつ剤が効かなかった人にとっては、期待が高まる結果だ。 被験者となった重度のうつ病患者たちのなかで、サイロシビン25ミリグラムが入ったカプセルを1錠服用したのちに、心理療法を複数回受けた被験者の3分の1近くが、すみやかな寛解を示したと研究者らは述べている。この心理療法の目的は、患者がうつ病の原因やありうる解決策を見出す手助けをすることだという。 うつ病に対するサイロシビンの効果を見るものとしてはいまのところ最大規模であるこの臨床試験の結果は、「抜群」だった──そう評するのは、欧米22ヵ所で実施されたこの試験を主導したメンタル・ヘルスケア企業「コンパス・パスウェイズ」最高医療責任者のガイ・グッドウィン教授だ。 治療抵抗性

    重度のうつ病にマジックマッシュルームの「サイロシビン」が効く? | 最大規模の臨床試験で「抜群」の結果