「そんなことやったからでしょうね、市民運動家って言われるようになって。気持ちの上では、運動家じゃないんです、女優ですと言いたいんですが……」とため息をつくのは木内みどりサン(66)。実は彼女、集会で頻繁に司会を務めることから、脱原発のマドンナ的存在になっていた。が、その胸中は意外なことに……。 *** 「海外の俳優さんが時に社会的な発言をするでしょ。あれと同じなんですけどね」 彼女が“脱原発”に関わる契機は、2011年3月に起きた東日本大震災と原発事故だった。 「私自身人生が変わったという思いがありまして。で、何かをしなくてはと思い立って、事故から4カ月ほど経った頃、明治公園から代々木公園まで練り歩くデモに初めて参加しました。知り合いもいないし、ただ独りで俯いて歩くだけでした。 そのうち“木内みどりさんでは?”とばれてしまい、『グループに入って』『呼びかけ人になって』と声をかけら