ブックマーク / jidobungaku.hatenablog.com (22)

  • マフィアを生み出してるのは、えっ、私たち!? - Pocket Garden ~今日の一冊~

    『列車はこの闇をぬけて』 (2017年)ディルク・ラインハルト作 天沼春樹訳 徳間書店 毎週月曜日の19時~21時頃に投稿しています♪ Facebook『大人の児童文学』ページもよかったら ひっそりInstagramも気まぐれ更新 はああああ、今日の一冊はですね、内容はとても重いというか、もう苦しくて苦しくて。でも、疾走感やリアリティがはんぱなく、一気読みした一冊。 こういう限りなく絶望に近い現実を生きている子どもたちが、今もいることが、信じがたい。でも、現実。そして、その現実を生み出しているのに、私たちも関係しているということの衝撃よ。これを子どもたちに読ませるの?うーん、まずは大人こそ読まなければいけない一冊でした。この社会問題を生み出しているのは大人。 『列車はこの闇をぬけて』あらすじ 米国に働きに行ったきりの母さんを追って、14歳のミゲルは故郷グアテマラを出て、メキシコに向かう。メ

    マフィアを生み出してるのは、えっ、私たち!? - Pocket Garden ~今日の一冊~
  • 人間の弱さ、愚かさ、そして希望 - Pocket Garden ~今日の一冊~

    『嘘の木』(2017年)フランシス・ハーディング著 児玉敦子訳 東京創元社 ※ 毎週月曜と金曜の週2回更新 → 月曜日の週1更新に変更 Facebook『大人の児童文学』ページもよかったら♪ ひっそりInstagramも気まぐれ更新 今日の一冊は、タイトルに惹かれたコチラ。 うわぁ、こ・れ・は!!!秀逸な物語でした!今年読んだ中でベスト5に入る勢い!(今年まだ半分しかたってないけど、そんな予感。そのくらい好き) いわゆるダークファンタジーという類らしい。個人的にはダークファンタジーって好みじゃないので、自分からは手に取らないんですよね。ところが、ところが。私、実はダークファンタジー好きなのかもしれない。いや、フランシス・ハーディングのもものが好きなだけかもしれないけれど、とにかく引き込まれて一気読み!ページをめくる手が止まらない。それでいて、読み終わってしまうのがモッタイナイ気がして、残り

    人間の弱さ、愚かさ、そして希望 - Pocket Garden ~今日の一冊~
  • 忘れられない一文 - Pocket Garden ~今日の一冊~

    『お嬢さん放浪記』(2018年)犬養道子作 角川文庫 ※毎週月曜・金曜の19時~21時の間に更新中! (できるだけ19時ジャスト更新!ムリだったら、21時までに更新笑) Facebook『大人の児童文学』ページもよかったら♪ ひっそりInstagramも気まぐれ更新 今日の一冊はコチラ! 大好きで、学生時代にもう何回読み返したことでしょう。 私が読んだのは、中公文庫版でしたが、今は角川文庫なのですね。 中公文庫版は、赤い表紙が不穏な感じで、なぜこの表紙?と印象的だったなあ。そして300円でした(時代!笑)↓ 中公文庫版 さて、内容はというと、 戦後まもない頃に日中を虜にした、時代を切り開いた女性の欧米滞在記! 1948年、米国に留学中だった著者は、サナトリウムで療養しながら「起業」し、そのお金でヨーロッパに旅立った――。渡航が難しい時代に世界を渡り歩いた女性が残した、驚きと発見溢れる旅文

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  • 思春期に読みたい珠玉の短編集 - Pocket Garden ~今日の一冊~

    『真夜中の電話』(2014年)ロバート・ウェストール著 原田勝訳 徳間書店 ※毎週月曜・金曜の19時~21時の間に更新中! (できるだけ19時ジャスト更新!ムリだったら、21時までに更新笑) Facebook『大人の児童文学』ページもよかったら♪ ひっそりInstagramも更新中 前回に引き続き、今回もウェストール! 今日の一冊は、大人はもちろん、思春期(特に男子)に差し出したい短編集。 短編集ってあまり普段読まないのですが、ああ、ウェストールは好きだなあ。 人間の負の部分も割と描くから、読んでいて“人生楽しい!最高!”とはならないんだけれど、思春期ってそういう世界もきちんと見せないと、“きれいごとばっかり......”と感じがち。だからか、ウェストール読むと“うんうん、分かってる~”、ってなる気がするんですよね。 特に思春期男子におススメと書きましたが、男子の気持ちが分からない女子や女

    思春期に読みたい珠玉の短編集 - Pocket Garden ~今日の一冊~
  • 短いクリスマスの物語3選 - Pocket Garden ~今日の一冊~

    クリスマスのあたたかい空気が好き 早いもので、もうすぐクリスマスです! クリスマス商戦はにぎやかすぎて 苦手なのですが、神聖で静謐な来のクリスマスは大好きなんです。 でね、クリスマスに読みたい特集をしようと思ってたのですが、今から読むにはもう間に合わないじゃないですか(笑)。 たあくさん、あるんですよ、クリスマスに読みたい。ご紹介したい。でも、大人にとっては一番忙しい時期で、間に合いそうもないから、すぐに読める短くて、でも素敵なを厳選してご紹介(毎年同じこと言ってる気もする笑)。 まずは、コチラ! 古典的な児童文学好きにはたまらない物語。短いけれど、心温まります。大家族も大家族!なんと10人家族なんです。でも、長男の行方不明の知らせが来て......というもの。当の豊かさとは何かと考えさせられます。 過去記事より ↓ blog.goo.ne.jp お次は、ロバート・ウェストール

    短いクリスマスの物語3選 - Pocket Garden ~今日の一冊~
    oljikotoushi
    oljikotoushi 2021/12/21
    どれも読んでみたいです!本当に12月は忙しいですよね💦
  • 素朴だけれど胸を打ち、心洗われる - Pocket Garden ~今日の一冊~

    『海辺の町から』(1985年)佐藤州男作 理論社 ※毎週月曜・金曜の19時~21時の間に更新中! (できるだけ19時ジャスト更新!ムリだったら、21時までに更新笑) Facebook『大人の児童文学』ページもよかったら♪ 今日の一冊はコチラ。 これは、誰かに紹介してもらわないと、もはや出合えないかも。 絶版ですし、図書館でも閉架(書庫にあって表に出てない)状態。だから、紹介します!!!←謎の使命感。 ああ、出合えてよかったなあ。素朴だけれど、こみあげるものがあって、電車の中では読んではいけないタイプの物語。昔、なつかしい1900年代後半の理論社感満載です。『ぼんぼん』とか『兎の眼』『太陽の子』などの理論社大長編シリーズ。手元に置きたいから古書で手に入れよう。 このを私が知ったきっかけは、友人がご縁で知り合ったさとこ先生のブログで紹介されていたからなんです。教え子の小5タクヤくんが、好奇心

    素朴だけれど胸を打ち、心洗われる - Pocket Garden ~今日の一冊~
    oljikotoushi
    oljikotoushi 2021/11/17
    読んでみたいです!
  • 母ちゃんラジオのススメ - Pocket Garden ~今日の一冊~

    『名探偵カッレ 城跡の謎』(2019年)アストリッド・リンドグレーン作 菱木晃子訳 岩波書店 ※毎週月曜・金曜の19時~21時の間に更新中! (できるだけ19時ジャスト更新!ムリだったら、21時までに更新笑) Facebook『大人の児童文学』ページもよかったら♪ 今日の一冊は新訳になって再登場したコチラ! 小学生の頃、リンドグレーンが大好きで、このシリーズも夢中になって読んだ覚えがあります。でも、“面白かったー”ということしか覚えていなくて、中身はほとんど覚えていませんでした。あるある(笑)。 うちのやんちゃ三男(小3)は、きっとこのシリーズが好きだろうと思って、ちらちら勧めてみるものの、YouTubeの魅力には勝てず。ならば!と“かあちゃんラジオ”を発動させました。 “かあちゃんラジオ”とは、三男が何か手を動かして遊んでいるとき、歯を磨いてるとき、着替えてるときなどに母ちゃんが朗読する

    母ちゃんラジオのススメ - Pocket Garden ~今日の一冊~
    oljikotoushi
    oljikotoushi 2021/11/08
    リンドグレーン作品を色々読んでみようと思っていたのでこちらも読んでみます!
  • 黄金コンビ!老人&子どもの物語 - Pocket Garden ~今日の一冊~

    老人と子どもの相性ってホント抜群! ※毎週月曜・金曜の19時~21時の間に更新中! (できるだけ19時ジャスト更新!ムリだったら、21時までに更新笑) Facebook『大人の児童文学』ページもよかったら♪ 今日は、某紙10月号に紹介した『老人&子どもの物語』7選です。 当は9月に掲載予定で、敬老の日があるので、このテーマにしたのですが、10月掲載になっちゃいました。 老人と子どもって、ホント黄金コンビですよね!児童文学にはこの黄金コンビの物語がいっぱい。ここに掲載してないものでも、ご紹介したいものがいーっぱいあったのですが、この紙面では以前掲載したものや品切れ・絶版状態のものは掲載しないことから、このようなラインアップになりました。では、どうぞ! ①『ヨーンじいちゃん』 ②『おじいちゃんの口笛』 ③『おやすみなさいトムさん』 ④『川の少年』 ⑤『ダーウィンと出会った夏』 ⑥『ナゲキバト

    黄金コンビ!老人&子どもの物語 - Pocket Garden ~今日の一冊~
  • 目をこらせば糸口が - Pocket Garden ~今日の一冊~

    『ブロード街の12日間』(2014年)デボラ・ホプキンソン著 千葉茂樹訳 あすなろ書房 ※毎週月曜・金曜の19時~21時の間に更新中! (できるだけ19時ジャスト更新!ムリだったら、21時までに更新笑) Facebook『大人の児童文学』ページもよかったら♪ 今日の一冊はこちら! 周りからいいよ、いいよ、と勧められていたのに、なぜか殺人事件の話だと勘違いして読んでこなかった私。いやいや、感染症の話でした。ああ、もっと早く読んでおけばよかったなー、とも思ったけれど、今のコロナ禍の時代だからこそ身に染みるものもあり、いま読めてよかったなあ、と思う一冊でした! 2015年の中学生の部の課題図書だったようですが、小学校高学年からもじゅうぶん楽しめます。 『ブロード街の12日間』あらすじ ひとり目の犠牲者は、仕立て屋のグリッグスさん。すさまじいスピードで、それは街をおおいつくした。夏の終わり、だれも

    目をこらせば糸口が - Pocket Garden ~今日の一冊~
  • ドキドキハラハラ自分を取り戻す! - Pocket Garden ~今日の一冊~

    『13カ月と13週と13日と満月の夜』(2003年)アレックス・シアラー著 金原瑞人訳 求龍堂 ※毎週月曜・金曜の19時~21時の間に更新中! (できるだけ19時ジャスト更新!ムリだったら、21時までに更新笑) Facebook『大人の児童文学』ページもよかったら♪ 今日の一冊は、夏休み何か読まなきゃいけなかったのに、読めてない! っていう子にもおすすめ。だって、読み始めたら止まらないから。 スリリングでとても読みやすく、続きが気になるタイプの物語だけれど、単なるエンターテイメントというので終わってません。ちょっと考えさせられもする。 魔女が出てきたりもするけれど、これがねー、リアルなのですよ。 主人公は12歳の女の子で、クラスでどこにも所属してないような浮いてるタイプの子。 以下ネタバレ含みますので、物語の展開ごとお楽しみになりたい方は、このブログは閉じてを読むのに取りかかってくださ

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  • 大人にも響く戦争児童文学 7選 - Pocket Garden ~今日の一冊~

    平和は身近なところから ※毎週月曜・金曜の19時~21時の間に更新中! (できるだけ19時ジャスト更新!ムリだったら、21時までに更新笑) Facebook『大人の児童文学』ページもよかったら♪ 今日は、8月6日。私の父は広島出身なので、子どもの頃は毎年親族が集まり、広島に帰省していました。だから、広島は私にとって、思い入れの強い場所。 というわけで、日は、『大人にも響く戦争児童文学特集』です。 以前ご紹介したものともかなり、かぶるのですが、良いものは、もう何度でも紹介しちゃう。 過去に学ぶというのは、過去にとどまることとは違って、とっても大事だと思うのです。“いま”をよりよく生きるために。過去を教訓として、迷いなく道を選ぶために。 日の7選です ↓ 1.『キジムナーkids』(2017年) 上原正三著 現代書館 2.『世界の果てのこどもたち』(2018年)中脇初枝著 講談社文庫 3.

    大人にも響く戦争児童文学 7選 - Pocket Garden ~今日の一冊~
    oljikotoushi
    oljikotoushi 2021/08/06
    弟の戦争は読んだことありましたが、それ以外は読んだことがない作品でした。気になる作品が多いので少しずつ読んでみようと思います。
  • 憧れの夏休み絵本4選! - Pocket Garden ~今日の一冊~

    夏!スイカ!ダラダラしたい~(笑) ※毎週月曜・金曜の19時~21時の間に更新中! (できるだけ19時ジャスト更新!ムリだったら、21時までに更新笑) Facebook『大人の児童文学』ページもよかったら♪ 我が家の高校生長男、中学生次男は明日から夏休み。さあて、どう過ごすかな。 というわけで、今日はこんな夏休み過ごしたいなあ、という憧れの夏休み絵4選です。 『ウェズレーの国』(1999年)ポール・フライシュマン作 千葉茂樹訳 あすなろ書房 まずは、男子からも大人気のコチラ!これは、もうねー、楽しいです!!! とにかくスケールが大きいのがいい。だって、夏休みの自由研究に”自分だけの文明を作っちゃうんですよ?文字まで発明しちゃって。もうワクワク。 同じような髪型、同じような家、同じような好みのまさに同調の町の中で、仲間外れで、我が道を行くウェズレー。いいぞ、いいぞ!ワクワクだけでなく、スカ

    憧れの夏休み絵本4選! - Pocket Garden ~今日の一冊~
  • 夢にまっすぐな姿は胸を打つ - Pocket Garden ~今日の一冊~

    『ハリスおばさんパリへ行く』(1979年) ガリコ作 亀山龍樹訳 講談社 ※毎週月曜・金曜の19時~21時の間に更新中! (できるだけ19時ジャスト更新!ムリだったら、21時までに更新笑) Facebook『大人の児童文学』ページもよかったら♪ 今日の一冊は、ぜひぜひ復刊してほしいコチラのシリーズ! 私が読んだのは多分中学生のときかな。面白くて一気読みの大好きなシリーズでした。 一度復刊ドットコムにて復刊したみたいですが、いまはもう高値がついてますね……。 映画化しないかなあ、と思って調べてみたら、ナント!2022年、来年公開されるそうではないですか(日は未定だけど)。これは、復刊に期待ですね! ところで、私が持っているのは、講談社文庫版なのですが、そこに挟まっていた講談社文庫童話ファンタジーフェアの案内でびっくり。ええー、ガンバシリーズの『冒険者たち』や『長くつ下のピッピ』も講談社文庫

    夢にまっすぐな姿は胸を打つ - Pocket Garden ~今日の一冊~
  • 夏至に読みたい物語 - Pocket Garden ~今日の一冊~

    『ムーミン谷の夏まつり』(2011年)トーベ・ヤンソン作 下村隆一訳 講談社文庫 ※毎週月曜・金曜の19時~21時の間に更新中! (できるだけ19時ジャスト更新!ムリだったら、21時までに更新笑) Facebook『大人の児童文学』ページもよかったら♪ 今日は夏至ですね。 色んな物語の中で、夏至は特別な夜として描かれていて、子ども心にも何か神秘的なものを感じていたような気がします。 枕の下にある植物を入れて寝ると将来の結婚相手が分かるとか、この日に摘む薬草は特別だとか。 夏至の日には、何か特別なことが起こる……。 人間と人間界以外の世界、自然だったり、スピリットだったりの境が曖昧になって、色んな世界がぐっと近くなり、混在する……気がする。 なんだか、ムズムズ、ワクワク、そしてちょっぴりゾクゾクするんですよね。 というわけで、今日の一冊は、ムーミンシリーズの中から、ムーミン谷の夏まつりをご紹

    夏至に読みたい物語 - Pocket Garden ~今日の一冊~
  • なぜ周りが変わらなければならないのか - Pocket Garden ~今日の一冊~

    『ケーキの切れない非行少年たち』(2019年)宮口幸治著 新潮社 ※毎週月曜・金曜の19時(今日はちょっと遅れました💦)更新中! Facebook『大人の児童文学』ページもよかったら♪ 今日の一冊は、児童文学ではないのですが、児童つながりでぜひ色んな人に読んでもらいたい一冊。 『ケーキの切れない非行少年たち』あらすじ 児童精神科医である筆者は、多くの非行少年たちと出会う中で、「反省以前の子ども」が沢山いるという事実に気づく。少年院には、認知力が弱く、「ケーキを等分に切る」ことすら出来ない非行少年が大勢いたが、問題の根深さは普通の学校でも同じなのだ。人口の十数%いるとされる「境界知能」の人々に焦点を当て、困っている彼らを学校・社会生活で困らないように導く超実践的なメソッドを公開する。(BOOKデータベースより転載) 一時期すごく話題になりましたよね。ベストセラーは基読まないひねくれ者な

    なぜ周りが変わらなければならないのか - Pocket Garden ~今日の一冊~
  • 人を信じられるようになる一冊 - Pocket Garden ~今日の一冊~

    『あふれでたのはやさしさだった 奈良少年刑務所 絵と詩の教室』(2018年)寮美千子著 西日出版社 今日から学校もスタートしましたね。 さて、我が家は新年のお買い物は湘南T-SITEへ。 ゆっくり過ごせて、すごく良いです、ココ!!! 児童書コーナーも少-し流行りものも置いてはあるものの、基好みの選書だったのです。そこへなんと、今回この道のエキスパートの知り合いが働き始めたことを知って、ますます信頼度が高まっているところです。 さて、子どもたちとひとしきり選んだ後、自分用に読み返したい&やっぱり手元に置きたい!と思ったのが、今日の一冊『あふれでたのはやさしさだった』でした。 《内容》 奈良少年刑務所……凶悪な犯罪を犯し、世間とコミュニケーションを取れなかった少年たちが、「社会性涵養プログラム」の一環として受けていた「物語の教室」の軌跡とそれが起こした奇跡。 たった月1回、半年間の詩の教

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  • 受け入れて初めて前進 - Pocket Garden ~今日の一冊~

    『わたしは、わたし』(2010年)ジャクリーン・ウッドソン作 さくまゆみこ訳 鈴木出版 今日の一冊はこちら。 正しいことをしたはずなのに、どうしてこんな目に?一体どうすればよかったというの?理不尽さに、胸がしめつけられるような物語ですが、最後には希望の光が一筋見えます。 鈴木出版の海外児童文学、この地球に生きる子どもたちシリーズは、考えさせられるものが多くて大好き!さくゆみこさんの翻訳されるものにもハズレなしです。 『わたしは、わたし』あらすじ トスウィア(12歳)は、年子の姉キャメロンと優しくて誠実な警察官の父、料理上手で生徒たちみなから慕われている教師の母と、穏やかで幸せな日々を暮らしていた。ある事件が起こるまでは。 ある日起こった白人警察官による無実の黒人少年射殺事件。警察官の父が、悩んだあげく同僚の罪を証言したため、トスウィアの一家は突然全てを奪われることになる。裁判で重大な発言を

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  • こんなことってある?というのがBLM - Pocket Garden ~今日の一冊~

    『キャラメル色のわたし』(2020年)シャロン・M・ドレイパー著 横山和江訳 鈴木出版 ※毎週月曜・金曜の19時~21時の間に更新中! (できるだけ19時ジャスト更新!ムリだったら、21時までに更新笑) Facebook『大人の児童文学』ページもよかったら♪ 今日の一冊は、こちら。 だいぶ前に読み終えていたのですが、ご紹介が遅くなりました。 とても読みやすいです!が苦手な子でもスラスラ読めそう。 そして、読みやすいのに、考えさせられるんです。 実は、今回は、あらすじも何も読まずに予備知識なしで読み始めたんですよね。 なので、最初は、ああ共同親権の間で揺れる少女の話なんだなー、って思っていたんです。 主人公イザベラのママは白人、パパは黒人。親が離婚してしまったので、それぞれの家を1週間交代で行ったり来たり。同じ地域に暮らしているので、幸いにも学校は変わる必要はないんですね。 で、1週間おき

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  • 死の悲しみを乗り越える - Pocket Garden ~今日の一冊~

    『さよなら、ママ』(2016年)キャロル・ガイトナー著 藤崎順子訳 早川書房 ※毎週月曜・金曜の19時~21時の間に更新中! (できるだけ19時ジャスト更新!ムリだったら、21時までに更新笑) Facebook『大人の児童文学』ページもよかったら♪ 今日の一冊はこちら。 世の中の大半の人は、自分よりも先に親を見送ることになると思うのですが、中には早くに親を亡くす子もいます。そのツラさはなかなか想像できなくて、なんて声をかけたらよいのか、かけないほうがよいのか分からなくて迷ってしまう。 そっとしてほしい遺族に対して、手紙を書いたのは果たしてよかったのか?触れられたくない相手の心に、ずかずかと踏み込みむことになったのではないか?ずっと気にかかっていたところに、このタイトルが目に飛び込んできたのです。 『さよなら、ママ』内容 コリーナはワシントン郊外に住む13歳の女の子。いたって普通のはずだった

    死の悲しみを乗り越える - Pocket Garden ~今日の一冊~
  • 苦労させたくない親心ってダメなの? - Pocket Garden ~今日の一冊~

    『兄の名は、ジェシカ』(2020年)ジョン・ボイン著 原田勝訳 あすなろ書房 ※毎週月曜・金曜の19時~21時の間に更新中! (できるだけ19時ジャスト更新!ムリだったら、21時までに更新笑) Facebook『大人の児童文学』ページもよかったら♪ 今日の一冊はコチラ。 兄なのにジェシカ?ジェシカって女の子の名前では? と、タイトルからも推察できるように、今日の一冊は、トランスジェンダーに悩む兄を弟の視点で綴った物語。 とっても読みやすく、これが自分の家族に起こったことだったら……と考えさせられます。とはいえ、手渡すタイプの物語で、自分からは手に取らない内容かもしれないですね……。と思っていたら、今年の、読書感想文課題図書高校の部に選出されたそうです!やった! でも、私自身は、なぜこんなにもマイノリティと呼ばれる人たちの物語に惹かれるんだろう? 純粋に知らない世界を知るのが、楽しい(といっ

    苦労させたくない親心ってダメなの? - Pocket Garden ~今日の一冊~