このブログはまもなく終了となるが、その前に、2019年に公開した記事(全34本)を解説する試みを果たしたい。これは 「著者解題【2018年】」 の続篇である。 前回と同様に、付き合いの長い読者に向かって、ひっそりと種明かしをするような心持ちでやっていきたい。 1. 壊されなかったのは偶然だった(クラクフ) https://wienandme.blogspot.com/2019/01/blog-post.html 2019年の1本目。ポーランドの古都クラクフの家族旅行記。 この頃は、旅行ペースが執筆ペースを上回って、忘れないうちに原稿を完成しないとならないとの焦りがあった。 いまにして思えば、それはまったく無用な焦りだった。なぜなら、たしかな材料さえ揃っていれば、数か月程度のインターバルは、むしろ記憶の自然な浮き沈み(=無意識の力を借りた題材の取捨選択)を促すための適切な熟成期間と