漫画面白かった漫画を特に順位等は付けずに10本並べてみます。志村貴子『放浪息子』 出世作『敷居の住人』の2倍以上の長さを費やして遂に完結。志村貴子の現時点の到達点。「普通の人」とは違う主人公の青春の始まりと終わり、そして様々な葛藤を経て、自分自身の生を能動的に選ぶに至る過程を約10年の連載期間をかけて繊細かつ力強く描き切った傑作。 施川ユウキ『オンノジ』 「正月休みに何かすぐに読める面白い漫画を読みたい」という人に全力で勧めたい。とても下手な絵と鋭角的なセンスでカルトな人気を誇る施川ユウキが、元来のナンセンスなギャグ作家としての力量を存分に発揮しつつ、そこにリリカルさとSFマインドを注ぎ込んで生み出した世界の終わりのボーイミーツガールもの。まさか施川ユウキに泣かされる日が来るだなんて思いもよらなかった。 桜井画門『亜人』 新しい。面白い。今後の展開次第では『デビルマン』や『寄生獣』に肩を並