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ブックマーク / tmaita77.blogspot.com (6)

  • 数学得意率と数学得点の相関

    国際学力調査としては,OECDが3年おきに実施している「PISA」が有名ですが,IEA(国際教育到達度評価学会)が5年おきに実施している「TIMSS」もよく知られています。各国の数学と理科の学力を計測する調査です。対象は,小学校4年生と中学校2年生です。 http://www.nier.go.jp/timss/2011/index.htmlの児童・生徒の理系学力は高い水準にあります。これは当局の報告書でもいわれていますが,教科の得意度と絡めてみると,「はて?」という傾向が出てきます。中2の数学に着目して,それを紹介しましょう。 上記調査では,「数学が得意だ」という項目に,自分がどれほど当てはまるかを訊いています。「とてもそう思う」ないしは「そう思う」と答えた生徒の率を,数学得意率としましょう。下記サイトにて,リモート集計ができます。 http://nces.ed.gov/survey

    数学得意率と数学得点の相関
  • 職業別の年収と未婚率の相関

    2014年2月9日の記事では,職業別の生涯未婚率を明らかにしたのですが,この記事はブログの中で一番読まれています。このようなデータはあまりないため,多くの人の関心を引いたのだと思います。 はて,なぜ職業によって未婚率が異なるのか。個々人の自由意思の総和が偶然そうなっているだけだ,という説明は到底成り立ちません。言わずもがな,各職業が得る富量や威信(prestige)が大きく影響しているとみられます。とりわけ男性にあってはそうでしょう。 それぞれの職業の威信は数値化が難しいのですが,各々が手にする富量は年収という指標で可視化できます。今回は,「就業構造基調査」の職業中分類の統計を使って,年収と生涯未婚率の相関図を描いてみようと思います。わが国の結婚市場の現実を明らかにする作業の一つです。 私はまず,2012年の「就業構造基調査」のデータを用いて,有業男女の職業別の平均年収を計算しました

    職業別の年収と未婚率の相関
  • パソコンを持たない若者

    私は大学で調査統計の授業(3年生対象)を持っていますが,エクセルで簡単な棒グラフを作れない学生さんが結構いることに驚いています。 話を聞くと,「エクセルなんて,1年時のコンピュータ活用の授業以来,全然開いていない。きれいさっぱり忘れた」とのこと。それどころか,パソコンに触れることもあまりないのだそうです。じゃあ,彼らの生命線ともいえるネットはどうしているのかというと,言わずもがなスマホなどの小型機器です。仲間との通信,買い物,情報収集などはこれで十分。 私などはその逆で,ケータイもスマホも持ちませんが,卓上のパソコンは必需品です。ネットはスマホでもできますが,私は目が悪いので,小さい画面はきつい。それに生業であるデータ分析や原稿執筆は,パソコンでないとどうにもなりません。 私は,若者のデジタル事情について興味を持ち,データで実態を明らかにしてみました。国際比較によって,わが国の状況を相対化

    パソコンを持たない若者
    porimern
    porimern 2015/02/25
    無くても事足りるようになったという気もする
  • どれほどヤバい時代を生きてきたか

    社会がどれほどヤバいかをみるには,自殺率が一番であると思います。デュルケムはこの指標を使って,19世紀のヨーロッパ社会の病理をえぐり出してみせました(『自殺論』)。 日の自殺率の長期推移を描くと,下図のようになります。1900(明治33)年から2013(平成25)までの,100年以上にわたる曲線です。自殺率とは,人口10万人あたりの自殺者数であり,厚労省の『人口動態統計』に,計算済みの数値が掲載されています。 自殺率は時期によってかなり違いますが,その水準を5段階に区分してみました。①16未満,②16以上18未満,③18以上20未満,④20以上22未満,⑤22以上,です。この段階分けは,社会の「ヤバい」度レベルとみなせます。

    どれほどヤバい時代を生きてきたか
  • どの学習指導要領で育ったか

    年が明けました。今年もどうぞ,よろしくお願いいたします。 2015年は戦後70年に当たります。この節目の年のスタートということで,特定の観点から戦後史を振り返ってみようと思います。具体的には,学習指導要領の変遷史の上に,各世代の軌跡を書き込んでみます。タイトルのごとく,それぞれの世代は「どの学習指導要領で育ったか」を可視化する試みです。 学習指導要領とは教育課程の国家基準ですが,その内容は時代ともに改訂されてきています。大よそ10年間隔です。その変遷史をみると,能力主義の考え方のもと,授業時数や教育内容がうんと増やされた時期もあれば,その逆の時期もあります。後者の学習指導要領で育った世代は,「ゆとり世代」などといわれたりします。 どの学習指導要領で育ったかは,各世代の人間形成に少なからず影響していることでしょう。学習指導要領をして「国民形成の設計書」となぞらえた論者もいますが,その規定力(

    どの学習指導要領で育ったか
  • 若者にかかる圧力

    今朝方,20代の若者が上の世代から被る圧力の表現図をツイッターで発信したところ,みてくださる方が多いようです。戦後60年間の変化があまりにドラスティックだからでしょうか。 https://twitter.com/tmaita77/status/394250132876574720 ブログにも転載しようと思いますが,そのままコピペというのは芸がないので,近未来まで射程を延ばした図に作り直してみました。1950(昭和25)年,2010(平成22)年現在,および2060(平成72)年の断面をご覧ください。前2者の図は総務省『国勢調査』,2060年の図は国立社会保障・人口問題研究所の「将来推計人口」をもとにしています。 http://www.ipss.go.jp/syoushika/tohkei/Mainmenu.asp ご覧いただいているのは,それぞれの時点における,わが国の年齢人口ピラミッド(

    若者にかかる圧力
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