岸田氏、古賀氏と決別か 総裁選対応に不満 自民党の岸田文雄前政調会長は、10月5日に東京都内で開く岸…
二十九日に運用が始まる羽田空港の新飛行ルートを巡り、世界の約二百九十の航空会社が加盟する国際航空運送協会(IATA)が国土交通省に対して、通常より急角度になる着陸方法の変更を求めていることが分かった。「世界の空港に例のない特別な操縦技術を求められる」として危険性を指摘している。 (皆川剛) IATAでアジア太平洋地域の安全施策責任者を務めるブレア・コールズ氏や加盟する米デルタ航空のパイロットらが一月、東京・霞が関の同省を訪問し、担当者と会談。新ルートで好天時に設定された三・四五度の着陸に「強い懸念を抱いている」と伝えた。 国交省は航空機の着陸角度を通常の三・〇度より急にした理由を、都心上空を通る新ルートで地上との距離を確保し、騒音を軽減するためとしている。 国交省に対して、IATA側は着陸角度を緩やかにするよう求めた。大型機が頻繁に着陸する世界の大規模な空港で「この角度で飛んでいるパイロッ
インタビューに答える元文部科学事務次官の前川喜平さん=東京都目黒区で2020年3月19日、玉城達郎撮影 本誌は前号で、十全な総裁選実施なら石破首相誕生かと報じたが、党員投票なし、安倍政権への総括なし、菅義偉氏の政策への吟味なしで、菅政権が後継となる様相だ。それは安倍政権の内実強化政権であり極めて危険だと警鐘を鳴らす前川喜平元文部科学事務次官が、安倍―菅ラインの正体を暴く。 かつての自民党であれば石破茂氏を選んでいたであろう。病気を理由に突然辞任を発表した安倍晋三氏の後継首相である。コロナ対応だけではない。その基本政策・路線そのものが深刻な行き詰まりを見せていたからだ。出口なき異次元金融緩和政策、外交なき従米軍事抑止力至上路線、説明責任なき「モリ・カケ・桜」政治不信がそれである。 トップの顔を変えることは、その基本政策・路線に軌道修正を図る好機になる。金権・田中角栄の後にはクリーン・三木武夫
期間限定で全文公開 「森友・加計学園」や「桜を見る会」の問題で 明らかになった、公文書の軽視。安倍政権によってエスカレートする 民主主義崩壊の実態に迫った毎日新聞取材班の記録が書籍化されました。6月2日発売の新刊「公文書危機 闇に葬られた記録」(毎日新聞出版)を期間限定で全文公開します。6月25日から第1章から第9章までを1章ずつ連日公開します。第1章の一部のみ無料公開、2~9章はデジタル毎日会員限定での公開です。 本書は、毎日新聞に連載された「公文書クライシス」をもとにしている。登場する人物の年齢や肩書は、原則として掲載時のままとした。 官邸を頂点とする巨大な官僚組織のなかで何が起きているのか この国の権力の中枢である首相官邸は、東京・永田町の高台にある。 緊張したおももちの高級官僚たちが入れ代わり立ち代わりやってくる。首相や官房長官らと面談し、指示をもらうと、坂の下に広がる官庁街に足早
<総力取材12ページ 安倍崩壊 裏切りの電撃辞任> 安倍首相が体調悪化によって辞任した。憲政史上最長最悪の政権は、辞任以前に崩壊していたと見る志位和夫共産党委員長が、7年半にわたる安倍政治の罪を根本から総括、さらにコロナ無策がいかに国民を危機に陥れたかを告発する。 安倍晋三首相が8月28日辞任を表明した。体調悪化、健康問題が理由である。安倍政治の崩壊ぶりをウオッチ、指弾してきた者としてこの際あえて追い打ちをかけたい。遅きに失した決断ではなかったのかと。 理由は三つある。その一は、政治権力の不健全化、暴走、劣化である。安倍1強と言われたころはその打ち出す政策の是非は別にして、指示体系と責任の帰属が明確であった。一連の政治改革の成果としての首相権限の強化がそれを可能にした。異次元金融緩和、集団的自衛権一部解除、国権強化(国家安全保障会議創設、秘密保護法、共謀罪制定)、外交諸施策(領土、拉致)な
検察庁法改正問題と黒川醜聞で、安倍政権への国民の怒りと不信はさらに強まった。自民党内ではいまだに政権を忖度する沈黙が支配しているが、自前の言葉で民主主義の再生を説き続ける石破茂氏の存在感が増している。注目の次期首相候補ナンバーワンが、危機的局面の変革に向けて、存念を語り尽くした。 もういい加減にしてほしい。安倍晋三政権の検察官定年延長をめぐる一連の騒動に素朴な怒りを感じておられる方が多いであろう。 そもそも何のための定年延長だったのか。1月31日のことである。2月8日に63歳となり検察庁法の規定で退職せざるを得なかった黒川弘務東京高検検事長(当時)の定年を半年間特例延長する、との閣議決定が行われた。「余人をもって代えがたい」がその理由だった。黒川氏を検事総長にするための布石だったのは明らかだが、この政権としては珍しいドタバタ駆け込み人事となった。周辺も驚いた。退職後の法律事務所も内定し、送
新型コロナウイルス緊急対策で設けられた「持続化給付金」の民間委託。国会審議などでは、経済産業省が、受託者である一般社団法人「サービスデザイン推進協議会」に、入札の公告前にヒアリングしていたことが明らかになった。専門家は「入札の公平性を妨げた恐れがあり、法律違反も疑われる」と指摘。野党も攻勢を強めている。 「公共性があるからこそ(社団法人として)認可されているのに、その関係者が国会の招致に一切応じなかったり、電話に出なかったり、訪ねて行ったら誰もいない。令和の時代にありえないですよ」。立憲民主党の安住淳国対委員長は4日、協議会の代表理事の国会招致を自民党の森山裕国対委員長に要求した後、記者団の取材に対して語気を強めた。
コロナ禍で急にほころびが顕著になってきた第2次安倍政権。ところが、ツートップである首相と官房長官の関係は「令和」スタートから崩れ始めていた。〝官邸内離婚〟とも揶揄(やゆ)される2人の確執の政治史をつまびらかにし、その背後でうごめく官邸崩壊の戦犯を明らかにしていく。 「余計なことを……。誰があんな原稿を書いたんだ。それを疑問と思わずに読んでしまう方もどうかしている。明らかに末期症状だ」 自民党OBはテレビを見て思わず、こうぼやいた。ぼやきの対象は5月25日18時、首相官邸で行われた首相・安倍晋三による緊急事態宣言の全面解除についての記者会見だ。 この記事は有料記事です。 残り5224文字(全文5498文字)
コロナ禍という人類史的危機に対峙(たいじ)して、安倍政治崩壊後を睨む菅義偉氏―二階俊博氏のラインは、「GoToトラベル」などという感染拡大の可能性をはらむ愚策を強行した。そうではなく、今なすべきは「GoTo PCR」だと主張する保坂展人・世田谷区長が、自治体から日本を変える構想を熱く語る―。 政局は「すくみ合い」による「壮大なる無責任体制」入りした感がある。 安倍晋三首相1強体制が崩れつつあるが、それに代わるニューパワーが育っていない。待機中の石破茂、岸田文雄両氏は、次を襲うにはなお決定力を欠き、連立を約18年間下支えしてきた公明党にも安倍政権末期、ポスト安倍への戦略はない。 この記事は有料記事です。 残り5268文字(全文5560文字)
24日にあった日韓両首相の会談では、関係改善に期待する韓国と、元徴用工問題で譲らない日本の温度差が鮮明になった。ハイレベルの接触は1年1カ月ぶりだが、両国が抱える課題への具体的な解決策には触れぬまま。長引く緊張の緩和に向けた道筋は描けていない。 24日、日韓の国旗が飾られた官邸の一角で、安倍晋三首相は、笑って手を差し出した韓国の李洛淵(イナギョン)首相と笑顔で握手。やや表情を戻して記念撮影に応じた。 李氏は会談後、韓国の記者団に「断続的に行われてきた外交当局の非公開の対話が、今回の会談で公式のものになった」と語った。同行した韓国政府高官も「関係が悪化した7月以降、初めての高いレベルの会談。一つの分岐点だ」と述べた。 今回の会談は天皇陛下の即位の礼で李氏が来日したことを機に実現した。韓国政府高官によると、韓国は当初、文在寅(ムンジェイン)大統領の訪日を歓迎するという安倍首相のメッセージを受け
内閣支持率27%に。筋違いのコロナ対応に加え、黒川弘務検事長の醜聞辞任により、安倍政権は末期的な様相を呈している。その罪と罰――国民の命を軽んじたPCR抑制策について、舛添要一元厚労相が政府、厚労官僚、専門家会議の責任を根底から問う。 前号で予告した「蟻(あり)の一穴」政局のスピードは凄(すさ)まじい。400万の抗議ツイッター、検察の反乱に怯(おび)えたか、安倍晋三政権は週明け、手のひらを返したように方針を転換、検察庁法改正案の今国会成立断念を決めた。それに加えて文春砲である。問題の黒川弘務・東京高検検事長の「三密賭け麻雀(マージャン)」をスクープ、辞任にまで追い込んだ。政権中枢も想定せざる大展開の政局だ。動く時は動く。そうでなくても新型コロナウイルス対策後手批判でボディーブローを浴びつつある政権である。今回の事態は、強気で行けば何とでもなる、とでもいう長期政権の驕(おご)りが自ら招いた危
自民党の新総裁に選出された菅義偉官房長官(中央)と岸田文雄政調会長(左)、石破茂元幹事長(右)=東京都内のホテルで2020年9月14日午後3時41分、長谷川直亮撮影 スタート前から勝負が決まり、シラけ気味だった自民党総裁選。そこで、ひそかに注目を集めていたのが、2位争いだった。「政治生命を左右しかねない」(自民党関係者)と囁(ささや)かれていた次点レースに、なんと、安倍晋三首相の〝怨念〟が絡んでいたというのだ。 「官房長官として国のために黙々と汗を流してきた姿をずっと見てきた。この人なら間違いない。令和時代に最もふさわしい新総裁ではないでしょうか」 9月14日、新型コロナウイルス対策のため、従来実施されてきた東京・平河町の党本部を離れ、都内のグランドプリンスホテル新高輪の最大規模の宴会場「崑崙(こんろん)」で開かれた自民党の両院議員総会。圧勝で総裁の座を射止めた菅義偉官房長官に対し、安倍晋
来年1月に始まる大学入学共通テストでの英語民間試験と国語・数学の記述式問題の導入見送りを受けて始まった、新たな入試制度の検討会議が7日、文部科学省であった。2回目となるこの日は、問題が指摘されながら導入の方針を決めた経緯の検証が本格的に始まった。萩生田光一文科相は「もしかすると大きな課題は、文科省そのものの体質にもあったのかなと思う」と述べた。 文科省は、弁護士の協力を得て過去の議事録を精査し、経緯や問題点をまとめた資料を作成。有識者や教育団体から選ばれた委員らに配布した。 会議では、経済界から委員に選ばれた益戸正樹・UiPath特別顧問が「結論が先にあった。(入試改革が始まる)2020年というターゲットイヤー、目標が定められて、それに縛られすぎた」と指摘。末冨芳(かおり)・日本大教授(教育行政学)は、英語民間試験の活用について、それまで深い議論がなかったにもかかわらず、16年8月の文科省
衆院本会議で国民民主党の大西健介氏の質問に答える安倍晋三首相。「Go Toキャンペーン」の「ゴートゥー」を「ゴートー(強盗)」と言い間違い苦笑い=国会内で2020年6月8日午後1時29分、竹内幹撮影 安倍政治を続けることは、もはや「負」を重ねることでしかない。「ニュース最前線」倉重篤郎が、野党精鋭とともに政権に任期前退陣勧告。持続化給付金事業委託問題、拉致問題への不作為、権力の私物化、歪められた経済……など五つの罪状を上げて厳しく弾劾する。 「打落水狗(だらくすいく)」という中国の言葉がある。文字通り、水に落ちた犬を打つ。転じて、既に打ち負かされたがなお降参しない敵に更に追い打ちをかける。かつて魯迅がこの言葉を用い、革命勢力を叱咤(しった)したことがあった。日本的情の世界にはなじまないが、政治リアリズムの世界ではロープ際に追い詰めた相手をKOするための必須の行為ともいえる。 コロナ後手と不
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