日産自動車の前会長カルロス・ゴーン容疑者(64)が私的な投資で生じた損失を日産に付け替えたなどとして逮捕された特別背任事件で、前会長の勾留理由を開示する手続きが8日午前、東京地裁(多田裕一裁判官)であった。ゴーン前会長は「容疑はいわれのないものだ」と述べ、無罪を主張した。 昨年11月19日の最初の逮捕以降、ゴーン前会長が公の場に姿を現すのは初めて。ゴーン前会長は手錠と腰縄をつけられた姿で入廷した。紺のスーツに白のワイシャツを身につけている。 入廷時は、口を一文字にきつく結び、ゆっくりと堂々とした様子だった。傍聴席を見渡し、弁護人の前の席に座った。 少し白髪交じりで、後ろの髪が少しはねている。少し頰はこけたように見え、頰骨が角張っているようにみえた。裁判官から名前を聞かれると「カルロス・ゴーン・ビシャラ」と答えた。 意見陳述の際には、「捜査機関からかけられている容疑がいわれのないものであると