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  • 仏紙が唸る「数学を世間に広める能力で、時枝正にかなう者はいない」 | 直感の逆を突き、驚かせ、人の未知への欲求を刺激する

    スタンフォード大学の教授で数学者の時枝正(ときえだ・ただし)は、「おもちゃ」を使って数学や物理の定理を解き明かす。スープ皿や木のレール、大きなコインを手に、「ショー」とも呼べそうな講義をいかにも楽しげに始めるその姿に、聴衆は一瞬にして心を惹きつけられるという。 数学者には二つのタイプがいるという──。一つは、チョークを握り黒板に向かう、理論派タイプ。もう一つは、フェルトペンとホワイトボードを使う、どちらかというと応用数学系の人である。 その伝でいうと、時枝正は第三のタイプの数学者である。しかもこの第三のタイプは、世界広しといえども彼一人だけの可能性がある。 時枝は仕事道具をどれも煎餅の空箱から取り出すのだが、箱は「すべて同じブランドのもの」なのだそうだ。たとえばその中身は、見かけはそっくりなのに、転がるものと転がらないものがある二つの不思議な構造物。ひもや輪ゴム、クリップの扱い方は、まるで

      仏紙が唸る「数学を世間に広める能力で、時枝正にかなう者はいない」 | 直感の逆を突き、驚かせ、人の未知への欲求を刺激する
    • わずか数分で聴衆の心を惹きつける“数学界のスーパースター”時枝正 | 2023年に世界が注目した日本人100

      仏紙「ル・モンド」は2023年5月、米スタンフォード大学の数学教授である時枝をこう評した。 「数学者は2つのグループに分けられがちだ。黒板にチョークで数式を書く理論派とプラスチックのシートにフェルトペンで書き込む応用数学者──しかし、日本の時枝正は第三のカテゴリーに属している」 ル・モンドは、パリのアンリ・ポアンカレ研究所での時枝の講義に注目する。彼は数学や物理学における古典的な内容を取り扱う際に、チョークではなく大きなコインを用意し、それで理論を視覚的に伝えているのだ。 時枝が注目される理由は、「わかりやすく数学を広める」という彼の特殊能力にある。シンプルな道具を使い、深淵な数学理論を親しみやすく解説するその手法は「手品のよう」とも形容される。 時枝の経歴もまた非常にユニークだ。もともと彼は画家としての将来を嘱望されるほど絵画に長けていた。日本を離れ、フランスに発ったのは14歳のころ。「

        わずか数分で聴衆の心を惹きつける“数学界のスーパースター”時枝正 | 2023年に世界が注目した日本人100
      • 「5人に1人」が処方される“恐怖のクスリ” | 金に目の眩んだ米製薬会社の「罪」を追う

        1996年、米国で、オピオイド系の麻薬性鎮痛薬「オキシコンチン」が発売された。その年、医学誌にはこんな広告が掲載されている。 2つのカップがスポットライトに照らされていて、片方には「朝8時」、もう一方には「夜8時」と書かれている。そして、キャッチコピーがひとつ。 「たった2錠で、痛みが和らぐ」──。 新薬で見た「地獄」 オキシコンチンが発売された当時、42歳の主婦だったエリザベス・キップは、とある米カンザス州カンザスシティの医師を訪れた。 彼女は14歳のときに乗馬大会の練習中に落馬して以来、ずっと腰痛に悩まされてきていた。それからというもの、短時間作用型の鎮痛剤をずっと服用してきたが、その日、医師に新しい薬を試してみないかと提案された。 オキシコンチンを12時間ごとに1錠服用する、というのが医師の指示だった。彼女は、その指示をしっかり守ったという。 「科学者気質だから、こういうことは厳格に

          「5人に1人」が処方される“恐怖のクスリ” | 金に目の眩んだ米製薬会社の「罪」を追う
        • エマニュエル・トッド「いま私たちは西洋の敗北を目の当たりにしている」 | 西側諸国は「何も見えていない」

          西洋の凋落を証明する「3つの要因」 ──2023年に弊紙から受けたインタビュー「第三次世界大戦はもう始まっている」が、今回の新著を書くきっかけになったと伺っています。すでに西洋は敗北を喫したとのことですが、まだ戦争は終わっていませんよね。 戦争は終わっていません。ただ、ウクライナの勝利もありえるといった類の幻想を抱く西側諸国はなくなりました。この本の執筆中は、それがまだそこまではっきり認識されていなかったのです。 昨年の夏の反転攻勢が失敗に終わり、米国をはじめとしたNATO諸国がウクライナに充分な量の兵器を供給できていなかった事態が露呈しました。いまでは米国防総省の見方も、私の見方と同じはずです。 西洋の敗北という現実に私の目が開かれたのは、次の三つの要因によるものでした。 第一の要因は、米国の産業力が劣弱だということです。米国のGDPにはでっちあげの部分があることが露わになりました。私は

            エマニュエル・トッド「いま私たちは西洋の敗北を目の当たりにしている」 | 西側諸国は「何も見えていない」
          • 経済学者は現行の社会モデルや租税モデルが“持続不可能”だと気づきはじめている | トマ・ピケティ「新しい“眼”で世界を見よう」

            トマ・ピケティ「新しい“眼”で世界を見よう」 経済学者は現行の社会モデルや租税モデルが“持続不可能”だと気づきはじめている ジョン・ベイツ・クラーク賞を受賞した仏経済学者ガブリエル・ズックマン Photo: Ian C. Bates / The New York Times

              経済学者は現行の社会モデルや租税モデルが“持続不可能”だと気づきはじめている | トマ・ピケティ「新しい“眼”で世界を見よう」
            • 萩尾望都が仏紙に語る「漫画を描いて、母の抑圧からの解放を模索した」 | BLの礎を築いたアーティスト

              日本の漫画が人気なフランスだが、いわゆる少女漫画の作品はまだあまり知られていない。そんななか、フランスで1月末に開催されたアングレーム国際漫画祭に合わせ、大規模な萩尾望都回顧展がアングレーム市美術館で開催された(2024年3月17日まで)。これを受け、仏紙「ル・モンド」がオンラインで萩尾にインタビューをしている。 戦後日本の漫画界の立役者 萩尾望都の50年以上に及ぶ創作活動から生まれた作品の数々に目を通すと、痛感することがある。それは、フランスが世界有数の日本漫画消費国を自負するわりに、日本の漫画の受容においてすっぽりと抜け落ちてしまっている部分があることだ。 これは萩尾だけに限った話ではないが、フランスでは、日本の著名女性漫画家の作品の多くが出版されていないのだ。1972~76年に描かれた萩尾の初期の名作『ポーの一族』のフランス語版が出版されたのは、2023年に過ぎない。 1949年生ま

                萩尾望都が仏紙に語る「漫画を描いて、母の抑圧からの解放を模索した」 | BLの礎を築いたアーティスト
              • 日本の画期的カキ陸上養殖に仏紙「久米島で革命が起きている」 | その牡蠣は“あたらない”らしい…

                食中毒の心配なしに食べられる「あたらない牡蠣」の生産を目指し、沖縄県・久米島で開発が進む牡蠣の陸上養殖。日本と同じく生牡蠣を愛する国、フランスの「ル・モンド」紙特派員が久米島へ、世界初の試みの現場を訪ねた。 プレハブの事務所、いけすのある温室、謎めいたコンクリートの建物……。日本の南端にある小さな島、久米島の海辺に建てられたこの施設で、「牡蠣養殖の革命」が起こっている。 日本企業ゼネラル・オイスター(GO)の子会社ジーオー・ファーム(GO Farm)が、この地で深海の水を使い、「あたらない」牡蠣を陸上養殖しているのだ。 「エイス シー オイスター2.0(8TH SEA OYSTER 2.0)」の陸上養殖技術の完成には、10年の研究を要した。「8TH SEA」とは、古代からの伝説にある7つの海に加えて、第8の海=深海を意味する。大量の水を循環させ、適切な餌を与え、最適な温度管理をおこなう。こ

                  日本の画期的カキ陸上養殖に仏紙「久米島で革命が起きている」 | その牡蠣は“あたらない”らしい…
                • 角界“追放”の元力士が出場、米国流SUMOに現地メディアも驚き | エジプト出身の大砂嵐ら、試合前に舌戦も

                  エジプト出身の大砂嵐ら、試合前に舌戦も 角界“追放”の元力士が出場、米国流SUMOに現地メディアも驚き 2024年4月13日、米ニューヨークで開催された「ワールド・チャンピオンシップ・スモー(WCS)」で、トロフィーを掲げる大砂嵐とソスラン・ガグロエフら Photo: Roy Rochlin / Getty Images 米ニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデンで相撲の世界大会とされるスポーツイベントが開かれ、米紙「ニューヨーク・タイムズ」によると、観客はプロレスさながらのリングネームや相手選手への挑発も含む“米国流”の相撲を興味津々で楽しんだという。 同大会には、大相撲の元幕内で引退勧告の処分を受けたエジプト出身の大砂嵐や、大麻所持事件で日本相撲協会を解雇された元若ノ鵬とみられる選手も出場。それぞれ現地メディアの取材に応じている。 「礼儀正しい日本の相撲」と大違い 複数の現地メディ

                    角界“追放”の元力士が出場、米国流SUMOに現地メディアも驚き | エジプト出身の大砂嵐ら、試合前に舌戦も
                  • 国が衰退しているのは明らか─それでも日本人の「平和ボケ」はいまも健在 | どうしてそんなに無頓着?

                    進む少子高齢化、成長しないどころか後退しはじめた経済、そして頼りにならない政府──そんな危機迫る状況にもかかわらず、なぜか日本国民は落ち着いているようだ。その“不思議”を米紙「ニューヨーク・タイムズ」が解説する。 数十年間ほとんど成長をみなかった景気が、いまや後退段階に。減り続ける人口、昨年の出生数は過去最低。政治が硬直しているように思われるのは、事実上権力を握っているのが一党であり、どれほどスキャンダルまみれになろうと、不支持率が高まろうと、その状況に変わりがないからだ。 でも、ご心配なく。ここは日本、悪い情報はすべて相対的なものだ。 まあ見てみよう。日本みたいな現状ならば、社会的荒廃の兆候、たとえばゴミの散乱、路面の穴ぼこ、ピケライン(ストやデモの際に張る監視線)等々を想像するだろうが、それはまず見当たらない。安定ぶりとまとまりの良さはいまも驚くほどで、破滅が差し迫っている感じはほとん

                      国が衰退しているのは明らか─それでも日本人の「平和ボケ」はいまも健在 | どうしてそんなに無頓着?
                    • 100年前に“素人”経済学者が提案した「腐る貨幣」が再注目されている | 「未来の社会はマルクスよりゲゼルから学ぶだろう」

                      そもそもお金とは何なのか? お金の歴史は、経済学者ジェイコブ・ゴールドスタインが著書『貨幣 その誕生の真実』 (未邦訳)のなかで述べるとおり、「義務の概念と気まぐれな論理」から成り立っている。お金が発明される前、人々は物々交換に頼っていたがこれは非常に不便なシステムだった。ゴールドスタインいわく、「お互いの需要が一致」しなければ、交換は成り立たないからだ。私が小麦を持っていて、あなたが肉を持っているとしよう。私たちが交換を成立させるためには、私がちょうど肉を求めていて、あなたもちょうど小麦を求めていなくてはならない。これはこのうえなく効率が悪い。 価値と価値の交換は、世界中のあらゆる文化において存在する。たとえば結婚、殺人罪に対する刑罰、そして生贄(いけにえ)。こうした交換で使われたのは、子安貝、マッコウクジラの歯、長い牙を持つブタなどだ。これらの品物は、お金の持つ2つの大きな役割を果たし

                        100年前に“素人”経済学者が提案した「腐る貨幣」が再注目されている | 「未来の社会はマルクスよりゲゼルから学ぶだろう」
                      • 同性婚が日本で認められない背景にあった、保守政治家と「神道政治連盟」の強い関係 | 宗教右派に依存してきた自民党との強い関係

                        神道系政治団体の政治的影響力 何百万人もの日本人にとって、神道は精神的修行というより文化的な修行だ。毎年正月を迎えると、多くの人が神社に参拝し、新しい年の幸運を祈る。また、恋愛や受験、就職がうまくいくように祈願する人も多い。 このような儀式は、決まった信条の下におこなわれているわけではない。土着の宗教である神道には、公式な教義も経典もない。一方、日本では一般的にほとんど知られていないものの、全国8万社の神社を包括する神社本庁の関係団体「神道政治連盟(神政連)」が、同性愛者やトランスジェンダーの権利などに対する保守思想の声を政治家のあいだに広めようとしてきた。 日本はG7の国のなかで唯一同性婚を合法化していない。2023年5月のG7広島サミットに向け、米国などの駐日大使らは、性的少数者の差別反対と権利擁護を盛り込んだ法整備を日本政府に促してきた。世論調査によると、日本では同性婚が大多数に支持

                          同性婚が日本で認められない背景にあった、保守政治家と「神道政治連盟」の強い関係 | 宗教右派に依存してきた自民党との強い関係
                        • 古代ローマ人は「去勢された永遠の少年」をどう見ていたのか? | 彼か彼女か、それとも…

                          なぜ古代世界には「去勢」の風習があったのか? 去勢された者はどんな存在と見られていたのか? 古代ローマ世界での場合を中心に、イスラエル紙「ハアレツ」の考古学記者が深掘りする。 世界で初めて故意になされた雄の去勢が何だったかは、永久に不明のままだろう。現代の歴史家たちは、去勢は畜産から始まったと示唆している。それは、望ましくない繁殖を減らし、より穏やかで、より肥えた牛や豚を生み出すためだったというのだ。 人間の男性の去勢はどうやら、罰の一種として最初に導入されたようだ。古代の史料は、誰が最初にそれを始めたのかを明快に語っている。これほど倒錯したことを思いつけるのは、女しかいないだろうと──。 ギリシャの歴史家ヘラニコス(前5世紀末に著述活動)は、アケメネス朝ペルシア(前550〜前330年)の王妃アトッサ(在位前520〜前486年)が最初の宦官を生み出したとしている。古代ローマ後期、ローマの住

                            古代ローマ人は「去勢された永遠の少年」をどう見ていたのか? | 彼か彼女か、それとも…
                          • 独経済学者が解説 日本経済を世界4位に転落させた「自滅行為」とは | 政府も企業も自ら「衰退」を選んだ

                            低成長を続ける日本経済が回復する兆しはなかなか見えず、世界3位を維持してきた名目GDPも2024年2月にドイツに抜かれた。欧州議会の顧問などを務める経済学者ダニエル・グローは日本経済低迷の原因を独自に分析し、欧州諸国に「同じ失敗をするな」と警鐘を鳴らす。 日本はもっと、よくなっていいはずだ。 労働者の教育レベルは高く、かつよく訓練されているし、社会全体としての投資額は多くの先進諸国を上回っている。たとえば日本における研究開発費はGDPの3.3%を占め、最近まで米国よりも高かった。にもかかわらず、日本経済は相対的に低迷しつづけている。 ドイツ人経済学者で欧州政策策定協会の所長でもあるダニエル・グロー。欧州各国の政府や中央銀行の顧問を経て、現在は欧州議会の顧問を務める。米シカゴ大学で経済学の博士号を取得。専門は金融・財政政策、為替レート、気候変動など Photo: Puramyun31 / W

                              独経済学者が解説 日本経済を世界4位に転落させた「自滅行為」とは | 政府も企業も自ら「衰退」を選んだ
                            • 「ジャニーズ事務所の記者会見」を海外メディアはこう報じた | 東山新社長の疑惑にも触れて…

                              9月7日に行われたジャニーズ事務所の記者会見の模様は、海外メディアでも広く報じられている。 なかでも3月にドキュメンタリー番組で性加害の事実を暴いたBBCは、新社長に就任した東山紀之の過去の疑惑についても報道。記者の「『俺のソーセージを食え』と指示したのは事実か」という質問に対し、東山は「記憶をたどっても本当に覚えていない。したかもしれないし、してないかもしれない」と答えたと報じた。 英紙「ガーディアン」はメディアの問題点を指摘。「喜多川は何年にもわたって性的虐待疑惑があったが、若者たちを惹きつける事務所のスターたちとの接点を失うことを恐れた大手新聞社やテレビ局はその疑惑を無視した」と報じた。 また、米紙「ニューヨーク・タイムズ」はジャニーズ事務所の会見を受けて同日に開かれた「ジャニーズ性加害問題当事者の会」の様子も報道。中村一也氏の「ジャニーズ事務所が会見したことは夢のような感じに思いま

                                「ジャニーズ事務所の記者会見」を海外メディアはこう報じた | 東山新社長の疑惑にも触れて…
                              • 進化心理学者ロビン・ダンバーが教える友情の秘密─ポイントは「七本柱」と「30分ルール」 | 友達の数は何人が理想的? 男の友情と女の友情は違うの?

                                ロビン・ダンバーは、英オックスフォード大学の進化生物学の名誉教授であり、人類学者でもある。彼は、一人の人間が持てる友達の数は150人が最大だという「ダンバー数」の提唱者として世界的に有名だ。また、飲酒やゴシップが人間関係の円滑化に決定的な役割を果たすことを示した研究でも知られる。 ダンバーの著書『なぜ私たちは友だちをつくるのか: 進化心理学から考える人類にとって一番重要な関係』は、友情研究の名著である。一般人にもわかりやすく、この数十年の研究結果が紹介されている。そんな彼に「会話が成立する最大人数は4人」「友情の七本柱」や「30分ルール」といった話に加えて、男の友情と女の友情の違いといった、最近はタブーになりつつある性差の話についても語ってもらった。 友達の数が多いことは、禁煙と同じくらい健康に良い ──友達がいると幸福度が上がりますが、それだけでなく健康や寿命にもいい影響が出るそうですね

                                  進化心理学者ロビン・ダンバーが教える友情の秘密─ポイントは「七本柱」と「30分ルール」 | 友達の数は何人が理想的? 男の友情と女の友情は違うの?
                                • 『限りある時間の使い方』の著者に聞く「心が軽くなる時間管理術」 | 「目的のある人生」の落とし穴って?

                                  タイムマネジメントに関するアドバイスは世に溢れているが、実際にはストイックすぎて継続不可能なものも多い。自分の心と体にとって、本当に健康的なタイムマネジメントとはどんなものなのか? ベストセラー『限りある時間の使い方』の著者オリバー・バークマンに聞いた。 いままでと同じやり方じゃ、どうせうまくいかない 終わりのないToDoリストに悩んでいないだろうか? そんなとき、LinkedInや自己啓発系ポッドキャストでよくある解決策は、効率を上げろというものだ。 朝は5時に起きる。スケジュールは15分刻みで管理し、メールはこまめにすぐ返信する。アイアンマンレースに向けたトレーニングをしながら、中国語の勉強もする。自己管理を徹底して、たくさんの会議や人脈作りのコーヒータイムを詰め込み、家族との時間も大切にする。 だが、みんながこれに納得するわけではない。「こんなふうに時間との戦いに勝つことはできません

                                    『限りある時間の使い方』の著者に聞く「心が軽くなる時間管理術」 | 「目的のある人生」の落とし穴って?
                                  • 村上隆が仏紙に語る「僕が楽観主義なのは、記憶喪失のせいです」 | 「オタクだった少年時代」から「AIへの思い」まで

                                    長い髪にあご髭、ジョンレノン風の丸眼鏡……村上隆(61)は、永遠の美大生のような風貌をしている。この日本の現代美術のスターは、パリ近郊の街ル・ブルジェのガゴシアン・ギャラリーで、長さ24メートル、高さ5メートルの大作を展示している。展示初日のレセプションでは、若い頃にオタクだった彼らしく、NFT(非代替性トークン)が無料で配られた。 「楽観的になることを妨げているのは過去ですから」 ──2006年、オークションハウスのクリスティーズは、あなたを世界で6番目に高額なアーティストと格付けしました。いまはどうなっているのでしょうか。 それは知りませんでした。で、いまは誰が一番高額なアーティストなんでしょう? 奈良美智さんかな……。2021年のトップがジェフ・クーンズで、次がデイヴィッド・ホックニーですか。それも知りませんでした。この手の格付けはあまり重要とは思えなくて、注目していないんです。 ─

                                      村上隆が仏紙に語る「僕が楽観主義なのは、記憶喪失のせいです」 | 「オタクだった少年時代」から「AIへの思い」まで
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