実は、この不正報酬疑惑は、すでに「文藝春秋」7月号「西川廣人さんに日産社長の資格はない」で、日産の前代表取締役であるグレッグ・ケリー氏が明かしていたものだ。 「行使日」をずらして約4700万円を上積み 西川氏が不正な報酬の受け取りに用いたのは、ストック・アプリシエーション権(SAR)である。これは日産が導入している株価連動型の役員報酬のこと。あらかじめ基準となる株価が決められていて、その価格と、権利行使したときの市場株価との差額を日産から受け取ることができる仕組みだ。 ケリー氏の証言によれば、西川氏の本来の「行使日」は2013年5月14日だったが、実際に行使されたのは同年5月22日。この約1週間で、行使価格は約120円(約10%)上昇している。 ケリー氏は「文藝春秋」のインタビューに応じ、こう明かしている。 ©文藝春秋 「5月14日に一度行使したのに、その後に日付だけを変更して『再行使』し